二次創作小説(紙ほか)
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- ケイ、誘拐されるの巻
- 日時: 2018/02/03 10:21
- 名前: ゾーシャ (ID: w3bYEGlY)
冬休みに入ったある日。
私はレッドのユニホームを着ていた。
ケイがある犯罪組織が盗んだ宝石がこのビルにあるという情報を掴んだからだ。
『そこを左だ。警備員がいる可能性がある。気をつけろ』
インカムの向こうからケイの落ち着いた声が聞こえてくる。
「うん、わかった」
私はそう言って慎重に進む。
なるほど、警備員だ。
私はポケットからケイ特製の睡眠ガスが入った玉を取り出し、指弾ではなつ。
「…ぐ、…」
警備員の額に命中し、ばたんと倒れる。
私は気絶している警備員を跨いで針金を使って宝石が保管されているという部屋の扉の鍵に差し込んだ。
10秒もし無いうちにかちゃん、と音がする。
ゆっくりと扉を開ける。
『奥に進め。本棚があるはずだ』
はいはい、分かったよ。
ていうか防犯カメラとかは大丈夫なの?
『この部屋防犯カメラだらけだ。避けられない。だったら堂々と映って警備員をここにおびき寄せる方がいい』
…、それって私が全部相手するって事だよね…?
『そうは言っていない。おびき寄せるだけだ。アスカ、チンタラしているとそれこそ侵入者に気づいた警備員が来るぞ』
あ、そうだよね。
『奥に本棚があるはずだ。スライドしてみろ。隠し扉があるはずだ』
どれどれ、おお、これ?
確かに本棚。
これを…こうやって…
本棚を左にスライドさせるように押すと本棚はあっさりと動く。
そして扉が現れる。
『それだ。今から俺がいう数字をそこに打ち込め』
わかった!
『8、9、5、3、6…』
えっと、はち、きゅう、ごぉ、さん、…
ケイが言う通りに数字を入れるとロックが外れる。
『中に入れ。入るとガラスケースがある。警報はなると思うが気にせずに盗め。警備員がある程度集まってきたらほかの警備が薄くなってきたところで逃げる。わかったな?』
うん、わかった!
私は躊躇わずに扉を開け、ガラスケースを見つけるとガラスケースをひょいと上にあげる。
ビーーーー!
大きな警報が鳴り響く。
私は中の宝石を掴む。
「ケイ!どうしたらいい?」
『警備員が集まってきている。部屋から出て窓の前で待て』
ケイはいつもと変わらないレッドのときの自信ありげな声で言う。
『…アスカ、逃げ…ぁ、がっ…!』
「ケイ!?」
ザザっと乱れた音がして、再び声が聞こえる。
『君の相棒は俺が預かるよ…ははは』
『ザザっ…アスカ…っ!来るな、こいつは…あ、…!』
ドン、と音がする。
ちょっと!なに、何があったのっ?!
そして、プツンと通信が切れる。
ケイ、どうしたのっ?
で、でもとりあえず逃げないと!
私は宝石をポケットに入れるとケイが居るはずのマンションの屋上に向かった。
さて、そろそろか。
俺はアスカに向かって言う。
「アスカ、逃げ…ぁ、…がっ!」
首筋に物凄い衝撃が走る。
すぐに自分は背後からスタンガンを当てられたのだと分かる。
衝撃と痛みで体が崩れ落ちていくのがわかった。
意識が朦朧としてくる。
アスカ!
「やあやぁ、怪盗レッド。盗みは終わったかい?ははは」
ひょろりとした男が俺に近づいてくる。
その間にも視界がだんだんと薄れていく。
男は俺の首からヘッドホンを奪い、マイクに顔を近づける。
「君の相棒は俺が預かるよ…ははは」
なっ、…!
「…アスカ…っ!…来るな、こいつは…あ、…!」
再び首に衝撃がくる。
俺はそこでふっと意識を手放した。
私は懸命に走った。
途中の路地で私服に着替え、ケイがいるはずのマンションに向かう。
屋上まで一気に駆け上がりら扉をバンと開ける。
「ケイ!」
そこには誰もいなかった。
ただ、冬の冷たい風だけが音をたてていた。
「…、ケイ…?」
誰も返事などしない。
私は、ここにいても無駄だと思った。
そして家に向かった。
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続きます