二次創作小説(紙ほか)
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- 【東方project】狂気は伝染する
- 日時: 2018/02/14 22:55
- 名前: わよーん (ID: E9wFY3OE)
「覚」
狂気は伝染する。『それ』は、病原菌のように、幻想郷に広がっていた。
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「ただいま、お姉ちゃん!」
「おかえりなさい、こいし。」
目の前にいるであろうこの少女は、古明地こいし。私の妹だ。地上での話を、楽しそうに話しているのだろう。
「今日はね、お面の妖怪と一緒に遊んだのよ!」
「そう、良かったわね。」
「うん、また遊びたいな。」
「.....また、地上に行くの?」
「こい「え?うん、明日も遊びに行ってくるわ。お姉ちゃんも行く?」
「こいし聞いて」
「そうよ!こんな地面の下に引きこもってちゃつまらないわ!お姉ちゃんも_...」
「黙ってっっっ!!」
そう叫ぶと、今まで聞こえていた声が止んだ。
「........」
「あなたっていっつもそうよ!自分のことばかり!あなたが目を閉じた時も、私のことなんか考えずに、自分の世界に逃げ込んで!」
ああ、醜い、汚い。こんなこと言いたいんじゃないのに。
「私があなたのこと見てないって?確かにそうね。現に今も私はあなたがどこにいるのかさえわからない!」
「でも、それはあなたも同じことじゃない!私のことなんて、見えていないんでしょ!?」
「気づいてた?私、あなたが怖いの!こいしが恐ろしいの!心が読めない、あなたが....!」
「お願い!元に戻って!目を開いて!」
「お姉、ちゃん」
ああ、やっと見えた。あなたの心が。
「こいし....」
こいしの目が、少しずつ瞼を開けている。
「ありがとう。これであなたにも私の気持ちを知ってもらえるわ。」
「お姉ちゃん、私...!」
「あなたが瞳を閉じた時の私の気持ちを。」
「え?」
私は、机の上にあった万年筆をひっつかみ、自分の第三の目に突き刺した。
「なにやってるの?お姉ちゃん。」
強く見開かれた瞳から、黒いインクと赤い血がほとばしった。
「想起」
「閉じた恋の瞳」
私の記憶、あなたの記憶、私の思い、あなたの思い、全部注いであげるから。
「明日は、地上を案内してくれる?」
「うん!明日は、一緒に。」
薄暗い部屋に残されたのは、二つの閉じた瞳だけ。
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「It's Lunatic time.狂気の世界へようこそ。」