二次創作小説(紙ほか)

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銀魂 短編 雪の積もった夜は明るい
日時: 2018/02/20 17:48
名前: 白銀 (ID: zKniY0ST)

皆さんこんにちは。白銀です。
今作は、銀魂の銀さんとお登勢の出会いの話を書いていこうと思います。
死神篇とかぶき町四天王篇で少しだけ語られていた部分を書いていきます。
↓どうぞご覧ください。



「約束したんだろ」
そう言って銀時を処刑するはずだった池田夜右衛門が牢屋のカギを開けた。
「あんた・・・」
銀時はよろよろと体を起こした。
「すぐにいかないとまた捕まるぞ。今度はすぐに殺される。あの子との約束を守れ」
夜右衛門は銀時を裏口に案内し逃がした。銀時は白夜叉として捕まり様々な拷問を受けていた。体中が痛み足元もおぼつかず辺りには雪が少しずつ積もり始めていた。
着物一枚に薄い草履だけではとても耐えられないほどの寒さだった。だが銀時は決して歩みを止めなかった。
あの無邪気な少女との約束を守るために。
((「じゃあ私が立派な処刑人になったら、お兄ちゃんの首を切ってあげるね!」
「切っちゃうの?」
「うん、痛くないから楽〜に天国へ送ってあげるよ!」
「そうかい、楽〜にかい、そいつはいいや。・・・・・・約束だぜ」))
(けっ、我ながらバカな約束をしたもんだぜ)
銀時は壁に手を突きながらゆっくりと歩いて行った。目的もなく。
銀時が曲がり角を曲がろうとすると、後ろから銀時を追う男たちの声が聞こえてきた。
「いたぞー!!」
「捕まえろ!」
銀時はその声を聞き何とか逃げようとするが、雪に足を取られ、なかなか前に進まない。あっという間に男たちは銀時を取り囲んだ。
「おとなしく捕まれ」
「悪いが俺はお前らに付き合っている時間はない。お前らに捕まるつもりもない」
「なら力ずくで捕まえるだけだ!」
男たちが一斉に銀時に襲い掛かる。銀時はなんとかかわし男から刀を奪い切りつけた。銀時によって切られた男の腕が雪を真っ赤に染めていく。だが圧倒的に銀時は不利だ。
銀時は壁に追い詰められた。
「くっ・・・」
銀時は敵を一人一人何とか無力化した。
銀時は逃げていくうちにいつの間にか墓地に入っていたらしい。誰とも知らぬ墓地の裏に座り込んだ。
墓石は冷たかった。
(俺もこんな風に冷たくなっちまうのかな・・・)
そんなことを思っていると、誰かの足音が聞こえた。自分のところでは止まらないように祈っていたが足音は銀時が隠れている墓の前で止まった。足音の正体は初老の女性だった。
その女性は墓に何かをお供えしているようだった。
「なぁ、その饅頭、食っていい?腹減って死にそうなんだ」
銀時はいつの間にかそんな風に話しかけていた。女性は少し驚いた様子だったが、
「これはあたしの旦那のもんだ。旦那に聞きな」
女性はそれだけ言った。銀時はお構いなしに饅頭をむさぼり始めた。
「なんて言ってた、あたしの旦那」
女性はそう聞いてきたが死人の声が聞こえるはずもなく、
「知らねぇ、死人が口きくかよ」
銀時はただそういった。
「罰当たりな奴だねぇ」
女性はあきれたように言った。
「死人は口も利かねえし饅頭も食わねぇ。だから勝手に約束してきた。あんたの女老い先短いだろうが俺が守ってやるってよ」
「そうかい。こんなあたしを守ってくれるのかい。気に入った、ついてきな。あたしはスナックを開いていてね、多少の飯なら出してやれるよ」
銀時はその女性についていった。するとスナックお登勢と書かれた店の前で立ち止まり中へと入っていった。
「ここがあたしの店さ。自己紹介がまだだったね、あたしの名前はお登勢っていうんだ」
「・・・・・・坂田銀時」
「そうかい、銀時っていうのかい。いい名前じゃないか。そこに座って待ってな。今準備してくるから」
お登勢はそう言うと厨房らしき部屋へと入っていった。しばらく待っているとホカホカのご飯が銀時の目の前に差し出された。
「熱いから気をつけて食べるんだよ」
銀時はその言葉を聞かず口に詰め込み始めた。時々咳き込む姿をお登勢は少し微笑みながら見つめていた。
「そんな恰好じゃ風邪ひくよ。それに体も冷たいから風呂に入ってきな。そしたら少し寝ることだね。疲れも取れるよ。服はあたしの旦那のがあるからそれを出しておくよ。サイズが合わなくても文句は言わないでおくれよ」
「ああ・・・」
銀時は風呂場の鏡で自分の傷を見た。自分が思っているよりもひどい傷だった。髪の毛で隠れているから見えないが、頭には切り傷がいくつもある。腕などにはたくさんのアザ、体にも様々な傷があった。
風呂に入るのはいいが、傷にしみてうっかり声が出てしまわないように口をふさぎながら入った。
お登勢が出しておいた服は銀時にはちょうどいいものだった。銀時に合わせて作ったかのような服だった。
「もう風呂から上がったのかい。もう少しゆっくり入っていてもよかったんだよ」
「いや、風呂で寝ちまいそうになったから早めに出ただけだ」
「そうかい、じゃあそこに布団が敷かれてれるからそこで少し寝な。何かあったらすぐに起こすから」
「ああ、頼む」
銀時はそう言うと布団に入りすぐに眠りについた。
「まるで小さい子供ができたみたいだねぇ」
お登勢はそう言うと、スヤスヤと眠る銀時の顔を見つめた。
寝返りを打った時に銀時の頭と腕に傷があることに気付いたが、手当てをして起こしてしまったらかわいそうなので銀時が起きてから手当てをしようと思った。
銀時は久しぶりにぐっすりと眠ることができた。そしてお登勢に上の部屋を使えと言われ、万事屋銀ちゃんを開き、新八と神楽に出会い、様々な困難を乗り越えていくことになったのだ。



完結





あとがき
いかがでしたでしょうか?
短編でまとめることができてよかったです。
次回お楽しみに!


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