二次創作小説(紙ほか)
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- キリト、ファンタジー世界へ
- 日時: 2018/03/21 03:57
- 名前: ケイリ (ID: /B3FYnni)
『和人くーん、早く早く!』
『ああ、分かってるよ!!』
俺を最愛の人が呼ぶ。
『和人さん、おそいですよ!』
『悪い、珪子』
『早くしないと売り切れちゃうじゃない、
限定スイーツ』
『ハイハイ、お嬢様方のゆうとうりにしますよ』
俺は今日、明日奈たちの買い物に付き合っている。まあ、実際荷物係。本当は今日は明日奈と
二人でデートするはずだったのだが、里香から
急に朝メールがきて、
『和人!あんた今日私たちの買い物に付き合ってくれない?どうしてもあんたの力が必要なのよ
、明日奈にはもう言ってあるから!お願いね!』
と言われてしまったため、予定を変更し今に至る。
『次はどこに行くんだ?』
『あそこのプリンの店に並ぶわよ!』
俺はまだ知らなかった。
これから起こる壮絶な出来事を。
『あ、ごめん私トイレ行ってくるから店の前で
待ってて!』
『明日奈、人結構いるから人混みに飲まれないよ うに気をつけろよ!』
『うん!』
私はこのあととてもこのことを後悔することになる。トイレなんて、いくらでも我慢できたのに。
俺が違和感を覚えたのは、もう少しでお目当てのプリンが買えるというところだった。
やけに周りが騒がしいというか、いや買い物客
でいっぱいなのだからそれは当然かも知れないが
、警備員や警察官などが、デパート内を走り回り
、無線で忙しそうに話している。
一瞬迷子か、誰かこの人混みに巻き込まれて怪我でもしたのかとおもったが、ここ30分ほどは迷子の放送は流れていなかったし、救急車がきた気配もない。
だとしたら、なにか事件でもおこったのか?と思い、急に明日奈のことが心配になってきた。
そう思った俺はすぐに行動を起こして、
『里香!俺、明日奈のことやっぱ心配だからちょっと見てくる!』
『はあ!?荷物どうすんのよ!』
『すぐ戻ってくるから一瞬里香持ってて!』
遠くから里香の怒声が聞こえてきた気がしたが、
聞こえなかったふりをしてトイレに向かった。
俺の気のせいだといいが、嫌な予感がする。
何かとんでもないことが起きるような、嫌な予感が。
『待て!止まれ上川!』
そんな切羽詰まった声が聞こえたのは、もう少しで店からの最寄りのトイレにつくころだった。
- Re: キリト、ファンタジー世界へ ( No.1 )
- 日時: 2018/03/21 05:15
- 名前: ケイリ (ID: /B3FYnni)
『え、』
猛スピードですぐそこまでやって来ていた人影に
俺は避けられず、その人影とぶつかった。
『いてて、、大丈夫ですか?』
声をかけようとして、俺はその顔を見て驚いた。
今指名手配をかけられている極悪殺人者にそっくりだったのだ。それに、さっきの人の『上川』という声。間違いないこいつは、、
と、俺が思想を巡らせている時に
『いてて、、くそっ!邪魔だ!俺を邪魔する奴は全員殺してやる!』
その男が起き上がり懐から拳銃を取り出し俺に向かって発砲してきた!
パァァァァン!
やけに耳に響くその音と共に、俺の意識は深い闇へと落ちていった、、、。
私はトイレを終え、みんなの元へ帰ろうとした時、
『待て!止まれ上川!』
という切羽詰まった大声と、衝突音を聞いた。
誰かぶつかったのかと思い大急ぎでトイレを出た私の目にうつったのは、最愛の人がけたたましい発砲音と共に血を吹き出して倒れる姿だった。
『和人くん!!』
和人くんの白いシャツにどんどんと赤いしみが広がっていく。和人くんの顔は真っ青で、かたく目が閉じられている。
『うそ、、、なんでっ、、』
私がいくら呼びかけても答えず、代わりに床に赤い血溜まりを作っていく。そんな状況に明日奈が
発狂し気を失いそうになった時、
『しっかりしてください!!』
私の耳に、とてつもなく大きな声が聞こえた。
『け、、珪子ちゃん?』
それは私に必死に呼びかける珪子ちゃんだった。
『明日奈、救急車今呼んだから大丈夫!まだ和人は生きてる!しっかりして!』
すぐに里香の声も。
『里香、、、なんで、、』
『すごい音とあんたの叫び声が聞こえてすっ飛んできたのよ!そしたらあんたは発狂してて呼びかけても返事しないし、和人は血だらけで動かないし、びっくりしたわよ!』
『ど、、しよ、、里香、和人くんが死んじゃう』
『この際ハンカチでもいいから布持ってきて血止めるわよ!素人がどこまでやれるかわからないけど、このままにするよりましだわ!』
もう既に和人くんの傷口には沢山のタオルが乗せられ、必死に血をとめようとしていた。
だが、それでも血は止まっておらず、まだ多くのタオルが必要だった。
血を止めることが和人の命を救う唯一の方法だとわかった明日奈は、かばんからありったけの布類を出し、和人の傷口に当てながら、必死に呼びかけた。
『死なないで、和人くん!お願い、血止まって!』
そんな明日奈の声は、駆けつけた救急隊員によって止められた。
『そこをどいてください!』
和人はすぐさまストレッチャーに乗せられ、救急車にはいっていった。
『付き添いの方はいらっしゃいますか!?』
『わたしがいきます!』
『ではすぐのってください!』
明日奈は救急車に乗りこみ、ずっと、和人の手を
握り続けた。
和人は人工呼吸器をつけられ、傷口に血が送り込まれていた。
無機質な機械音が鳴り響いている。そのテンポがだんだんとおそくなっていく。
『いや、、、しなないで、、、!』
明日奈が声をはって叫ぶも、さらにテンポは遅くなっていく。
『心泊数低下!』
『電気ショックだ!』
白いシャツを脱がされている和人の胸に機械が
つけられ、医者の合図と共に和人の身体がのけ反る。
『さらに心拍数低下!』
『心臓マッサージだ!』
医者が必死の抵抗をするも、虚しく和人の心臓は、その動きをとめた、、。
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