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二次創作小説(紙ほか)
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- どうして魔法使いは数学を学ばないのか
- 日時: 2018/03/26 14:03
- 名前: 井上沙友理 (ID: 3NNM32wR)
「ねえジェームズ、私、二千百六十クヌートしか今、手持ちがないの」
「僕は一クヌートぽっちも持っていないし、ここにはシリウスがいない」
「……ごめん、僕も何も持ってない」
「二千百六十クヌートもあれば十分さ、アイリ—ン」
適当なことを言いやがる、とアイリ—ン・スミスはため息をついた。
「——そう、今日あなたたちを呼んだのは他でもない荷物持ちのためなんだけれど……今日私の家には私を含めて二十人の親戚たちが集まるの。ほとんどがちびっこよ。それでお菓子を買いにここに来たの」
「ああ、もちろんわかってるさ」
「それで、私の手持ちは二千百六十クヌート。お菓子を買うにしても二種類くらいは欲しいわね。
それで、この八十クヌートのパイと百五十クヌートのパイ、二十個買いたいの。それぞれ何個買えば二千百六十クヌート、ちょうど使い切れるかしら」
ジェームズ・ポッター、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューの全員が硬直した。そしてアイリーンは思い出す。この便利で神秘的な魔法界ではこんな簡単な数学すら教えていないのだと。
——そして、自身も十一歳から恐ろしいほど勉強に触れていないのだと。
この瞬間、アイリーン・スミスは決意した。
ホグワーツ……いや、魔法界中の魔法学校に新教科として国語、数学、理科、社会をもうけさせ、選択科目として吹奏楽、合唱、保健体育、外国語をもうけさせることを。魔法界中の子供たちに、適切な勉強をさせることを。
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