二次創作小説(紙ほか)
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- 文豪ストレイドッグス7
- 日時: 2018/03/27 15:11
- 名前: 白銀 (ID: uJjLNBYk)
皆さんこんにちは。白銀です。
今回は、虐待を行うシーンがあります。不快になる場合は読むのを中止してください。
あと少しで終わりそうです。
↓どうぞご覧ください。
詩織は腹部の痛みで目を覚ました。目を開けると、そこにはもうこの世には存在しないはずの両親がいた。
「ほんと何なのよこいつ!こんな子生まなきゃよかった!」
その言葉は何度幼い詩織の体に浴びせられたかしれない。そう言われるたびに詩織は涙をこぼしながら謝った。いつか「生まれてきてくれてありがとう」そう言ってくれると信じて・・・。
あの頃よりもだいぶ成長したはずの詩織の体が小さく見えた。あの頃と同じか細い声で詩織はこういった。
「ごめん・・・なさい」
「何!?聞こえない!」
母親はそう言うと再び詩織の腹を蹴り飛ばす。
「ごめんなさい・・・!」
先ほどよりも少し大きな声で再び詩織がそういった。母親が吸っていた煙草を詩織の腕につけようとしたその時、
「すいませーん、児童相談所のものなんですがー!」
母親はいやいや玄関に向かい、ドアを開けた。
「何か?」
「お宅のお子さん、ちゃんと医者などの医療機関に連れて行ってあげてますか?」
「うちの子は風邪ひいたりしないので」
母親はぶっきらぼうに答えドアを閉めようとするが、足をドアの部分に挟まれ閉めることができなかった。
「お子さんを不衛生なところで育ててませんか?近所の方から子供の悲鳴が聞こえるとの通報もありました。虐待を行っているのではありませんか?」
「そんなことするはずないでしょ!」
母親は無理やりドアを閉めた。児童相談所の人間が遠ざかる音を聞いた後、母親は詩織の口にガムテープを付けた。
「んんーー!!!」
「うるさい!」
母親は詩織の体の上にまたがって、ほほを平手打ちした。何度も何度も。そんなところへ、母と同じく詩織に暴力をふるう乱暴な父が帰ってきた。
「こんな時間からうるせぇな」
「仕方ないでしょ!こいつのせいで今の私はむしゃくしゃしてるんだから!」
そう言いながら母は何度も詩織を殴る。詩織の左頬は赤くはれ上がっていた。詩織は殴られながらこんなことを思っていた。
(こんな悪夢・・・早く覚めてくれ。せっかく逃れられたのに、せっかく忘れていたのに・・・・・・)
詩織は生まれた時から愛されてなどいなかった。原因は詩織の左目だった。詩織が生まれた時、初めて詩織を抱いたとき、その目を見て母親は悲鳴を上げた。
『こんな子供、私の子じゃない!』
生まれてすぐに詩織に向かってはいた言葉がそうだった。退院してから一度も通院することなく、風邪をひいても一度も医者に連れて行ってもらえず、どこにも連れて行ってもらえず、幼稚園にすら行かせてくれなかった。
まともな食事も与えられず、与えられたとしても腐りきったようなとても食べられないもの、だがそれを残すと、無理やり口の中に詰め込まれた。
詩織を殴るのはいつの間にか母ではなく父親に代わっていた。
思い拳が詩織のほほに振り下ろされる。いつの間にか詩織は意識を失っていた。
目を覚ますと現実に意識が戻っていた。殴られたほほがじんじんと痛む。体中殴られ蹴られで、力が入らない。
「何だ、もう現実に戻ってきたのか」
「お前・・・・・・」
ボスは詩織を仰向けにすると、胸に勢いよく足を振り下ろした。
「かはっ!」
一瞬息ができなくなる。足を退かそうと掴むがびくともしない。
「もう一度行ってこい」
詩織の意識は再びなくなった。そうして詩織は何度も、現実に戻ってきては過去へ行き、虐待を受け、戻ってくる。その繰り返しだった。
詩織の心はどんどんすり減っていった。
そのころ、探偵社では、詩織の救出作戦を練っていた。
乱歩の超推理のおかげで居場所は突き止めた。だが、監視カメラや見張りなど、守備はかなり堅い状況だった。そして作戦がまとまり、国木田が説明した。
「作戦を説明する。まず、乱歩さんはここで待機をお願いします。そして、ビルの入り口には、かなりの数の見張りがいるだろう。ここを谷崎の異能を使って正面突破する。詩織がいるところまで、細雪を使って監視カメラなどを欺く。敵にもおそらく異能者がいる。その異能は太宰、お前が無効化しろ。乱歩さんの推理通り、詩織がいる部屋の扉が強固だった場合、賢治が扉を突き破る。敵に見つかった場合は、俺と鏡花で応戦する。太宰は、敵の異能を無効化したら、敦と合流しろ。そして敦、お前は賢治が突き破った扉の向こうにいる敵の制圧だ。与謝野さんも敦についていってください。詩織の手当てを」
国木田の説明に全員がうなずいた。
いよいよ、詩織の救出作戦が始まる・・・!
続く
あとがき
いかがでしたでしょうか?
次かその次くらいで終わりそうですね。ようやくゴールが見えました!
次回、お楽しみに!!