二次創作小説(紙ほか)

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無慈悲
日時: 2018/06/09 22:04
名前: 傘こ (ID: Mm9jHYga)

テニスの王子様。高校生になった赤也くん。

Re: 無慈悲 ( No.2 )
日時: 2018/06/10 06:25
名前: 傘こ (ID: Mm9jHYga)

「今日のゲストは、今注目の若手アイドルグループ・Empty girlsの桜井七日さんと矢多田ゆりさんです!」

深夜のトーク番組。司会者が2人の名前を言うとドアが開き2人の女子が出てきた。

「こんばんは、Empty girlsの不真面目担当の高校2年矢多田と」
「こんばんは、同じくEmpty girlsの適当担当の最年少高校1年桜井です」
「今日はよろしくお願いします」
「「お願いします」」

矢多田ゆりは赤茶色のショートヘアで高2とは思えない見た目の大人っぽさ、桜井七日は黒髪でボブヘアーでthe JKである。どちらともトーク力があるのかないのか、

「ゆりちゃんはめちゃくちゃ怒られてて笑う」
「なの態度でかいから誰も怒んないんですよ」
「意見言ってるだけなんですよ私」
「違います!スタッフさんにブチ切れかますまじでこいつ」
「あれはなんか、藍ちゃんがインフルなのにグアムのロケで食中毒になったのに、飯食えって言うから。そりゃないよなぁって思って」
「ほ、ほう…七日ちゃんめちゃくちゃいいキャラしてますね」
「本当にこいつやばいですよ最年少なのに」
「いぇーい」

視聴者から見てこの2人が仲いいとは思えない、あまり。終始司会者やスタッフの笑い声はするが、

「まぁでもね、お姉ちゃんたち大好きだもんね」

矢多田は桜井の頬をつついた。桜井は大きく頷き、矢多田の方を見ながらニコニコしている。お姉ちゃんたちとは、残りの3人のメンバーである。

「可愛いんですよ最年少やっぱり」
「…だろ」
「やっぱり可愛いくなーい」

矢多田が笑いながら、オーバー気味に言うとスタジオがまた笑いに包まれた。


それを見ている2人は始めから真顔である。

「もっと面白いこと言いたかったのになぁ、クソ」
「それなー」

夜中にテレビの前でスナック菓子を広げながら、ソファの上に並んで座っている。

Re: 無慈悲 ( No.3 )
日時: 2018/06/10 06:47
名前: 傘こ (ID: Mm9jHYga)

桜井七日は神奈川の私立校・立海大附属高校に通っている。中2でアイドルを始めたとき、どうせ売れないんだからちゃんとした高校入ろうと決意して、神奈川で5番目くらいの進学校を受験したが失敗。立海大附属高校の普通科に通っている。

チャリで20分。最近番組の企画でやっと自転車に乗れるようになった。あの企画は友人らに好評だったな。

「七日おはよ」
「おはよ」
「昨日のテレビ見たよ、やっぱ学校とキャラ変わんないね」
「いい子ちゃんしてるんだけど」
「ぶりっ子するより全然いいよー」

七日は顔が可愛い。駆け出しでちょこっとテレビに出るようになったアイドルでも、一般人よりは顔が整っててスタイルがいいのがわかる。可愛らしい見た目に反して、陰湿なことを嫌う性格なので大体の女子からは浮いたり何か直接的に言われることは無い。

「あ、課題やってねー」
「うちの見る?」
「いいの?!」
「つか私にも見せてわ」

課題をやっていない七日に対して、中村実咲がノートを渡した。それに群がって数名の女子も写している。やはり普通の女子高生である。

いつもより無造作に教室のドアが開いた。切原赤也が入ってきた。男子が口々に「おはよ」といい、赤也も席に着いた。

「赤也、お前朝練は」
「足怪我したから無理いぃぃ」
「えー、放課後遊べんじゃん」
「…その手があった」

眠そうに机に突っ伏していた赤也が顔を上げた。

Re: 無慈悲 ( No.4 )
日時: 2018/06/10 09:51
名前: 傘こ (ID: Mm9jHYga)

休み時間、顧問に怪我の報告をしに行った。

「先生。俺、左足炎症起こして3週間動けなくなりました」
「だからなんだ」
「その…」
「大会いつかわかるよな」
「…7月です、けど」
「お前のエントリーに小林を入れるから、以上」

職員室前で話が終わってしまった。どうしよう、団体戦のメンバーが中学のときと変わらなくて、先輩も喜んでたのに。あぁみんなから遅れを取る。仕方なく赤也は教室に戻るため階段をゆっくりと上がる。ねーちゃんがよく「病み期」って言うけど、今その言葉がわかる。俺も病み期だ。

「あ、赤也くん」
「先輩、こんにちは」

一個上の三葉楓先輩。割と仲がいい。

「なんか…落ち込んでる?」
「いえ、なんでもないっす」
「あんまり無理しちゃダメだよ」

顔を覗き込んできたが、今の赤也に人と目線を合わせる力などない。楓は赤也の頭をぽんぽんとして「じゃあねっ」と階段を下って行った。

「頭…ぽんぽん…」

後ろから声がして、赤也はこれまた無気力に振り返ると桜井七日が硬直していた。

「なんが?」
「なんか遭遇して悪かったなって思って…」
「ただの先輩だわ、勘違いすんなよ」

なんで命令形なんだよ。と七日は言いかけたが、カップルのイチャコラに遭遇した気まずさから立ち止まってしまっただけである。

「お、おう」

赤也を追い越してスイスイ階段を上がっていく七日を横目に、赤也は1人憔悴していた。

Re: 無慈悲 ( No.5 )
日時: 2018/06/10 10:05
名前: 傘こ (ID: Mm9jHYga)

「七日、今日レッスン休み?」
「うん」
「どっか行かない?」

久しぶりに実咲と二人で遊ぶ。実咲とは中学から一緒にいるし、同じダンススクールに通っている。私はそこでスカウトを受けてアイドルになった。

「いやぁー久々の休養だわ」
「七日って彼氏作らないの?」
「いらないかなぁ、仕事あるし女の子といた方が楽しいんだよね」
「えぇぇ高校生だよ私たち」

実咲はモテモテなのに彼氏を作らない。謎。

「誰かいい人いる?」
「うーん…うちのクラスだと、切原くんは?」
「あぁ…」

先輩とラブラブの、あれびっくりしたよ。ゴミ捨て場から教室に戻る途中先輩と思わしき方と、すごい親しげに話してるの見ちゃった。なんか、クラスメイトだから気まずすぎワロタ。

「切原ってかっこいいの?」
「女子からめちゃくちゃ人気あるじゃん、私はそう思ったことないけど」
「まじかー、先輩とラブラブだからまぁね」
「彼女が先輩なの?!」
「本人は彼女じゃないって言ってたけど…あ」

交差点の通りにいる先輩と切原が見えた。

「あの人」
「え?あ!」

髪がくるっくるで背が小さめで小鹿みたいに華奢。切原とニコニコしながら並んで歩いている。2人で交差点を渡りながらこっちにくる。私は知らないふりをして実咲とおしゃべりする。

「可愛いね、まぁ七日の方が可愛いけど」
「うひ」

とりあえず格好のネタとして、私と実咲には暗黙の了解になった。

Re: 無慈悲 ( No.6 )
日時: 2018/06/10 10:16
名前: 傘こ (ID: Mm9jHYga)

「赤也くん、なんか今日歩くの遅くない?」
「普通っすよ」

楓先輩に誘われて、ゲーセンに行くことになった。気分がいまいち乗らないが、年上の人の誘いなので断るわけにもいかない。

「なんかあったらいつでも言ってね。相談に乗るから」
「あざっす」

交差点に着いた。信号が青になるまで、隣で先輩は自撮りかなんかしてるっぽい。「載せていい?」「いいっすよ」と多分生返事になってるだろうけど、先輩のインスタに今日も俺が載ることになる。

あ、桜井と中村。俺らには気づいてないだろう。もし見られてたとしたら、桜井には完全に疑われる。まぁ別に何とも思ってないし、他人の恋愛とかに興味なさそうだし。

「あの子たち…同じクラス?」
「はい」
「右側の子、アイドルだよね」
「あぁはい。Empty girlsですよね」
「アイドルにしては可愛いくなくない?」
「いや、ちょっとわかんないです」

楓先輩は本当によく分からないことを言った。俺は先輩と桜井どっちが可愛いって言ったら、桜井が可愛いと思う。


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