二次創作小説(紙ほか)
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- 放課後、星空の上で。
- 日時: 2018/06/26 17:46
- 名前: つー (ID: U/MA9rl2)
「放課後、星空の上で。」
彼からのメールは、私はまだ見てなかった。
塾の帰りが遅くなって、あわてて帰ってケータイを見て、はじめてこのメールを見た。
とたんに、涙がぶわっと湧き出して、止められなくなった。
あの日のこと、思い出してしまったから。
必死にメッセージを打って、送信した。
「あんたって、ほんとバカ。」
樹聖(じゅせい)学園小学部に通っている私、星野ゆきは、小学六年生。別にどれと言った特技も取り柄もない、ごくごく普通の小学生。
今、バスに乗って、学校に向かっているけれど、人生、こんな当たり障りのない毎日なんだって思う。
学校に行って、帰って、お風呂に入って、寝る。そんな毎日が、一年間、365日、続いていくんだって。
友達なんていないし、最近の流行にも遅れてて、クラスではちょっぴり浮いている自分がいやでたまらなくて、この前流行の曲を聴いてみた。
でも、なんとなく私には向いてないって思って、途中で消しちゃったんだ。
いや、全部受け入れるのが怖かったんだと思う。
慣れていない曲が怖かったから。
(こんなに憶病なのって、私しかいないんだろうなあ)
バスは、一つ目のバス乗り場に向かった。違う学校の子が何人かそこで降りて、まだバスは動き出した。
「おまえ、星野じゃね?」
いきなり声をかけられて、びっくりした。さっきバスの中へ入ってきた男子が、私の前まで来て大声で叫んだんだもの。
一気に注目を浴びて、恥ずかしくてうつむいた。
「あの、どいてくれませんか。」
蚊の鳴くような小さい声で言うと、男子は眉をひそめた。
「おまえなあ、親切に声かけてやったんだぞ。この俺が。」
あんたなんか知りません、それに上から目線すぎじゃないですか。そういうの良くないと思います…と、(もちろん心の中で)私は言った。