二次創作小説(紙ほか)
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- これは所詮ifの話
- 日時: 2018/07/06 12:50
- 名前: 七瀬まるフォイ (ID: 3NNM32wR)
——ママ、今日学校でこんなことがあったんだ!
びっくりだよ、まさかロンが……——
——パパ、聞いて!
僕がクィディッチの選手だなんて驚きだよ——
優しい微笑みをたたえたママに、わしゃわしゃと頭を撫でてくれるパパ。
意地悪な親戚たちにこき使われない日々。
朝起きたら「おはよう」と言ってくれる二人がいる。
僕はそれだけしか望んでいなくて、それはとてもささやかな幸せなのに。
- Re: これは所詮ifの話 ( No.1 )
- 日時: 2018/07/06 13:20
- 名前: 七瀬まるフォイ (ID: 3NNM32wR)
第零章
第一話 きっとこれはおかしな夢
——みっつだけ、そう……みっつだけ願いをかなえてやるよ!
午前二時。
意地悪な従兄のダドリーに殴られ疲れた少年、ハリー・ポッターはすやすやと眠っていた。最近の……いや、ここ十年程の彼にとっての休息は最早寝ることしかなかった。
「悪魔憑きだ!」
「いやいや超能力者だよ」
「いーや、ただの間抜けなハリー・ポッターだよ」
学校に行けばなぜか僕の周りでだけ変なことが起きて僕はいじめられる。別に、僕は何もしてないのに。……きっとものすごく運が悪いんだ。それか、もしかしたら本当に悪魔憑きのおかしなやつなのかもしれない。
ただきっと、僕に憑いてる悪魔はものすっごく弱いんだろう。だって、ただのぶくぶく太った豚みたいな男の子一人さえ、倒せないんだから。
——誰が弱いだって?
半分意識があるくらいの状況でそんなことを考えたハリーの脳で、そんな声がこだました。耳からではない、脳に直接伝わってくる刺々しい声に、ハリーは少しだけ気分を害した。
——僕と、もしいるのなら僕に憑いてる小っちゃな悪魔のことだよ。
——お前は弱い。あとお前に小っちゃな悪魔など憑いていないさ。
憑いているのは大きくて強くて賢くて狡い……そう、俺だけだ!
目を開けなければいけない、そんな気がしてハリーは目を開けた。
「よう、弱虫のハリー・ポッター少年。俺はインキュバス、夢魔とか夢でエロいことするしか脳がない低能悪魔とか言われてるけど違う。だいたい悪魔の能力なんてさして差はない。邪な願いでも聖なる願いでもなんでもかなえてやる……ただ聖なる願いなら神様や天使に頼めってな!」
今の時刻の空のように真っ黒な肌、血のように赤い目、とがった耳、裂けたような口に尖った歯、尖った爪、コウモリのような羽根……体はとても細くて、身長は僕よりは高い。
「きっとこんなの……何かの夢だ、そう、おかしな夢だよ」
「まあそう思えばいい。俺もお前にたいした用はない。そう……三つだ。三つだけ、願いを叶えてやる。三つ目を叶えるとき、お前の命はない。四つ目を叶えるとき、お前は向こう百年俺の奴隷だ」
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