二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- music・box♪
- 日時: 2018/07/06 19:36
- 名前: 琥珀 (ID: ymH1.iL8)
ポロン、ポロポロッ、ポロ…パーン …こんにちは。私は夕葉心音。今私は見ての通り、ピアノの練習してるの。この曲、難しいんだよね…。ビバルディの「春」なんだけど、トゥリルっていうのがなかなか弾けなくて、もうやだ。ほら、さっきも間違ったでしょ?…え、わかんない?あ、ごっごめんなさい!
と、とにかく私は春がホントに嫌だったの…
- Re: music・box♪ ( No.1 )
- 日時: 2018/07/07 19:35
- 名前: 琥珀 (ID: ymH1.iL8)
次の日。「ただいまー」と私は学校から帰ってきた。「あ、今日もお母さん、いないんだ…」そう。私のお母さんは、いつも仕事で忙しくて、私と会える時間があまりない。だから大体の家事は私の役目なの。でもお母さんがいないのは、やっぱ淋しい。うちには、お父さんがいないから…。お父さんは、私が生まれる前に、不治の病に侵されて永遠に戻らなくなった。お父さんってどんな存在なんだろう…。
で、私は自分の部屋に行き、宿題をしようと思って卓上を見た。そして「ん?これ、なんだろう」と、置かれていた箱を手に取った。見たところオルゴールみたい。一度ネジをまかずにフタを開ける。「えっ…ウソ…」私はその瞬間、思わずオルゴールを落としてしまった。
- Re: music・box♪ ( No.2 )
- 日時: 2018/07/08 19:20
- 名前: 琥珀 (ID: ymH1.iL8)
オルゴールの中には、こんな言葉が彫られていた。
「心音、ピアノ頑張れ。心音ならできるよ。心音のお父さん、夕飛」
私のお父さん…?一度も顔を見せて
くれなかった、お父さん?何故、私の名前と、ピアノのことを知ってたの?いくつもの疑問が、頭の中で渦巻いた。段々複雑で掴み所のない気持ちになりながら、とりあえずネジをまいた。キラキラと、音が流れ出す。音は、次第に色となり、私の周りをクルクル回りだした。なんなのこれ。軽パニック。暫くそのままでいると、ふと音楽が止まり、私は、いつの間にか全く知らないところ−−−−多分どっかの橋の下−−−−で佇んでいた。ここ、どこなのよー!
- Re: music・box♪ ( No.3 )
- 日時: 2018/07/09 19:26
- 名前: 琥珀 (ID: ymH1.iL8)
どうしたらいいのかもわからずに、ボーッと突っ立ってると、突然背後から、「ここで、何をしているの?」と声をかけられて、1cmは跳び上がった。「あら、驚かせちゃったかしら?ごめんなさいね。」その人は、綺麗な深緑の目をしていて、見ていると吸い込まれそうだった。そしてこれまた深緑のシルクらしき生地のドレスも、とても美しい。この人、誰なの?「あっ、申し遅れたわね。私は、布売りと布染めが仕事の、シルク。貴方の名前は?」シルクさんに、心を読まれたかのよう。「えっ、えと、私は、夕葉心音です。」「そうなの。ココネちゃん?この地域では、少し珍しい名前ね。で、ココネちゃんは迷子なの?」うう、ここがどこか、わかんないなんて、怪しまれるかな…ど、どうしよう⁉
- Re: music・box♪ ( No.4 )
- 日時: 2018/07/17 18:16
- 名前: 琥珀 (ID: ymH1.iL8)
「ん…そうです。」ここは、迷子ってことにしておこう。「まあ大変、迷子なの。ココネちゃん、家がある街の名前は…」「あの、さっきからずっと考えてるんだけど、多分動転してて、どうしても思い出せないんです。でも、海沿いに住んでいるのは分かりますっ」私は、シルクさんを遮って言った。海沿いというのは、来る前に実は前面に海と可愛らしい小さな家が見えたから、咄嗟にそう嘘をついた。でも、海沿いに連れて行かれたらもうおしまいだ。「海沿いなの。海は遠いから、今日は、私の知り合いに宿屋の主人がいるから、その人の宿に泊めてもらうといいわ。じゃあ、主人を呼ぶわね」え?主人を呼ぶ?普通宿に案内してくれるでしょ。主人を呼ぶってどういうこと⁉
Page:1