二次創作小説(紙ほか)
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- スイッチ!
- 日時: 2018/08/16 15:11
- 名前: こむぎ (ID: .WzLgvZO)
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深海ゆずは先生のスイッチ!の二次創作をします!
【ライバル誕生!】
1☆ 4男子と非日常
ここは黒猫館402号室。
朝だというのに、リビングからは大声が聞こえてくる。
「だれだ! 俺のコップを割ったのは!」
怒鳴り狂うのは、藤原レンさん。
そして、それをあ然と見つめるのは、私こと日々野まつりと、谷口翼さん、小笠原和月さんだ。
ベッドから起きてすぐに聞こえた絶叫。
その原因はこれだったのですね…。
テーブルにぶちまけられた水と、コップの、ざんがい。
ガラスの破片は、きいろい。
きいろの、半透明のコップさん、お気の毒に。
「お前だろ!」
レンさんが指で差ししめしたのは、翼さんだった。
「なんのことかな〜☆」
ブチリ。
レンさんの頭のどこかが、切れる音がする。
ちなみに。レンさんと翼さんは、すごく仲が悪い。
「ふざけるな。俺が起きてきたとき、ここにいたのは翼、お前しかいなかっただろうがあああ!」
翼さんがヒューっとわざとらしく口笛を吹く。
和月さんが苦笑いして、お二人のやりとりを見守る。
「えー。幻覚じゃない? レンは頭が固いから、そういうふうには見えなかったんじゃない?」
「はあ? そんなわけあるか」
ただならぬ雰囲気に、私はやっと口を挟んだ。
「いい加減にしてくださいっ! そんな小さなことで争うのはよくないです!」
レンさんがニコッとスマイルを見せる。
怖い!
これが起こる前の、究極のスマイルというものでしょうか。
「寝てるとき誰の声が聞こえた?」
頭に手を当てて、レンさんが言う。
私は首をかしげて、記憶を呼び起こそうとする。
確か…。
「まず一番最初にしたのは、翼さんの声ですね。『うわあ、どうしよう⁉』などどおっしゃっていましたね」
黒猫館402号室。
レンさんが翼さんに怒鳴り始めました。
- Re: スイッチ! ( No.1 )
- 日時: 2018/08/16 15:32
- 名前: こむぎ (ID: .WzLgvZO)
2☆和月さんの攻撃
黒猫館402号室。
ただいま、部屋の中ではレンさんvs翼さんの戦いが始まっています。
「やっぱりお前かああ! 謝れ」
「誰が謝るもんか!」
ガタンバターンッ。
二人はくんずほずれつ、もみあう。
「もし、レンが『今まですみませんでした。このエリートで天才の翼様に
一生、犬のように忠実に従います』って3回ぐらい土下座してくれれば、謝ってもいいけどぉ〜」
ビキビキ。
「ほおおおお。この藤原レンに向かって、よく言いきれるな」
ヤバい状態です!
このままでは、危ないです。
なにかしなくては!
わたしは部屋の中を見回し、電話を見つける。
ボタンを押し、受話器を取る。
「はい、もしもし。ハイ、日々野まつりです。えーっとですね、いろいろありまして。あ、はい。お願いします」
男子3人が、ポカンとする。
「えーっと。ポチ子? 誰にかけてるの」
私は、翼さんに向けてとびっきりの笑顔を見せた。
あっけらかんと言い放つ。
「もちろん。…斎賀しず…」
最後まで言い終わらないうちに、3人がこそこそと逃げ隠れようとする。
あーら。ナイス判断ですね☆(棒読み)
日々野まつり、12歳。ここで三方に逃げられては、マネージャーとして失格です!
と、そのとき。
ピンポーン ピンポーン
「こんにちは〜!」
斎賀しずる校長先生が、中に入って来られました。
自分から電話をしたのですが、また三つの屍の山ができるとなると、血の気が引く思いです。
「まつりちゃん! 俺は許さないぞ!」
「んなことはいいから、逃げろ!」
レンさんが、手首をつかむ。
「ギャッ! 気持ち悪い!」
わたしはその手を突き飛ばすと、校長先生の隣に立ち、不敵に笑ったのでした。
- Re: スイッチ! ( No.2 )
- 日時: 2018/08/20 14:28
- 名前: こむぎ (ID: .WzLgvZO)
黒猫館402号室。
ただいま、校長先生vs3男子の戦いが始まったところだ。
で。「逃げろ!」と、その3男子が次々と私の手をつかむので、吐きそうになる。
私、男子は大っ嫌いなんです。
なので、気安く触らないでほしいって、何度も言っているのですが…。
なぜか、全然聞いてもらえないんです。
「ごたくはいいから、逃げろー!」
レンさんが強引に私の手をつかみ、部屋を出る。
翼さんが後に続き、和月さんが校長先生になんと頭突き(!)をして、部屋の外に消える。
「大丈夫か?」
「気持ち悪いッ。はなしなさい!」
「…心配してあげたのにその態度。ムカつくな」
「まあ。ポチ子はそれが口癖だからさ☆」
翼さんがにっこりとウインク。
「びっくりしましたよね。誰が呼んだんですか?」
「「「お・ま・え・だ・ろ!!!」」」
全員に怒鳴られ、背筋がすくみあがる。
「そもそも。翼が反省しないのがいけないんだろ」
レンさんがじろりと翼さんをにらむ。
「お前に謝りたかないよ」
ひいいい! 翼さん、それはよくないですうう!
いくらレンさんが嫌いだからと言って、謝らないのはダメです!
と。
巣覚ましい勢いで、校長先生が駆け寄ってくる。
ひいいいいいい!
私を含む全員が、青ざめる。
「どうしますか? 逃げるならいまのうちですよ?」
「はあッ? お前は俺たちの味方じゃないのかよ」
もちろん。そのつもりです。
さあ、たっぷりと怒られてください!
「…オマエ。許さん。一緒に来いッ」
「ギャー。手を放してくださいって、何回も言ってるじゃないですかああ!」
私たちは、三方向に分かれて、その場を逃げ出したのでした。
それにしても。
レンさんと一緒なんて、絶対絶命です!
- Re: スイッチ! ( No.3 )
- 日時: 2018/08/22 14:24
- 名前: こむぎ (ID: .WzLgvZO)
黒猫館402号室。
ただいまレンさんと一緒に逃亡中でございます。
「オマエなあ、対して何も考えずに、ヤバイやつ呼ぶなよ!」
先を走るレンさんの文句を、さらりと聞き流す。
「今何と言いましたか? 聞こえませんでした」
「…殺す。オマエ、絶対許さない!」
「許さなくてもいいです。悪いのはレンさんたちなんですから☆」
もともと、このような状況になっている理由は、翼さんがレンさんのコップを割ったことを反省していないから。
誰に対しても、ごめんなさい、は必須です。
なのに!
翼さんは、「この人嫌いだから」という理由で、反省しないのです。
「俺は、許そうとも思ってない。けれど、オマエの行為は納得できない!」
「…レンさん。私はレンさんの身を思って、このような行為をしたんです。たとえ、気持ち悪い男子だからといって、そのまま見て見ぬふりをするなど、できません」
「気持ち悪いは、はずせ」
はい。ご忠告承りました。
「言い直します。ゴミのような男子だからと言って、」
「ゴミというのもやめろ」
うわーん。当てはまる言葉がどんどんなくなっていきますー。
あとはゴキブリなみの、カスの、というところでしょうか。
「…もういい。黙って走れ」
急に静かになったレンさん。
私、何か彼の地雷を振る言葉を言ってしまったのでしょうか…。
まだまだ、彼のことはわからないままです。
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