二次創作小説(紙ほか)
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- 双星の陰陽師−神秘の陰陽師−
- 日時: 2018/09/01 16:43
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
平凡な人間の少女、伊達美来は土御門有馬に
陰陽師としての力があると言われそのまま陰陽師となった。
そしてその日から彼女は様々な戦いに挑むこととなる。
- 初戦 ( No.2 )
- 日時: 2018/09/01 22:54
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「まさか美来も陰陽師だなんて驚きだな」
同じく陰陽師の焔魔堂ろくろと化野紅緒、この二人と仲良くなった。
二人よりもスロースタートでまだまだ二人には遠く及ばないし
陰陽師としてもまだまだだ。
「つい最近だけどね。でも二人が一緒なら頑張れるよ」
「私も美来を応援します。だって同じ陰陽師だから」
紅緒の言葉が心に響いた。
****
「さてさてどうかな?美来ちゃんもうそろそろ実戦行ってみよう!」
「早くないですか、有馬さん…」
速すぎる、まだ陰陽師になって数日だぞこちとら天才じゃねえんだぞ。
何を考えているんだこの眼鏡は!
「百聞は一見に如かずって言うじゃん。それに丁度、今
ろくろくんたちも禍野に行ってみるみたいだし…ね?」
まぁ一人じゃないだけ良いかもしれないけども…。
少しの間、美来の思考が止まりまたあちこちを巡る。陰陽師に
なった今、戦いを避けられるはずがない、避けられない。
ならもうここは乗っていくしかない。
「わ、分かった。頑張る、頑張ってみるから!」
霊符を使いそのまま中に入っていく。
その禍野という場所は名前の通り禍々しい雰囲気の場所だった。
なれない場所だがすぐ目の前に見覚えのある二人の戦う姿が
見えた。
「お前も陰陽師か…」
「ッ!!?」
この人が聞いていたあれか…婆娑羅って奴だ。
初めての戦いでこれはないだろ…。
- 二人の婆娑羅 ( No.3 )
- 日時: 2018/09/02 10:43
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「美来、お前も来てたのか!?」
「下がって美来!まだ貴方では勝てない!逃げて…そいつらは
婆娑羅の神威と心夜、陰陽師になったばかりの貴方では…」
心夜と呼ばれた青年姿の婆娑羅は美来のほうに目を向けた。
「何だァお前。新米陰陽師かよ。美来って呼ばれてたな…」
「オイ心夜、分かってんだろうな?」
「分かってるって。邪魔はしねえよ——ッ」
心夜の右頬にろくろの右拳がクリーンヒットする。
我に返った美来は片手に持っていた拳銃を発砲した。
「これが呪装…だよね」
「まだ体勢は立て直せていない。今がチャンスか」
ろくろと紅緒が突っ込んでいく中、美来は何かを感知し
叫んだ。
「離れて!ろくろ、紅緒ちゃん!!」
叫んだタイミングは遅く二人の体が大きく宙を舞った。
「残念だったなぁ後数秒、叫ぶのが早けりゃあ二人とも
無事だったかもしれねえな」
地面に横たわる二人に美来は駆け寄る。軽傷のようで安心した。
「…二人とも私も戦うよ。二対二、それもあんなに強い人たちと
やり合うことになるんだから人数は少しでも多い方が良いでしょ?」
「そうだな。三対二なら」
「互角に渡り合えるはず。ここは協力しよう、美来は無理を
しないで」
「お互いさまでしょ」
三人は二人と対峙した。だが心夜はいつの間にか美来の前に
立っていた。
「テメェ!」
殴り掛かったろくろに正拳突きを放ち吹き飛ばした。
「うるせぇな、俺はコイツに用があるんだよ。邪魔するな」
気付いた時には美来の体は宙に浮いていた。そして何処かに
落下していき視界が暗くなっていく。
- 心夜の本性 ( No.4 )
- 日時: 2018/09/02 11:41
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
体を起こし辺りに目を映す。辺りはさっきまでとは打って変わって
明るく不気味さはなくなっていた。水色や透けた紫や桃色の
結晶が輝いていた。
「っだ〜クッソ〜…慣れね〜〜〜…」
水色の椅子に腰かけ両腕をだらんと垂らし上を向いたまま
ダルそうに呟く心夜に目を映した。さっきまでの如何にも強敵と
いった雰囲気は消え今の彼は何処かのサボリ魔のような雰囲気だ。
なんとなく接しやすそうだ。
「やっと目を覚ましやがったか陰陽師ぃ、お前なんて名前だよ?」
身体を起こし心夜は美来のほうに目を向けた。
「伊達美来」
「へぇ、折角の機会だし神威に俺の邪魔はされたくなかったんだ
俺には分かるんだよ、相手の実力って奴が」
笑みを突然浮かべ右脚を上げた。美来の全身に激痛が走る。
「見せてくれよぉお前の力を。強そうな奴のほうが燃えるだろ?」
間違いない、彼は世で言う戦闘狂という奴だ。
こういうタイプはがむしゃらに突っ込んできたりしない。
計算高い人物のほうが多い、美来は自分で自分に渇を入れる。
「蒼電喪香!」
陰陽術の一つ、つい最近覚えたばかりで不安定だが上手く
発動させることができたらしい。だがやはりこの程度の攻撃で
怯むような相手ではなかった。対抗手段などほとんどないに
等しく戦闘経験も無い。一方、相手は自分よりも多くの攻撃手段を
持ち戦闘経験も多い。
「(さてと次はどんな手を使ってくるか…)」
「(今はとにかく身を引きたいけど多分この空間は彼が支配している
逃げれるとは思えないし撒くこともできない)」
思考を巡らせすぎた!すぐ目の前には笑みを浮かべた心夜が拳を
突き出そうとしていた。ダメもとで美来は術を使った。
「止縛法!」
淡い水色の鎖が何重にも心夜を拘束していた。鎖自体も太く大きく
流石の心夜も少し顔が引き攣り笑みは浮かべているが少し苦しげな
表情だ。
「後、数ミリなんだが…過去に闘って来た陰陽師とは比べ物に
ならねえな、重く、硬く拘束してやがる…」
彼から目を離さずゆっくり後ろに後退していく。すぐ美来の耳に
ピシッという微かな音が入った。そして鎖が破裂し辺りに
水色の光子が舞った。
「(今、力尽くで…嘘…)」
「この程度じゃねえんだろ?有馬とかいう陰陽師が驚いた
神秘の陰陽師の力ってのは…なぁ?」
心夜の手が美来の首を掴み持ち上げる。
- 美来の式神 ( No.5 )
- 日時: 2018/09/02 17:05
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
「天帝符・聖母蒼穹」
音も無く銃弾が放たれ心夜の右肩を貫いた。
心夜が顔を顰め、美来の首から手を放し傷口を抑える。
「ははは…これが痛みって奴かよ…」
パラパラと壁が崩れ始める。
心夜はゆっくり立ち上がり嬉しそうな笑みを浮かべた。
「そうだなぁ…楽しめたし、殺すのは勿体ねえな〜…なぁお前、
陰陽師になった理由とかあるのか?」
美来は少し考える。理由と言えば普通の日常を過ごしたいがためだが。
「普通の日常を過ごしたいから、あと私、運動とかもできないし
できるのはこれだけだから、かな?」
それを聞くと心夜はまた笑った。
「以外だなぁ、まぁそんな華奢な体じゃ運動なんて出来や
しねえか…」
****
そして現世。
終わってからすぐ有馬に連れられ、ある青年と出会う。
鳥籠のような黄色の結界の中に白髪で褐色肌の青年が二人に背を
向けて座っている。彼が振り向き片目が濁っていることに
気付いた。
「彼は優、婆娑羅の第三位と同等の力を持つ子だよ」
優はただただその虚ろな目で二人を見据えていた。
「そして今日から彼は美来、君の式神だと思っていい」
「え?」
優が一旦、外へ出て有馬と美来だけが残った。
「神秘の陰陽師、その陰陽師は自分だけの陰陽術や技を多く
作り出した。その陰陽師は君に憑りついているんだ、だから君も
様々な術を作れるんだ。それと話は変わるけどね優は先日までは
あんなに大人しくはなかったんだよ。すごく狂暴で結界を
破ろうとしていたんだ。時には見張りを襲って狂っていたんだ。
彼は陰陽師を憎んでいる」
少し間を置き話を続ける。
「昔、君は彼に会っているんだ、記憶はないけれどね。彼は陰陽師を
含め全部の人間を嫌っていた唯一好きな人間と言えば君と言っていた。
だから決めたんだ、彼なら君を守ってあげられる式神になれるだろう」
「…なんか色々ありすぎてついていけてないけどなんとなく分かった」
- 過去の夢 ( No.6 )
- 日時: 2018/09/02 17:45
- 名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)
これは過去の夢——。
目の前の結界を狂ったように殴り続けていた。
見張りの陰陽師たちがだんだんと後退していく。
やがて逃げていく。
「ハヤくはやく!!こんなところぉ潰してやる!!潰してやる!!」
何者かの泣き声と足音が聞こえる。現れたのは黒髪の幼い少女だ。
どうやら道に迷ったらしい。
「お兄ちゃん…誰?一人ぼっちなの?」
殴るのをやめ、少女を見た。嘘をつき、騙し、我が儘で大嫌いな
人間のはずなのに何故だか安心する。彼女の質問に頷く。
「私も!私も一人なんだよ!!一緒だね!お友だちだね!!」
彼女が手を出す。その手を握ろうと自分も手を出すも壁に
阻まれる。
「あア——————!!!?」
背中や胸部などに張られた札が彼を苦しめた。何度も体を
仰け反らせる。
* * * *
目を覚ますと優の視界にはすぐ美来の顔が映った。
「よ、よかった〜凄い苦しそうだったから心配したよ」
相変わらず虚ろな目をしている。彼は辺りに目を向けた。窓からは
夕日が輝いている。
「…?どこ…?」
「私の家だよ。汚いかもしれないけどゴメンね」
優の隣に美来は座った。
「ずっと看病してたのか?」
「え?うん。心配だったからね、私、今は一人で暮らしてるの。
特に理由はないけど…でも今の生活は楽しいよ。紅緒ちゃんとか
ろくろとかの友だちもいるし、それに優も友だちだからね」
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