二次創作小説(紙ほか)
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- 【オリジナル】私は姉が嫌いです。
- 日時: 2018/09/23 20:52
- 名前: ミク (ID: efp5OJCb)
ある時、姉は私に嘘をつきました。
ソレは、世間から見れば「優しい嘘」と言えるもので。
だから____________私は姉が嫌いです____________
- Re: 【オリジナル】私は姉が嫌いです。 ( No.1 )
- 日時: 2018/09/23 20:57
- 名前: ミク (ID: efp5OJCb)
ビュービューと窓に風が吹き付ける。
今日は天気も心も晴れません。
姉は、今日も出掛けています。
「少し、友達に会ってくるから」
姉は、気づいていないでしょうが、私はこの姉の嘘に気づいています。
嘘が下手なわりに、自分ではなく、他人のために嘘をついて。
何故か、と聞けば、
「貴方を悲しませたくなかったから」
と答えて。
相変わらず私は姉が嫌いです。
- Re: 【オリジナル】私は姉が嫌いです。 ( No.2 )
- 日時: 2018/09/23 21:08
- 名前: ミク (ID: efp5OJCb)
姉は、何を思って嘘をつくのだろうか、
という疑問は私が幼い頃からつきませんでした。
私には、姉の言うこと、することの一つ一つが謎のように思えたのです。
そう、言うなら子供が好奇心に身を任せて何かをする、というようなものでした。
姉は、よくこう言いました。
「私は貴方とは違う、だから、貴方にどう思われても不思議じゃない。」
そして私は決まってこう言いました。
「それは知ってる。だから、私は姉さんに疑問を投げ掛けるの」
私がもしも、「この世で信じられないものとは、何か」という問いを投げ掛けられたな
ら、私はこうこたえます。
「私と姉が今日も変わらず生きていること」
と。
- Re: 【オリジナル】私は姉が嫌いです。 ( No.3 )
- 日時: 2018/09/23 21:13
- 名前: ミク (ID: efp5OJCb)
誰もが、今いきていることが私には不思議でならないのです。
明日死ぬかもしれないし、今死ぬかもしれない。
それは当たり前であるのに、人は何故か、それを怖がって。
要するに、私には、この世は平和すぎるのです。
別に、生きているのが嫌な訳ではありませんし、誰かに悲しんでほしい訳でもありませ
ん。
でも、私はこう思うのです。
誰かは私に、こう言いました。
「誰しも、一番可愛いのは自分」
私に、こういったのは誰だったでしょう。
今はもう、思い出せません。
- Re: 【オリジナル】私は姉が嫌いです。 ( No.4 )
- 日時: 2018/09/23 21:19
- 名前: ミク (ID: efp5OJCb)
「ただいま」
笑顔の姉が私の居るリビングに歩いてくる。
「あのね、私、明日死ぬみたいなの。」
「今日、病院で言われちゃって」
ああ、そんなこと言わないで。
私は貴方が嫌いだから。
「でもね、あなたは明日もいつも通り生きればいい。それが私の最後の望み。」
ほら、貴方はいつもそういう。
人の事ばかり考えて。
自分の事をほおって。
「分かったよ、姉さん」
- Re: 【オリジナル】私は姉が嫌いです。 ( No.5 )
- 日時: 2018/09/23 21:25
- 名前: ミク (ID: efp5OJCb)
本当はなにもわかっていないのに、私は頷く。
泣いたら、姉さんが可哀想だから。
だって、最後の二日間にわがままな妹の世話なんて誰だって嫌でしょう?
「そう、それでいいの。」
姉は、柔らかい微笑みをうかべながら自室へと向かう。
なんだろうか、
ポロポロと温かい滴が頬をツーっと流れていく。
「私、汗でもかいたのかな?」
十分に涼しい部屋の中でうちわをあおぐ。
あまり、涼しくない。
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