二次創作小説(紙ほか)
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- 暗殺教室 逆恨みの時間
- 日時: 2018/09/28 16:48
- 名前: 白銀 (ID: vlinVEaO)
皆さんこんにちは。白銀です。お久しぶりですね。
作品のストックができたのでここに書いていこうかと思っています。
今回は暗殺教室です。
↓どうぞご覧ください。
「ナイフは八方向から正しく振れるように!」
防衛省に勤めているはずの男が中学生相手にナイフ術の手解きをしている。事の発端は昨年の三月。
超生物が月を破壊した。暗殺者として育てられているのは椚が丘中学の三年E組だ。
体育を教えている烏間惟臣はここにいる生徒全員の能力を把握し彼ら一人一人に合った教えを施す。
皆彼を信頼していた。憧れていた。
だが一人彼を憎む者がいた。
「ね、ねぇ・・・・・あそこに立ってる人って・・・・・!」
矢田が指さす方向を見ると、前の姿の見る影もない男・・・鷹岡が立っていた。
「鷹岡・・・・・・!お前は二度と彼らに近づかないと契約したはずだ!」
烏間は生徒を庇うように立った。
「ああ、分かってるさ、確かに契約した。だがお前に近づいちゃいけなねぇなんて契約はしてねぇぞ?烏間」
「くっ・・・・・・!」
烏間が歯噛みすると後ろから一人の少年のような子供が鷹岡に向かい歩いていく。詩織だった。
「久しぶりだな。元気にしてたか?あの時はずいぶんな目に遭わせてくれたな、詩織とやら」
「・・・・・・・・・・・」
詩織は唐突に鷹岡に殴りかかった。だが高岡は詩織を嘲笑い拳を止めた。
「!!お前・・・・・・・!」
鷹岡は詩織の拳を掴んだまま詩織の腹を蹴った。
「がはっ・・・!」
体から力が抜け膝をつきかけると、鷹岡はさらに追撃する。最後に詩織を殴り飛ばした。
詩織の華奢な体は軽々吹っ飛ばされた。
「詩織!!」
烏間は詩織を受け止めた。
「鷹岡・・・・!貴様!!」
「俺の目的はお前だ。そいつはどうでもいい。何なら殺してもいいんだぞ」
鷹岡の狙いは烏間だったのだ。
「あれ〜?今度は前よりも強くなったんだね」
業が相手を挑発する発言をする。
鷹岡は全く気にも留めず烏間を見る。鷹岡の顔には余裕があった。
周りにはいつのまにか何人もの殺し屋に囲まれていた。そして生徒を含め詩織も人質に取られた。
「烏間、俺と戦え」
烏間は覚悟を決め、構えた。鷹岡は烏間の目の前から消えた。
「!?」
はっと息をのむ間に鷹岡は烏間の後ろにいた。
「惟臣・・・・!後ろだ・・!」
詩織の声に振り向くと鷹岡は烏間に殴りかかった。それをギリギリのところで防御する。が、反撃をする余裕がない。
鷹岡は余裕の顔で次々と攻撃を仕掛けてくる。その一発が烏間に命中した。
「うぐっ・・・・!」
烏間は徐々に圧され始めた。
「烏間先生が、圧されてる・・・・!?」
生徒の間にざわめきが広がる。鷹岡はたった数か月の間に格段に体術の腕を上げたようだ。
防戦一方の烏間を鷹岡は嘲笑う。
「おいおい烏間!お前そんなに弱かったか?そんなもんじゃねぇだろお前は!!」
鷹岡は烏間を蹴り飛ばした。烏間は体勢を立て直すが消耗してきている。
「烏間、もっと楽しもうぜ?何なら俺がお前の父ちゃんになってやろうか?」
「ちっ・・・・・・・」
腕を抑え立ち上がる烏間を蔑みの目で見る。
そんな様子を糸成が冷静に分析する。
「このままじゃ劣勢のままだ。只甚振られ続けるだけだぞ」
「そんなの嫌だ!烏間先生は負けないもん!」
倉橋が反論する。
「でも、このままじゃ糸成の言うとおりだよな・・・・・・」
村松が静かに言う。
E組の生徒は烏間を見た。所々傷ができている。烏間の攻撃は簡単に見切られてしまっている。
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
「息が切れてきてるぞ?烏間、もう終わりか?」
すると鷹岡は懐から本物のナイフを取り出した。その場にいた全員が息をのむ。鷹岡は躊躇なく斬りかかる。ナイフが当たらないように捌くが避けきれず頬を切る。
「烏間先生!!」
殺し屋を振り切り倉橋は烏間の前に立ち手を広げる。
「倉橋・・・・・父ちゃんに歯向かうのか?邪魔するな」
「もうやめて!烏間先生は何も悪いことしてない!!」
「うるせぇ!邪魔するなら契約があれども容赦しないぞ」
鷹岡は倉橋にナイフを向け振り上げる。切っ先を見て倉橋は怯む。
「ひっ・・・・・」
ナイフが振り下ろされる瞬間、倉橋は目を閉じた。だがナイフの感覚はいつまでたってもやってこなかった。代わりに暖かくて大きな手が倉橋の肩に置かれた。
目を開けると烏間が倉橋を自分のほうに寄せている。反対の腕には振り下ろされたナイフが刺さっていた。
「烏、間先生・・・・・・・・・・」
「怪我はないか」
「う、うん・・・・・・」
詩織が倉橋を別の場所に移動させた。烏間は鷹岡を蹴り飛ばした。
消耗しているとは思えないほどの力で。腕からは血が流れる。
ナイフを引き抜き足で踏み折った。
「契約には彼らに近づかない、彼らに危害を加えないという内容だ。お前はその契約を違えたな。契約違反は彼らの教師である俺が裁く」
烏間は先ほどとはけた違いの速さと力で、鷹岡を攻撃した。一気に形勢が逆転した。鷹岡は烏間の攻撃を避けるのに精一杯だ。烏間は最後に蹴りを放った。
鷹岡は吹き飛ばされ伸びた。烏間はふらりとよろめき地面に膝をついた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・」
「惟臣、大丈夫?」
詩織がすぐに駆け寄り、ハンカチを傷口に宛がう。
殺し屋が烏間に襲い掛かろうとすると、詩織が睨みをきかせる。
「俺が誰か分かっていての行動なら関心だな。夜叉の名を知らないのか」
その名を聞いた途端、殺し屋は鷹岡を担いで尻尾を巻いて逃げて行った。
「詩織、お前も大丈夫か?」
「うん、俺は大丈夫、ありがとう」
「そうか、よかった」
「烏間先生・・・・血が・・・・・・」
渚の言葉に自分の腕を見ると出血は止まらずハンカチから染み出した血液が地面に滴っている。携帯越しに律が分析した。
「すぐに手当てし縫合しないと出血多量で倒れてしまいます。すぐに病院に向かうべきです」
「そうだな・・・・・・」
そして騒ぎに気付き、ようやく殺せんせーが外に飛び出してきた。
「にゅやっ!?な、何事ですか!!か、烏間先生!その傷は何ですか!?すぐに私が縫合します!」
「貴様にやられるくらいなら自分でやったほうがましだ」
「にゅやっ!?烏間先生、酷い・・・・・・・・」
さめざめと泣く殺せんせーを無視し烏間は病院に向かった。
終
あとがき
殺せんせーを泣かな出せなくてすみません。
次回、お楽しみに