二次創作小説(紙ほか)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 銀魂 近くにいるからこそわかるものがある
- 日時: 2018/10/01 17:35
- 名前: 白銀 (ID: vlinVEaO)
皆さんこんにちは。白銀です。
続けて銀魂を書いていこうと思います。
↓どうぞご覧ください。
銀時は朝、体のだるさで目が覚めた。そろそろ新八が来る時間だ。
(新八の奴、妙に勘がいいからな・・・・・)
新八が来る前に何とか起きることができた。神楽は寝かせておいてやろうと思い、起こさなかった。
足元が覚束なく視界が定まらない。本来なら休まなければならないほどの絶不調だが、あいにく今日は大事な仕事の依頼が入っていたのだ。
「おはようございます。あれ、銀さんが起きてるなんて珍しいですね」
「今日の仕事は金になりそうだからな、チャラになんてことにはしたくねぇからな」
いつも通り言えたはずだが、誤魔化せただろうかと思っていると
「そうですね、今日ぐらいはしっかり働いてくださいね」
どうやら疑ってはいないようだ。ほっと一息つくと視界がゆがんだ。
「っ・・・・・・・」
自分の机に思わず手をついてしまった。その様子を訝しんだ新八が銀時の顔を覗き込んだ。
「銀さん?大丈夫ですか?顔色悪いですよ、今日の仕事はキャンセルします?」
「気のせいだ、こけただけだ」
とっさにそんな嘘をついてしまった。新八はまだ疑っているようだが無視して朝ご飯を作りに台所に向かった。
視界が定まらない中で行ったので、指を切り火傷をした。
「ったく・・・・情けねぇ」
ご飯のにおいを感じ取ったのか神楽が眠気眼で入ってきた。
「お腹すいたアル。銀ちゃん、ご飯早く食べたいネ」
「もうすぐだから、顔洗って座って待ってろ」
「うん・・・・・」
目をこすりながら神楽は洗面所に向かっていった。銀時は手早く作り終えテーブルに並べた。
新八と神楽はいつも通り食べるが銀時の箸は全く進まない。
「銀ちゃん?どうしたアルか?食べないアルか?」
「ん?あぁ、食うよ」
無理やり口の中に入れるが飲み込めない。だが二人に心配をかけさせたくないから無理やり完食した。
「お前ら、先行ってろ、すぐに追いつく」
二人を万事屋から出した途端、吐き気が襲い朝食を全て吐いた。
「げほっげほっ・・・・・気持ち悪ぃ・・・・・・・」
鏡を見ると自分の顔は青白いを通り越して白かった。
「こりゃ怪しまれるわけだな・・・・・まぁ何とかなるだろ」
顔を洗って外に出た。二人が駆け寄って顔を覗き込む。
「銀ちゃん、大丈夫アルか?顔真っ白ネ」
「やっぱり今日の仕事はキャンセルしましょう?また来ますよ」
「大丈夫大丈夫、大したことねぇって、遅れるから行くぞ」
銀時は気丈にふるまいすたすたと歩き始めた。二人は銀時の後ろにぴたりとついて歩く。
二人が見ているから銀時は常に気を張っていた。だから余計に疲労がたまった。
依頼者から話を聞き戦闘は避けられないとの結論に達した。
銀時は人々に危害が加わらないように港に移動した。
「銀ちゃん、ここは私たちに任せて帰るアル」
「あ?何言ってんだ、ここまで来て帰りますなんてこと言えるわけねぇだろ」
「でも銀ちゃん・・・・!」
尚も言おうとする神楽を新八が止めた。
「これ以上言っても銀さんはたぶん聞かないよ。銀さん、決して無理はしないでくださいね」
「・・・・・・・あぁ」
小さくそれだけ言うと銀時は敵の様子をうかがった。敵はこちらの存在に気付いた様子は見られない。
このまま制圧しようと思い一歩踏み出したとき銀時の視界が真っ暗になった。
何とか踏みとどまるが敵に気付かれてしまった。敵が一斉に銀時たちに襲い掛かる。
ゆがむ視界の中敵を倒し続けていると、後ろからドンという衝撃とともに体の中に冷たくて鋭い何かが侵入してくる嫌な感覚がした。首だげ振り向くと自分の体に刀が突き刺さっていた。刀は冷たいのに自分の体は熱い。体に力が入らず銀時は冷たいアスファルトの上に倒れた。
「銀さん(ちゃん)!!」
新八と神楽はまだ戦っている。なんとか立ち上がろうとするも体に力が入らない。
銀時の意識はそのまま闇の中に落ちていった。
どのくらい時間がたったのだろうか。ふと目を覚ますと我が家の天井が目に入った。
額には冷たいものが乗られている。氷水で冷やしたタオルだった。
近くには誰もいない。なぜ自分がここにいるのか理解できなかった。
新八、神楽は大丈夫だろうかと思ったとき、襖が開いた。
「気が付きました?よかったです、お医者さんの話によると過度の疲労だそうです」
「悪ぃ・・・・・迷惑かけちまった」
起き上がろうとすると背中に鋭い痛みが走った。
「まだ起きちゃだめですよ、傷口が深くで結構な重傷なんですよ?」
「神楽は?」
「あっちの部屋で眠ってます、手当の手伝いとか看病とか積極的にやってくれました。銀さんの様子が落ち着いたら安心して神楽ちゃんは眠っちゃいました」
「そうか・・・・・依頼は?」
「一般の人が真選組に通報したらしくて、銀さんが倒れて少ししたら駆け付けてその場は制圧されました。依頼者の人から報酬ももらってきました」
「そうか・・・・ありがとな」
「いえ、何か作ってくるので休んでてくださいね」
そういうと新八は出て行った。少し経過した後神楽が部屋を覗き込んできた。
「銀ちゃん・・・・・?」
「心配してたのか?」
「し、心配なんてしてないアル!!無理しないって言ったのに倒れたりするから・・・・・・す、少し心配したアル」
「してんじゃねぇか・・・・・・ふっ、ありがとな」
神楽は襖から顔をのぞかせたまま動こうとせず入ってくるそぶりはない。銀時が手招きするときらきらとした表情になり飛び込んできた。
「看病してくれたんだって?悪いな・・・・・」
「今度また無茶したら看病してやらないアル!銀ちゃん、これからは本当に無理しないでヨ。私銀ちゃんに何かあったらと思うと怖くてたまらなくなるネ」
「もしもなんてねぇよ、俺たちはずっと一緒だ」
そういうと神楽が小指を銀時に差し出した。その様子を見て銀時は少し笑い小指同士を絡ませた。
その後新八がおかゆを作って戻ってきた。
神楽は銀時に食べさせるとわがままを言っていたが、銀時は少しわらながら自分で食べていた。
「ジュル・・・・・美味そうアルな・・・・・」
「駄目だよ神楽ちゃん、これは銀さんの食事なんだから」
「分かってるアル、いちいち言わなくていいネ、だからお前は新八アル」
「どういうこと!?」
「別に食ってもいいぞ、俺はまだそんなに食欲ねぇし」
「いいアルか!?やったアル!新八、皿持ってくるヨロシ!!」
「何で僕!?」
結局神楽は新八に皿を取りに行かせ食べ切った後束の間の団欒を三人で過ごした。
ちなみにおかゆは神楽がほとんど食い尽くした。
終
あとがき
いかがでしたでしょうか?面白かったですか?
次回、お楽しみに