二次創作小説(紙ほか)

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空魂!
日時: 2018/10/05 19:24
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

八鶴祈やづるいのりは桜庭八郎という青年と仲が良い。
彼らは日常を過ごしていき様々なことに触れていく。

Re: 空魂! ( No.1 )
日時: 2018/10/05 20:36
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

万事屋銀ちゃん、そこに足を運んでいる男がいた。
瑠璃色の髪、後ろの髪は少し長く感じる、彼の顔は端正で
ある。彼の名は源頼夜みなもとらいやという。

「誰ネ、お前…」
万事屋の三人は彼と対面した。神楽は頼夜を見てそう言った。
「源頼夜だ。よろしく!」
「ってお前、一体どうやって俺の居場所を調べたんだよ!?」
「おま、銀時テメェ!!何様だよ!!?」
二人の会話についていけずただ眺めることしかできなかった新八と
神楽。
「頼夜さんは銀さんとどんな関係で?」
新八の質問で二人が静まる。
「…剣術、だな。(松陽が捕まった後の、だがな)」
「剣術?師匠って感じですかね?ってことはやっぱり腕は良いんですね」
銀時は過去に彼の剣術を見たことがある。素早くそれこそ
飛天御剣流並の速さを持ち合わせているのではないかと思うほどだ。
ってかもうホントにそうなんじゃね?
「で、いつまでこの辺りにいるんだよ、旅してんだろ?」
頼夜はフラフラと現在は旅をしていた。
「さぁ?気分で変わるから分かんねえや」
「そう言う人を気分屋って言うアル…」
「そういうもんさ、旅人はな」
腰を上げ頼夜は万事屋を後にした。

Re: 空魂! ( No.2 )
日時: 2018/10/06 12:44
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「って急だよ!!財布取られて仕方ないから吉原行くぞって!!」
電話越しに祈は怒鳴った。相手は銀時である。
『仕方ねえだろ。それに吉原って花魁がいるみてえじゃん?あんな
女やこんな女とあれやっちゃおうぜ?的な』
「その辺の話、やめてよ…でも私まで…」
『あ、でもとりあえず武器みたいなのは持って来いよ?』
「なんでそんな…はいはい分かりましたよ」
そう言って祈は電話を切った。拳銃と刀を隠し持ち
外へ出る。

****
「へぇ、お前確か桜香ちゃんだったかな?これは良いこと聞いたな」
暗い赤髪に紫の瞳をした細身の青年、夜霧は水色の和服を着た
花魁、桜香を連れていた。彼女は人質の一人である。そして夜霧は
純血の夜兎、それもあり桜香は少し緊張していた。いつか殺される、
それも一瞬で。
「…そんなに怖いのか、安心してくれよ。俺は命令されれば
とりあえず従うがそれが無い限りは下手に手を出したりしねえ」
「で、でも殺せって言われたら殺すん、ですよね…」
胸元で彼女は片手をギュッと握り俯きながら尋ねた。
いつもの明るい表情は彼女から消えていた。桜香は祈の
友人の一人であり彼女は祈を信頼していた。桜香という存在が
祈里の弱点といっても可笑しくないのかもしれない。
「まぁそうなるな。だがな今出てる命令はお前の監視さ。なぁ、
もうちっとその祈って奴のことを聞かせてくれねえか?あぁ、
勿論話したくないなら黙ってて結構だぜ。力尽くで聞きたいって
訳じゃねえから」
「祈ちゃんは…きっと助けてくれます!祈ちゃんは絶対私を見捨てません!だから、私も…!!」
和服の裾から小太刀を抜いた瞬間、桜香の背後に素早く夜霧は
回り込み小太刀を持っている左手を掴む。
「おっと、そうはいかないぜ?血迷ったか?すぐ近くにいる今なら
殺せるとでも思ったのか?舐めてもらっちゃ困るな…俺はお前よりも
経験してんだよ。痛い目に合いたくなけりゃ暴れるなよ」
夜霧の腕が桜香の首に回るその時、夜霧の右頬を銃弾が掠った。
「そうは問屋が卸さないよ!」
そこに立っていたのは銃口を夜霧に向ける祈だった。

Re: 空魂! ( No.3 )
日時: 2018/10/06 13:40
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「い、祈ちゃん!!」
「友だちは…返してもらうよ!宇宙海賊春雨!」
夜霧は番傘を肩に担ぎ祈の前に立つ。祈の目には友だちを助ける
という気持ちだけが映っていた。
「確かに俺は春雨、夜兎の夜霧だ。んで友だちを返せだったか?
そりゃ命令が出てねえから出来ねえな」
祈は足を速める。同時に夜霧は番傘を振るった。祈は足を止め
その場に伏せる。
「力尽くか?いいぜやってやるよ」
夜霧が不敵な笑みを浮かべる。
「だ、ダメだよ!祈ちゃん、その人は夜兎だよ!?」
それを聞いた瞬間ピタリと祈の動きが止まりさっきまでの緊張感が
消える。その様子に夜霧も首を傾げる。
「オイ…聞こえてんのか…」
「…宇宙海賊春雨は分かってるんだけどさ、夜兎のことは全く
知らないんだけど?神楽ちゃんも夜兎だってことは知ってるけども」
桜香は面食らったような顔をしていた。
「そこから!?もう…」
「俺たちの特徴、それは怪力と傷の治りの速さだ。腕や脚が
取れたりしたのは治せねえがな。俺たちは日光を嫌うから
肌も白い、この番傘も日除けの道具だ」
夜霧は細かく夜兎族のことを説明した。祈もその説明で
理解した。
「さてと…じゃあ始めようぜ?俺は早く休みたいんだ」
「そうだね…私も頑張らせてもらうよ!」
桜香の気持ちは晴れる。
「(祈ちゃん、どうか無理はしないでね…)」

Re: 空魂! ( No.4 )
日時: 2018/10/06 14:23
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

戦いが始まって数分が経つ。祈は汗を流していた。祈は銃のほうに
少し目を向け、息を整え夜霧を見据える。
「どうしたんだ?疲れたか?」
「まだまだ…ちゃんと諦められない理由があるから!」
「そうか…まぁ結果は目に見えてるがな」
祈の右手を叩き、彼女は銃を手放す。転がり落ちた銃を踏み潰し
粉々にする。
「さてと、邪魔な飛び道具が消えて対抗手段も無くなっちまったな?
見た感じ素手での戦いなんて知らねえだろ。そんな細い体じゃ…」
「銃が無くても、こっちがある!」
鞘に納まった刀で夜霧の喉仏を素早く突いた。不意打ちを喰らい
始めて夜霧が怯んだ。
「ケホッ…お、お前…」
「うわっ!!?」
夜霧の手が祈の首を捉え持ち上げる。彼は片手で祈をもう片方の手で
喉を押さえていた。祈の体が床に叩きつけられる。桜香の叫び声が
部屋に響いた。
「負けないよ、約束は守るから」
懐からもう一つの拳銃を取り出し連続で何度も発砲する。
隙が開いたところで刀を鞘から抜いて一閃した。そして柄で
夜霧を押し返した。

「…い、祈ちゃん!!凄いよ!!」
桜香はそう言って祈に駆け寄る。
「いやでも私は…桜香ちゃんが無事でよかった」
「終わったか?祈」
そう声を掛けてきたのは月詠という女だった。
「わっちらも早く銀時たちの元へ行くぞ」
「あ、はい!!」
そう言ってすぐ月詠と祈、桜香は足を止めた。
「お前ら…夜王のところへ行くのか…」
壁を背にしゆっくりと立ち上がった夜霧は三人にそう聞いた。
月詠は苦無を構えるが桜香が制する。
「ねぇ月詠さん、この人をここにいさせてはダメですか?」
「桜香!?何を言っている。こやつは夜兎、お前を捕らえていたんだぞ」
「そうだぜ…桜香、俺ぁこんな場所にいるわけにはいかねえだろ」
月詠に桜香は今まであったことを話し始めた。

Re: 空魂! ( No.5 )
日時: 2018/10/06 14:43
名前: にゃあこ (ID: s00TEuml)

「彼は私を守ってくれました。なんか悪い人じゃなさそうですし…
ね?いいですよね?」
桜香はそう何度も尋ねる。夜霧の体に桜香は包帯を巻いていた。
「…祈ちゃん、ありがとう。この人を殺さないでくれて」
「殺さないで?随分と甘ったるいことを言うんだな…」
夜霧は微かに笑った。
「私もなんとなく悪い人ではなさそうだったから。流石に
殺すことなんてできないよ。それに私はあまり戦えないからね」
「…仕方ない。夜霧と言ったな?桜香に免じてお前だけは
見逃してやろう。だがお前にはしっかり働いてもらうからな」
月詠は夜霧を睨んだ。桜香は嬉しそうに微笑んで月詠に感謝の
言葉を告げた。
「分かったよ。ほら上に行くんだろ?俺も行かせてもらう」
「え?でもその傷では…」
「俺はこの程度じゃ死なねえし倒れねえ。さ、行くぞ」

****
上の階に辿り着き夜王、鳳仙は桜香たちの隣に立つ夜霧を
睨んだ。
「貴様、何故その女を連れ出している?ソイツを殺せと命令したはずだ」
桜香はビクッとして夜霧のほうに寄る。夜霧はそんな桜香をそっと抱き
寄せた。
「そんな命令、聞いてないし聞く気もねえよ。俺、もう春雨やめるし
テメェみたいなヒキニート、さっさと死ね!」
「貴様…!!」
段々と吉原に太陽が差し込む。夜霧と他にいた夜兎、神威は
番傘を開いた。

この日、鳳仙が消えた。


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