二次創作小説(紙ほか)
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- 終戦のアルカディア 2話「剣神レオンハルト」
- 日時: 2018/11/17 18:43
- 名前: ロラン (ID: 86FuzJA.)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12423
お互い無我夢中で刃をふるった手合わせを済ませ、2日の月日が流れた…。そして待ちに望んだ入団試験がやってきた!
「ふえー……やっぱいざここに来ると緊張するぜ……」
いつもは好戦的で気が強そうなアクトでさえもそんな事を呟いていた。しかしアレンはそんな事を言っているアクトの背中を力強く叩いて見せた
「いって!何すんだよいきなり!」
背中を押さえながらアレンをジト目で見ていた。
「お前が弱音吐いてるから渇入れただけだ……お前にそんな言葉は似合わないぞ?」
にこっと微笑んでアクトにそう言ってみせると、アクトはへいへいといつものように頷いた。互いに気を高ぶらせ、城の門をくぐった。門を潜ると一人の兵士がこちらに向かってくる。
「えーっと……入団試験参加希望の方ですか?」
丁寧な口調で二人にそう問いかけた。二人は当然というように堂々としていた。兵士も二人の様子には察してくれたようで
「気合いが入ってますね。では頑張ってください」
と微笑んで見せた。そのまま兵士は次の参加者の受け付けに回った
「さーてと!ついにこの日がやってきたな!」
アクトが気を高ぶらせ歩きながらアレンに振り向いた。アレンも「そうだね」と呟いて口角を上げて見せると、誰かにぶつかった。と言うよりぶつけられた
「いってえな……お前らちゃんと前見て歩けよ!」
ぶつかった相手は、自分たちと年齢はあまり変わっていなく、金髪で青い瞳をしていた。体には灰色のコートが身を包み、全身灰色の服をしていた。それはまるで鼠かのようだった。と、それは置いておいて、相手の言動にアクトは怒りを露わにした
「あ?ぶつかってきたのはてめえの方だろおい」
鋭い眼差しを相手に向けて力強くそう言い放つ。すると相手もなんだとコラと言うように怒りをあらわにした
「なんだと〜?この気高きアース様に向かってそんな口調を……処刑してやる!」
アースとかいう青年の発言にアクトは大声で腹を抱えて笑った
「は〜?!処刑?!バッカじゃねえの?俺は死にませ〜ん俺を殺せるのはな、俺よりつええ奴だけだっつうの。お前みてえな【骨】が俺を殺せるわけねえだろバーカ!アーホ!アンポンタン!」
まるで小学生かのような煽り口調。並の大人ならこのくらい何ともないどころか、煽り返せる所だが……アースはその予想をはるかに上回った
「ふんっ!庶民風情がこのアース様にそんな小汚い言動しか吐けないのか?お前……見るからにそこらの家畜農家みたいな家系だな!アーッハハハ!」
相手の発言にアクトはさすがにキレた。その場から消えて一瞬でアースの眼中全体に入るくらい間合いを詰めていると胸倉を掴んでいて
「あ?てめえみてえなボンボンが何ほざいてんだよ……お前の四肢を切り裂く事も可能なんだぜ?」
笑っているが目は笑ってない。むしろ目は「ぶっ殺すぞオイコラ」と言うような感じだった。アクトとアースの雰囲気にアレンも止めに入ろうとしたその時だった。
「君たち……入団前に乱闘でもしでかすつもりか?」
低いがどこか安心感のあるような声がすると、取っ組み合いになっているアクトとアースはその声のする方に顔が向いた。するとアースはすぐに目を見開いて膝をつく
「レ、レレレレレ……レオンハルト様!!」
「あ?レオンハルト?誰だそいつ」
アースはとても焦っているような感じだったが、アクトは膝もつかずこてんと首を傾げていた。アレンも誰だか分からず
「誰だろう・・・・・」
と首を傾げていた。アレンとアクト以外の人間は膝をついていた。そして隣で膝をついていたアースも
「おい!お前らどんだけ失礼極まりないんだ!【剣神】様の前だぞ!」
【剣神?】と二人同時に呟いてさらに首を傾げる。周りの兵士も、こいつらどんだけ失礼なんだと思いながら見ているが、レオンハルトは声を上げて笑っていた
「アッハハハハ!これは面白い若者が入ったものだ……二人とも、名前は何と言う?」
レオンハルトの反応に、アース含め、周りの兵士は驚愕していた。
「えーっと、俺はアレン・レグナートです」
「俺はアクト・シュバルティアです」
二人はレオンハルトの言うとおり、それぞれ自分の名前を呟いた。レオンハルトは二人に歩み寄ると二人に握手を交わした。この様子にも周りの兵士は驚愕していた。内心「俺もレオンハルトさんと握手したかったー!!」「私もー!」「僕もだー!」と思っている兵士も少なくはないだろう。たった一人アースは「なんでこんな平民と握手なんかを……」などと心の中で呟いていた。
「私はレオンハルト……王国軍将軍を務めている。宜しく」
にこっと微笑んで見せる。レオンハルトの微笑は、アレン達の優しい微笑みではなかった。勿論レオンハルトの微笑からも優しさは感じられるのだが、その他に勇ましさとたくましさを感じられた。
「ど、どうも………」
と二人はぎこちなく頷いた。二人も初対面とは言え、レオンハルトの握手の力強さ。そして微笑からこの人はとんでもなく強いと言う事が感じ取られていた。
「さて、そろそろ入団試験の説明に入るぞ。こちらに注目してほしい」
レオンハルトはそのまま台の上に上がり、参加者全員の兵士の顔を確認した。
「ふむ……誰も勇ましい面構えをしているな……」
感心したかのようにレオンハルトは周りを見ていた。
「では今から説明を始める。この試験は主に三段階にわたって試験を行う。しかし評価は実力やスキルだけではなく、軍の兵士としての誇りのため、「道徳心」なども見ている。それも評価にいれるからな。尚、どの段階にも魔獣を配置している。魔獣に気絶させられたもの、絶命された者は失格とする。死んでも尚自己責任とする。良いな」
レオンハルトは淡々と説明を終えると、死んでも自己責任という発言にアレンは違和感を覚えた
「それって、死んでしまってもその人の責任と言う事ですか?」
手を上げてそう聞くと、レオンハルトは「そうだ」と頷いた。
「じゃあ、何のために道徳心なんですか?」
アレンは少し疑心暗鬼の眼差しをレオンハルトに向けた。しかしレオンハルトは無言で聞き流した
「それでは試験を始める。それぞれ門の配置につけ」
「………剣神レオンハルト………あなたは一体何者なんですか……?」
「死んでも自己責任かよ……まぁ何だアレン、お互い生き残る事を前提にしねえと試験は突破出来ねえみたいだな。」
「そうだね……頑張ろう……」
アレンは一瞬レオンハルトの方に視線を向けると、参加者たちと門の中へと入って行った
- Re: 終戦のアルカディア 2話「剣神レオンハルト」 ( No.1 )
- 日時: 2018/11/17 18:44
- 名前: ロラン (ID: 86FuzJA.)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
少々修正を入れました…… by筆者
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