二次創作小説(紙ほか)
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- 怪異境界シナリオ 僕編
- 日時: 2019/05/18 00:15
- 名前: はしくれ (ID: nS621nup)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?mode=view&no=12545
誰?私に話しかけているのは
低い声、、男の人?
貴方は何者?
いいえ。何者でも、、無いわね
痛くないもの。ここは私の夢なのだから。
夢は記憶の断片から構成される。貴方も私の記憶。
なのに何故?
何故首を横に振るの?
....僕の物語....
幸福は唐突に終わりを告げる
だからこそ、その幸福を通常だと思わず
「異状」なものと認識する必要がある
日本に墜落用衛星「Lucifer」が首都トウキョウに落とされたその日
何もかも僕の前から消え去った。幸せすらも。
白と黒が入り乱れ混ざり合う世界を目の前にして
僕は生きている意味を嘆いた。
衛星を落とした彼らはインド洋南部鎮座している。
彼らの目的は不明。軍事帝国として世界を焼くキリングマシーンのようなものだった。
僕は憤怒で溢れかえった。
僕は空軍に入った。彼らに僕たちと同じ苦痛を与えるために。
そしてこの日本を守り抜くため、、
8月に「消光」作戦が開始された。
僕は朝鮮半島に設置された日朝航空防衛軍基地から戦闘機隊のメンバーとして派遣された。
僕は歓喜した。
彼らをこの手で、天使「Lucifer」が地獄に堕ちたように、地獄へと堕とす事が出来るのだから。
あの日の悲憤を噛み締め戦闘機へと乗り込んだ。
『remember Lucifer』
戦いが始まる。
はずだった。
異変に気付いたのは東シナ海九州西部を飛行中のことだった。
本部から音声通信がノイズまみれになった。気に留めなかった。
が、そこからが悪夢の始まりだった。
唐突に周りが濃霧に包まれる。
僕は真っ白い海を進んだ。
「、、、、、こち、、ら、、」
仲間の声だ。
「、、、視界が、い、、操縦が、、きか、、、」
初めは何の通信か分からなかった。ノイズのせいで聞き取ることが出来なかった。
だが次の瞬間仲間に何が起こったか理解した
「操縦がっ、、きかないっ!!、、、墜落する、、!」
今度は全て聞き取れた。
そして耳が裂けるような断末魔の叫びが入った。
僕は気づいた時にはパニックに陥っていた。
目が回る。頭痛がする。心拍数が速い。操縦する手は怯えるかのように震えていた
操縦が完全にきかなくなった。
(死ぬ、、、)
そう確信した
機体が墜ちようとする。復讐は儚き夢と終わるのかと唇を噛む。
瞬間僕を取り巻く悪夢。濃霧が晴れた。
視界がクリアになる
死を確信していた僕に相反する意思が生まれた
「生きたい」
僅かな希望を胸に
僕はハンドルを握りしめた。
死んでたまるか。
一か八かで僕は海への不時着を試みた。
ざぶん、、
不時着は成功だった。
助かった
僕は安堵した。ほっと溜息をつき自分が生きている実感に浸った
それもつかの間、僕はある事に気付いた。
電波が通じない。おかしい。
何かがおかしい
正体不明の大きな焦燥にかられ機体から外へと身を乗り出した
外は真っ白だった
正確には「空が」だ
比喩ではなく何も混じったものが無いような。
そこに大きな白い板があるように
完璧な白
僕は辺りを見渡す
幸いなことに陸は泳いで到達出来る距離に見える。
戦闘機用のスーツを脱ぎ陸へと向かった。
陸に到達した
そこは高層の建物が並ぶ場所だった
だが人がいない
誰一人として
そして時間でも止まったかのように
音がしない
僕以外無音だった
風が無い
少し歩いて
土地、、いや
世界、、いや
全てがおかしい事が分かった
無数のビル群が広がっている
赤色のタワー、それより高い灰色の塔
壊れたはずだった。
塵と化したはずだった
だが目の前にはあった
そう
ここは
「トウキョウ」だ