二次創作小説(紙ほか)
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- Princess Lady
- 日時: 2019/07/15 09:03
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
前書いてたやつの、続編
- Re: Princess Lady ( No.1 )
- 日時: 2019/07/15 09:21
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
全部荷物はまとめた。あとは家を出るだけなのに、携帯が見当たらない。逢花はたった3つのダンボール箱をまた開けて、また荷物を出し始めた。
「あるやん」
「え、どこ?」
寿三郎が、テーブルの上に逢花の携帯が乗っかっているのを見つけて手渡した。
「寿三郎は大阪行って何するの?」
「決まってないなぁ。せやけど、教師なろかなぁ」
「だめ」
「へ?」
「だって、私たちみたいになるかもしれない」
「なんや。嫉妬か」
「焼きもちって言ってよね」
逢花は1年ですっかり垢抜けた。高校卒業すると直ぐに髪を染めて、大阪に引っ越すまでに短期のバイトを2つ掛け持ちしてこなした。寿三郎もなんだかんだ大学をストレートで卒業して、一応学歴はあるので仕事は探すつもりだ。
「逢花、お前のかあさ、」
「お墓にはちゃんと行くから。一緒に来て」
「当たり前」
逢花は寿三郎の隣に座り、ありがとうと抱きついた。
- Re: Princess Lady ( No.2 )
- 日時: 2019/07/15 09:33
- 名前: まるき (ID: RO./bkAh)
「うわ、タバコくせぇ!」
岳人は自分の部屋に帰るなり、亮がいるのがわかった。亮はまだ18なのにタバコを吹かしている。
「お前さ、大学入るんだからちっとは真面目になれよ」
「別にいいだろ」
「ほいじゃあ、店手伝え」
3月の半ばはまだ少し肌寒いので、亮はベッドから降りて自分の靴下を探した。それを見つけて履くと、渋々岳人の家の階段を降りた。
「…何に来たんだよ」
「客やぞ。忍足は神様や」
「意味わかんねぇ」
侑士は春から使う男性用のナース服とスーツを、受け付けに立つ亮に手渡した。亮は慣れた手つきで伝票を書き、レジに値段を打ち込んだ。
「練習行ってん?」
「まぁな」
「恋煩い忘れるには1番やな」
「しばくぞ」
怖い怖いとかなんとか言いながら代金を払うと、侑士は店を出ていった。一応、別れて半年が経つのに、まだ侑士は亮が逢花のことを好きだと思っているらしい。半分当たり、半分は好きな人を見つけたらちゃんと向き合える。女々しいなホント、俺。
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