二次創作小説(紙ほか)
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- 銀魂【蒼の魂】
- 日時: 2019/07/31 17:19
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
海神愛音は両親を亡くしてから銀時たちに
世話してもらったりしながら育ってきた。彼女もまた江戸や
かぶき町で様々な事に首を突っ込みまくる羽目になる。
銀魂、ほぼオリジナル
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.1 )
- 日時: 2019/07/31 17:58
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「いや…人の身内の墓に何お供えしてんの…?」
置かれた数枚のチョコレートと数箱の酢昆布。甘党の銀時と
夜兎族の神楽が持ってきたお供え物だ。新八は申し訳ないと
言いたそうな目をしている。まぁあの二人に注意したが聞いてもらえ
無かったのだろう。
「たまにはこういうのも大事だろ?糖分取らなきゃやってられないぜ」
「やってられないのは愛音ちゃんの両親じゃなくて銀さんたち
でしたか…」
「そうアル!酢昆布、食べ続けなきゃこのご時世生き残れないネ」
「ご、ご時世!?」
まさか神楽からその言葉が出てくるとは…という表情をしている新八、
愛音、そしてもう一人。長い亜麻色の髪を青いリボンで一つにした
桂小太郎も中性的だが彼よりも女に近い容姿をしている剣士。
伊庭七郎という男だ。
「まぁでもこういうのでも良いんじゃない?」
「そういうもんかな…」
「メガネは頭も固いネ。もっとこんにゃく並みの柔らかさを
持てば良い眼鏡になるアル」
「そういうもんじゃないでしょ!」
新八の声が反響した。
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.2 )
- 日時: 2019/08/01 11:54
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
真選組屯所。竹刀を振るう音が聞こえていた。数人の隊士たちが
同時に伊庭に斬りかかる。といっても竹刀だけど。360度囲まれている
にも拘らず彼の表情には余裕がある。
「そこです!」
あっという間に全員の手から竹刀が落ちる。
「やっぱりスゲェな伊庭は」
様子を見ていた近藤は笑っている。
「容赦ないなぁ…でもさ伊庭さんは何時からここの師範とかも
やってるの?時々だよね?」
愛音はそう聞いた。
「そうだなぁ…数年ぐらい前だな。ある奴が伊庭をここに連れてきて
手合わせしてたんだ。で、そのある奴っていうのが」
チラッと目線を何処かに向けている。そこには道場内に置かれた
テーブルに色々資料を並べそれと向かい合っている藍色の髪をした
隊士がいた。「あぁ」愛音は何度も頷く。
「山南さんの事だったんだね」
土方が鬼の副長と呼ばれるのと同様に山南良助は仏の副長と
呼ばれている。色白で愛嬌のある表情、クセ者揃いの
武装警察、真選組の中で数少ない常識人で女の人や子どもたちに
懐かれている人物だ。文武両道だ。
「山南さん、仕事は一段落済みましたか?良かったら手合わせ
しませんか。久しぶりなので」
「あぁ…構わないよ」
おぉ…という声が上がる。ほぼ全員の隊士たちが集まって来た。
「では…始め!」という近藤の合図で二人が同時に動いた。二人の竹刀が
何度もぶつかり合う。実力はほぼ互角。二人が間合いを取り
構えなおす。
「何だか…恥ずかしいですね。こんなに囲まれると…」
「まぁ分からなくもないな。じゃあ降参するか?」
冗談交じりの山南の言葉に伊庭は苦笑し「まさか」と答える。
そして伊庭が床板を蹴り上げた。上からと思い頭上に竹刀を向けるも
伊庭は素早く前に突き出した。寸止めだ。
「この勝負、伊庭の勝ちだ」
「ふぅ…大丈夫ですか?山南さん」
伊庭は竹刀を床に置いた。山南は頷く。
- Re: 銀魂【蒼の魂】 ( No.3 )
- 日時: 2019/08/01 12:45
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
夜になり一人、山南は外に出ていた。夕食が出来たと伝えに来た
沖田は彼の近くで足を止めた。
「おぉ、そうか。そこにも太陽が見えるように…こっちは
心配いらないよ…本当だから。ッ!」
「ッ!」
突然、山南が振り返って驚いた。
「いや、大丈夫だ。近いうちに会いに行くよ、じゃあごめんね」
山南が携帯を切ってポケットにしまった。
「山南さん、誰と話してたんですかィ」
「あー…内緒だ。夕食だよね?今、行くよ」
ご機嫌そうだ。沖田はニヤリと笑った。
「近藤さん、ちょっといいですかィ?」
「どうした?総悟」
夕食が終わってから沖田は局長である近藤に話しかけた。
そしてさっきの事を話す。
「あぁそれはきっと明理ちゃんだな。間違いない。良助の
友達だよ。吉原で遊女をしていてな、彼女は良助の恋人だ」
「えぇ!?」
襖を突き破り山崎たちが入って来た。
「山南さんに恋人がいたんですか!?」
「まぁあの顔と性格なら彼女の一人や二人いるだろうな」
土方までも話に加わって来た。さらに噂をすればなんとやら。
「近藤さん、資料の整理終わりました、け…ど…?」
「あ、あぁ有難う。それとすまん…話してしまった」
ど、怒鳴られる!近藤も少し緊張するが彼はその逆。笑っている。
「あ、いいんですよ。沖田君にバレてるだろうなって思ってました
からね。この写真の子が明理です、美人でしょう?」
写真には藍色の生地に朝顔が描かれた和服を着た女性が
映っていた。彼女が明理だ。
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