二次創作小説(紙ほか)
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- ONEPIECE【ヴレイヴ海賊団】
- 日時: 2019/08/01 21:07
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
新たな海賊団が現れた。ヴレイヴ海賊団の船長は少女、
ユニ・クラウン。そして彼女たちと同盟を結んでいるのはユニの
友人ルフィ率いる麦わらの一味だ。
- Re: ONEPIECE【ヴレイヴ海賊団】 ( No.3 )
- 日時: 2019/08/02 18:48
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
ユニたちはルフィたちと行動を共にしていた。
「ねぇ、ユニの事ウルは様付けで呼んでるけど、どういう関係なの?」
昼食中、隣に座ったナミがそう聞いた。ユニは隣に座るウルを
チラッと横目で見た。
「えっとね…私が小さいときに会ったんだよ」
時は十年前。貴族とまではいかないがそれなりに金持ちの
家に生まれたユニは父親と共に町を歩き回っていた。
「クラウンの当主様じゃないかい?」
「あぁ、こんにちは」
大きな檻が幾つもある。その中にはそれぞれ人間が入っている。
「あ!お嬢さん、危険だぞ。ソイツはなぁ…正真正銘の化け物だ」
鞭が白髪の少年の背中を叩く。少年の左目は黒に紅い瞳孔が
覗いている。なるほど、それで化け物と。気付くと奴隷商売をしている男が彼の背中を鞭で何度も殴っていた。彼の右胸には天竜人の
奴隷である烙印が押されている。つまり彼は元、天竜人の奴隷。
「お父さん、私この子が欲しいなぁ」
「お、いいだろう。何円だ」
金を払い先に父親は帰った。少年はゆっくりと檻から出てきた。
すると突然、男は少年を無理矢理自分の方に向かせ上から烙印を
押し付ける。かなりの高熱を持つため痛みは大きい。少年が
悲鳴を上げる。
「オラ!さっさと立て!」
「…」少年はフラフラしながらも立ち上がった。その少年に
ユニはウル・レイシアという名前を与えた。
- Re: ONEPIECE【ヴレイヴ海賊団】 ( No.4 )
- 日時: 2019/08/03 11:58
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「はい、これ」
ユニの母親が渡したのは服だ。ウルは首を横に振り服を返した。
「じゃあ命令、この服を着て頂戴」
黙って服を着たウル。食事も彼は少し離れたところに立って
動かなかった。
「ウル、どうしたの?一緒に、食べないの?」
「…奴隷だから」
「ほら、ウル!一緒に食べようよ。今の主は私、私が許可を
出せば全部良いんだよ!」
ウルは恐る恐る席につき食べ始めた。夜になりユニはウルの隣で
眠ろうとしていた。先にウルが眠っていたが何かにうなされて
いる様だ。数年の時が経った。ウルは鏡の前に立ち自身の
右胸にある烙印を見ていた。王冠の烙印、クラウン家の奴隷だと
いう証拠だ。
「ウル、大丈夫?」
「?」
「なんか…辛そうだったから」
「大丈夫です。解放してくれたのは貴方ですから。海に出るん
ですよね?俺も行きます」
そして現在。
「貴方、天竜人の奴隷だったの?」
そう聞いたのはロビンだった。彼女の問いにウルは頷いた。
「反転目だったから捨てられた。あそこは奴隷の扱いが酷い。
毎日のように暴力を振るわれた。そして武術とかそういうのも
厳しく教え込まれ鍛えられた」
彼は包帯に手を添える。次に左目に手を当てる。
「でも捨てられて良かったんじゃないか?ユニはそんな事しないもんな」
チョッパーだ。ウルは微かに口の端を上に上げた。
「お!今、笑ったぞ!」「笑ってない」「またまた照れちゃって」
「照れてない」「嘘、笑ってた。見逃さないわよ私たちは」
- Re: ONEPIECE【ヴレイヴ海賊団】 ( No.5 )
- 日時: 2019/08/11 18:02
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「ユニ、貴方の仲間って経歴が恐ろしい人ばかりね。
元・海軍にサイファーポール、尋問官そして天竜人の奴隷…」
「えぇ!?海軍だった奴もいるのかユニ!」
「うん、元・海軍はローゼさんでサイファーポールはファウロンさん、
尋問官はアレンさんだね」
そして時は遡る。その島の地下には地下闘技場がある。そこで一つの
試合が盛り上がっていた。実況と共に闘技場に上がり二人の男が
向かい合う。一人は筋骨隆々の大男、もう一人は不敵な笑みを浮かべる
細身の青年。外見だけ見れば勝つのは大男だろうが観客は全員
青年の名前を叫んでいた。その青年こそがエドラスである。
「こんなところ、あるんだね…」
少しフードを上に上げ辺りを見回す。
「地下闘技場ですね。正式な戦いではありません。ですがここで
金を稼ぐ人もいるのですよ」
「そっか…」
周りが大きく声を上げる。大男が床に倒れた。男を青年は見下ろす。
「この程度かよ…強そうなのはガタイだけか?もっと来いよ、
ならハンデをやろうか?5発だ。5発、俺は真っ向から攻撃を
受けてやる」
「へっ…後悔させて、やるよ。このガキがァァァァ!!」
大男の腕が振るわれる。青年は動じない。1発目、男の右ストレートが
青年の顔面にめり込む。彼の鼻から血が滴り落ちる。2発目、左フック
青年は血の混じった唾液をペッと吐き出す。3発目、右フックが青年の
腹に刺さる。4、5発目は右と左のワンツーパンチだ。
「くたばれェェェェェェ!!!」
大男は止めを刺すべく右拳を突き出した。同時に青年も右拳を
突き出した。血が流れミシミシと骨が軋む音がした。ダメージを負ったのは大男の方だった。青年は首の骨を鳴らし溜息を吐いた。そして
大男の耳元で「飽きた」と囁き。止めを刺した。
- Re: ONEPIECE【ヴレイヴ海賊団】 ( No.6 )
- 日時: 2019/08/11 18:45
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「流石エドラスね。やっぱり無敵よ無敵」
「あぁそうだな」などという会話が聞こえる。青年、エドラスとユニは
目が合った。かなり前で見ていた。
「珍しい。こんな嬢ちゃんまで来てるとはな」
客がいなくなりユニとウルだけが残った。微かな音に気付きウルは
振り向く。紫の髪をした男が立っていた。金網をよじ登り上から
エドラスは飛び降りる。
「風の噂で聞いたんだが…新しい海賊団が出来たらしいな。何でも
海軍とかの中じゃあ海軍寄りの海賊って言われてるらしいじゃねえか。
その海賊団の船長はユニ・クラウン、容姿は何の変哲もないらしいが
実力は折り紙付き…ユニってのはお前だろ?嬢ちゃん、俺たちと
2vs2でやっていかねえか?ソイツはジーザス、俺とは知り合いでな。
まぁそんなことは良いんだが…受けるのか、この勝負。お前が
勝てば仲間になってやるよ」
ユニは少し考える。バリバリのパワータイプ、そして戦闘経験の差、
その差は激しい。だが仲間が増えるのは良い事。
「分かった。その勝負、受けて立ちます!」
後ろに立つウルがナイフを握る。ユニは宝石棒を
握る。
「困ったものだなエドラスには…」
ジーザスは微かに笑みを浮かべた。ナイフを躱していく。ウルが
一歩踏み出した瞬間、ウルの体が吹き飛び壁にめり込む。
「悪いね。俺は悪魔の実の能力者なんだ。圧力を操ることが
できる。対象を押す、圧迫、抑圧する力。気圧を低くすれば…」
ウルの息が上がる。低気圧になれば息も苦しくなる。動きも
鈍る。ジーザスは気圧などの影響を受けない。
- Re: ONEPIECE【ヴレイヴ海賊団】 ( No.7 )
- 日時: 2019/08/17 17:35
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
エドラスの家系は裕福ではなかった。貧しい生活、何をしてでも
稼がなければならなかった。唯一、彼の血筋に受け継がれていく力が
あった。身体能力などを限界まで否、その気になれば限界以上を
発揮することが出来る。それを活かし彼は地下闘技場に入り浸った。
やがて相手を痛めつけることが好きになり、いつの間にか彼は
地下闘技場最強の男として生きていた。
「綺麗な紅だな。ここには眩しすぎる…」
ユニの持つ杖の両先からは眩い赤い光が放たれていた。ユニが器用に
杖を回す度にその光は整った円を描く。
「時折、変な術を使う奴が挑んでくるがお前も変わった術を
扱うんだな。来いよ死にたくないならな」
「それは私の台詞だよ!」
ユニは杖を前に突き出し力強く言った。エドラスは笑みを浮かべる。
「ルビーサークル!」
杖で床を軽く叩く。ユニ左右前後に現れた4つの紅い円が同時に動き出し
エドラスを襲う。微かな光に反射しラメのような光を放つ炎の円が
彼を呑み込んだ。これで決まれば…という希望は叶うわけがなかった。
「宝石の術か。いいねぇ、他が気になるぜ」
「なら、オブシディアンコロッセオ!」
黒い鎖が床から現れる。鎖の先は鋭くなっている。数はざっと
数百。その束がエドラスを襲う。尋常じゃない速度で彼は鎖を
躱していく。それも最低限の動きで。
「ちょこちょこ傷は負ったが…これぐらいは傷のうちに入らないな」
エドラスは地面を蹴りユニに殴り掛かる。今度はユニが攻撃を躱す番。
だがやはりレベルが違う、攻撃一つ一つが重い。
「うっ…!」
右ストレートをもろに受けユニは地面を転がる。エドラスは彼女を
見下ろす。
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