二次創作小説(紙ほか)
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- 妖怪ウォッチ新!
- 日時: 2019/08/14 20:49
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
天野家のお隣、天道家。そこには天野ケータよりも年上の
少女、天道桜花の元に妖怪ウォッチエルダが届く。そして
茨木童子と名乗る妖怪が彼女の元にやって来た。それから彼女は
妖怪たちがいる世の中を見ていくことになる。
第1話「茨木童子と妖怪ウォッチ」>>01
第2話「ケータと桜花」>>02
第3話「妖怪大やもり」>>03
第4話「妖怪大ガマ」>>04
第5話「妖怪コマさん、コマじろう」>>05
第6話「事件発生!?」>>06
第7話「人食い鬼、茨木童子」>>07
第8話「桜花のおじいちゃん」>>08
第9話「鬼と人間」>>09
第10話「力の封印」>>10
第11話「妖怪キズナース」>>11
第12話「妖怪土蜘蛛、女郎蜘蛛」>>12
第13話「茨木童子の失踪」>>13
第14話「妖怪海神」>>14
第15話「茨木童子は…」>>15
第16話「脱獄王プリズンブレイカー」>>16
第17話「黒幕の名前」>>17
第18話「再び妖魔界へ」>>18
第19話「再会、茨木童子」>>19
第20話「半妖の正体」>>20
第21話「叫べ!」>>21
第22話「花火大会で(最終話)」>>22
- Re: 妖怪ウォッチ新! ( No.1 )
- 日時: 2019/08/03 14:00
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
妖魔界、そこには様々な妖怪たちが住んでいる。王宮に
一人の鬼がやって来た。
「お、来たな茨木童子」
藍色の髪を一つに束ねた二本の角を持つ鬼、茨木童子はエンマ大王の
前に立った。
「珍しいな。王のアンタに呼び出されるとは」
「お前も覚えてるだろ。天道帝との約束、帝との戦いにお前は
負けた。契約で、彼の孫の相棒となる」
微かに茨木童子の表情が動く。
「あんまり思い出させるなよ。あの後、メッチャ叱られたし
笑われたんだぜ?人間ごときに鬼が負けるなんてッてなぁ。…
行けばいんだろ、人間界に」
「じゃあこれも頼むぞ」
エンマ大王が投げ渡したのは妖怪ウォッチエルダ。
「天道桜花のお隣に同じ妖怪ウォッチを持ってる人間がいる。
関わりを持つと良い」
そして人間界。夜で月が昇っている。屋根から屋根へ飛び移り
茨木童子はある家を見据える。
「あそこか」丁度桜花が自室に戻って来たところだ。大きく
跳躍し彼女の前にある窓縁に捕まる。声を上げかける彼女の口を
塞いだ。
「ん…だ、誰?角も生えてるし…鬼?」
「ご名答。お前にこれを届けに来た。俺は茨木童子、お前は
天道桜花、だろ」
妖怪ウォッチエルダと茨木童子の妖怪アークを桜花は握った。
「…で、どう使うの?」
「そのアークを鍵穴に差し込み回すだけ。お前、天野ケータって
奴は知ってるか?」
「ケータ君の事なら。小学校の時から仲良くしてるけど」
「明日、会いに行くぞ」
- Re: 妖怪ウォッチ新! ( No.2 )
- 日時: 2019/08/03 20:53
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
「えぇ!?桜花さんも妖怪が見えるようになったの?」
ケータの部屋にはジバニャンがゴロゴロしていた。隣にいる
ウィスパーは桜花の隣にいる茨木童子を見て青ざめている。
「あ、ああ、貴方様は!エンマ大王様と同等の力を持つ鬼、
茨木童子様ァァァァ!!?」
「にゃ、にゃんと!!い、茨木童子って…!!」
「同等?俺の方が弱いに決まってんだろ」
そこまで有名な妖怪なのか、桜花は口をポカンと開き三人の
やり取りを見ていた。それはケータも同じだ。
「ねぇ何でそんなに驚いてるの…?」
「ケータ君も桜花ちゃんも知らないんでうぃすか?茨木童子様と
いえば妖魔界最強はエンマ大王様ですが最強に近い鬼なんですよ!!?」
開いた口が塞がらない。そんなに強い妖怪なんだぁ…。
「そこまで話が盛られてるのか」
「まぁまぁそういうもんだから。噂話って大体そんな感じだよ。
話しによっては滅茶苦茶尾ひれがついて広がることとか多いから」
茨木童子の耳元で桜花は囁く。
「でも貴方様は人間を嫌っていたと聞いていましたが…」
「あれ?そうなの?」
全員が驚いた。ウィスパーの言葉に茨木童子は否定しないとだけ
答えた。
「昔だったらそう言っていたが少しあってな、今はこうして
桜花に付き添っている」
「そうなんですか。じゃあ俺と桜花さんって同じ妖怪が
見える同士なんだよね?」
「うん、これからもよろしくね!ケータ君」
「はい!」
「茨木童子様が仲間ならどんな敵も敵じゃないですね!!」
「だから盛り過ぎだ。俺とて無敵じゃない。世の中は狭いようで
広いからな」
微かに茨木童子の声のトーンが落ちた。
- Re: 妖怪ウォッチ新! ( No.3 )
- 日時: 2019/08/03 22:35
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
ケータの家からすぐ帰って来た桜花たちの前を何かが通り過ぎた。
「これは確かヤモリか。人間の中ではヤモリは家を守ると
書くんだろう?」
「うん、ヤモリは家の害虫を食べて家を守ってくれるから家を守る、
家守って書くようになったって話があるんだよ」
茨木童子はジッとそのヤモリを見つめた。
「ボタンみたいなのがあるだろ?押して辺りを見回してみろ」
「え?わ、分かった」
光が辺りを照らす。黒いシルエットが見えた。赤髪の妖怪だ。
その妖怪も桜花も驚いている。
「なるほど桜花、ラッキーだな。ヤモリは良い虫なのだろう?」
「そうだけど…話が、ね?誰なの?この妖怪は」
「大ヤモリです…あの早速なんですけど暫く家にいますね」
「え」
大やもりはそそくさと階段を上り桜花の自室に入っていた。
追うように桜花たちも部屋に入るが誰もいない。
「あれ?さっきここに入ったよね?」
「多分ここだな」
茨木童子は桜花の服などが入っているクローゼットを開けた。そこには
蹲る大やもりがいた。
「もしかしてここに住みたいの?なら良いよ。漫画も読んで
いいからね」
「え?いいの?…ありがとう。じゃあお礼にこれ」
大やもりは自身の妖怪アークを桜花に渡した。スッとクローゼットを
閉じて茨木童子から貰ったアークホルダーにつけた。
- Re: 妖怪ウォッチ新! ( No.4 )
- 日時: 2019/08/03 23:24
- 名前: にゃあこ (ID: xs5T8t9X)
両親はこの時間、どちらも仕事でいない。つまり今は桜花と
茨木童子達が自由に家の中を行動できるということ。
「ねぇ妖怪って人間に化けたりとか出来るの?」
「出来ないことは無い。その妖怪にもよるがな。今では人に
見えない妖怪だが昔は普通の人間にも見えていた。あるんだろ?
色々怪談話が」
「確かに…鬼の話とかもあったなぁ。お祖父ちゃんも言ってたっけ。
案外近くにいるのに見えないものが沢山あるって。もしかすると
それが妖怪、だったのかも」
と、話しているときに上が騒がしいことに気が付いた。微かに
聞こえる声は大やもりの声だ。自室に何か、誰かいるのだろうか?
扉の前に来ると「だーかーらぁ!!」という声が聞こえた。そっと
扉を開き中に入る。
「この引きこもりが!たまには外に出ようぜ?」
「い、いいんだ!俺は家の中の方が好きなんだ」
二人は言い合いをしている。
「あ、あのどうしたの?凄い下の階に聞こえてたけど」
「おぉ、この部屋の主か?丁度いい。お前からも行ってくれよ。
たまには外に出ろってな。あ、俺は大ガマ、コイツとはまぁ
親戚関係だ」
容姿は瓜二つ、唯一全く違うのは性格。インドア派の大やもりと
アウトドア派の大ガマ、そして親戚同士。性格の違いで馬が合わない。
「そりゃたまには外に出るのも大事なんだろうけど…あ!」
「ん?どうしたんだ?」
「とりあえず少しでも外に出て欲しいということならば」
一つのアークを取り出し桜花は外に出た。そして妖怪ウォッチエルダに
そのアークを差す。
「出てきて!大やもり!!」
橙色の螺旋に囲まれ大やもりが外に出てきた。
「考えたな桜花。お前が外で召喚すれば大やもりも外に出てこれる」
茨木童子が感心する。
「なんか頼み聞いてくれてありがとな!ほら、これやるよ」
大ガマからもアークを貰った。