二次創作小説(紙ほか)

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ドナーソング
日時: 2019/08/25 20:57
名前: リオナ (ID: YF6AES9Y)

ピッピッピッピッ

ある病院の一室。この無機質な音が鳴り響いていた。
「………今日は、いい天気だな。」
俺は眠っている『彼女』に話しかけた。
「目を覚まして、退院したら、いろんなところ行って美味しい飯食って、遊んで………」
無駄だ。全部、無駄なんだ。
「………一緒にいようって、言ったのに、どうして、どうしてお前が先なんだよ。どうして、どうして…」
ピッピッピッピッ
止まらず鳴り続ける無機質な音。静かに、時間は過ぎていく。
「……先生。もう、いいですよ。あいつとの時間は過ごせました。楽しかったです。」
「では、手術室に…」
そう。あいつは亡くなった。臓器を提供する側になる。俺に、できること。それは、

あるひとつのカードに……丸をつけた。

Re: ドナーソング ( No.1 )
日時: 2019/08/25 21:25
名前: リオナ (ID: YF6AES9Y)

ドナーソング〜第二話〜
ピッピッピッピッ

「今日は、いい天気だな。」
それは静かに聞こえた。ああ私、死んだんだな。実感が湧かない。
「…いろんなこと、したかったなあ。」
私は上から彼を見下ろした。
「寂しい……」
本音がつい出てしまった。でも、いいか。どうせ、誰も聞いてない。
「ドナーか、好きな曲だったから登録しただけ、だったのに。」
まさか役にたつなんて。
「ありがとう。」

Re: ドナーソング ( No.2 )
日時: 2019/09/01 10:45
名前: リオナ (ID: YF6AES9Y)

ドナーソング〜第三話〜
「……あいつが、亡くなった。」
ガタン!
受話器を落とした。
「おい、大丈夫か?」
心配されている。
「ああ、大丈夫。……大変だったな。」
グスッ
受話器の向こう側で泣いている。
「俺、ドナーカード書いた。」
「どうして?」
「あいつも書いてただろ?」
「そういえば書いてたな」
「俺、あいつの気持ちになりたい。」
そういう事か。
「なあ」
「ん?」
「俺も、書くよ。」


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