二次創作小説(紙ほか)

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魔天使マテリアル…君に最後の嘘を…
日時: 2019/11/17 23:13
名前: 白夜 (ID: /Z8pqfwj)

皆さんこんばんわ!!(これ夜に書いてるので…)

久し振りに来たので新規アカで投稿させていただきます!!

しばらく書いてないので温かい目でご覧下さい!!



                どぞっ………www.

Re: 魔天使マテリアル…君に最後の嘘を… ( No.1 )
日時: 2019/11/17 23:37
名前: 白夜 (ID: /Z8pqfwj)

君はきっと知らない。
私も過去のことも…………。








『紗綾は、母さんのこと知りたいか。』
そう真剣な顔で黎夜君がきくから、私は思わずとぼけた顔をしてしまった。
『ど…どうして。そう、思うの?』
『紗綾は、僕と違って母さんと過ごしてないから。』
表情を変えることのない様子を私は黙ってじっと見つめた。
彼は知らない。きっと気付くこともないし、私から話すこともない。
私の本当の出生も、過去も、使命も、


       〜9年前〜


『お母さん!起きて!!』
キッチンで、朝ご飯の支度をしながら私は声をかける。しかし、一向に起きてくる気配はない。
『んん……もぅ……ちょっと』
もったりとした眠たげな声に私は溜息をついた。
そう……この会話、三十分前にもしているから……。
『そうやって昨日も遅刻したでしょう?』
布団の中で丸まって唸るお母さんにそう言うと、焦ったのか勢いよく起き上がってきた。
その勢いそのまま抱きしめてきた。それをそのままキッチンに連れて行く。
『おはよぉー。さぁぁやぁ、』
『おはよう、お母さん。今日鮭だよ。』
そう、鮭は、お母さんの好物。昨日はいつもより仕事が遅く、疲れていた様子だったから。これで元気出して貰わなくちゃ。
『ほんとっ?ありがとぉーさぁや、』
そうして朝ご飯を二人で食べ、お弁当を渡し仕事にいくお母さんを玄関で見送る。
その頃の私は学校に入っていなかった。でも、気にしたことはなかった。字や数字は仕事終わりや休日にお母さんが教えてくれていたし、ドリルも買ってくれたからむしろ同年代よりできる方だった……と思う。







            『続く』

Re: 魔天使マテリアル…君に最後の嘘を… ( No.2 )
日時: 2019/11/19 23:03
名前: 白夜 (ID: /Z8pqfwj)

そんなときだった。いつも通り仕事から帰ってきたお母さんはいつもと違っていた。
とても真剣ででもその陰に悲しげな顔。そうしてしばらく座って黙っていた。
『紗綾。こっち来て。』
お母さんは私の手をそっと握って真っ直ぐに見つめた。そしてそのまま諭すように喉の奥から絞り出すように話し出した。
『あのね、紗綾。突然こんなこと聞いて驚くかも知れない。でも、真剣に聞いて欲しいの。』
今までにないお母さんの様子に私は思わず何回も頷いていた。どんなことも受け入れる準備ができていたような気が今ではしている。
『貴方には双子の弟と、お兄さんがいるの。今はとても遠くに居るけれど、とても優しい子達。』
そうお母さんは話した。けれども私は本当にお母さんが話したいことは違うんだ思った。そして、言いたいこともわかったような気がした。
『行っておいで。』
不意に口から出た言葉に私は驚かなかったけれどお母さんは目を見開いてしばらく黙っていた。
私はぎゅっと手を握り返して一生懸命に言葉を紡いだ。
『お母さんは優しいから私が傷つかないように言えなかったんだよね。ありがとう。でも、大丈夫だよ。だから皆のところに行って?』
そう私が言い終わらないうちにお母さんは私を強く抱きしめてそして泣いていた。私も決して大丈夫ではなかった。少し油断すれば泣いてしまうんじゃないかとも思っていた。何となくもう帰ってこなくなるような気すらしていた。でも、それでも送りださなきゃ後悔する気もした。
『ごめん、紗綾。ごめんね。』
そう何度もお母さんは謝っていた。何度も何度も。
『もうこんな時間だよ!!ご飯にしよう。』
私は泣きたいのを必死に抑えて、キッチンに向かった。ここで泣いてしまったらお母さんはきっと行くことを躊躇する。それは駄目。私は応援しなきゃ。私の会ったことのない大切な家族のために。
そうしてその夜はいつもと同じように過ごした。
次の日お母さんは置き手紙と通帳を残して家を出て行った。

              『続く』


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