二次創作小説(紙ほか)
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- 幻想紀行文
- 日時: 2019/11/21 19:18
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
幻想郷の人里に出回った本、紀行文だ。その作者である少女、有栖川椿。
彼女が製作した物語はフィクションではなく彼女自身が体験したノンフィクションである。
高校入学直後、彼女は幻想郷へ招かれた。八雲紫によって連れて来られた人間である。
年齢は実に16歳、能力は変化させる程度の能力。
・東方二次創作
・オリキャラ多数
・誹謗中傷マジ勘弁
博麗血縁伝>>01-03
龍の御言葉>>04-07
死にたい男に送る言葉>>08
- Re: 幻想紀行文 ( No.1 )
- 日時: 2019/11/18 21:13
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
変化させる程度の能力、似たような能力は存在するが彼女の場合は性質を変化させたり
全く別の物に変えたりできる。火を水に、枯れ葉を木の実に、更には無機物を生き物に
変えたりすることも出来てしまう。割と凡庸性が高い能力と言える。彼女は自身が秘めている
霊力を変化させ幻想郷の住人の能力も扱うことが出来る。
「なら私がエピソード0を語ってあげる。しっかり書くのよ」
紫は椿に言い放ち椿はペンをギュッと握る。物語は彼女が幻想入りする一か月前に
遡る。そして博麗霊夢の過去は更に前へと遡る。生まれた兄妹。妹が巫女となると
決まり兄も反論しなかった。その兄はいつの間にか妹の前から姿を消した。
「あら?妹が恋しくなったのかしら?勾時…否、それとも殺したくなっちゃったのかしら?
よく結界から抜け出せたものね」
博麗勾時、彼の手には禍々しい妖刀が握られていた。その刀は先代が保管し監視していた
刀である。何が起こったのかそれは勾時の手に渡り彼に憑りついた。
「博麗霊夢の力が欲しくてね。それと良い運動になったよ、礼を言わせてもらう」
彼は不敵な笑みを浮かべサイコロのような結晶体を握り潰した。それは彼を封印していた
結界の鍵。彼に向けて紫は鼻で笑う。
「その威勢、何処まで続くかしら?霊夢ならこの先にいるわ。殺したいならご自由に」
「随分と余裕そうじゃないか。だがまさか舐めているわけではないだろう?何を企んでいる」
「霊夢と同じように凄い直感をしてる貴方なら察しが付くと思ったのだけど…貴方は
彼女に負けこの世から消える。もう勝敗は決しているわ」
- Re: 幻想紀行文 ( No.2 )
- 日時: 2019/11/20 17:10
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
目の前に立つ勾時に霊夢は少し恐怖していた。実の兄を下手したら殺してしまうかもしれない
という不安があるのだ。
「霊夢、大丈夫よ。忘れちゃダメ」
「分かってるわよ紫…私は信じるわ。だってあの人は私より強いし」
「さぁ最後に遺言ぐらい聞いてやるよ博麗霊夢」
悪妖に憑かれた勾時の言葉は霊夢の知っている勾時が決して言わない言葉だ。
霊夢は少し間を開けて口を開く。
「珍しい遺言ね。私が本気にならなくてもアンタはすぐ消えるのよ。アンタが憎む
博麗の人間によってね」
紫は扇子で口元を隠す。扇子の奥では勝利を確信する笑みを浮かべている。数分前に紫は
霊夢に自身の考えを伝えた。
「私が挑発するだけでいいの?」
「えぇ、勾時の能力は簡単に言えば能力などを無効化させる。アイツは貴方が挑発すれば
すぐに乗るわ。これに間違いはない。妹思いの兄が妹の危機を知ったら急がないワケ
ないでしょ?」
紫は勾時の妹を想う心に賭けた。予想通り怒りのボルテージはどんどん上がっていた。だが彼は
ふと怒りを引っ込め笑みを浮かべた。
「二度も同じ手に嵌るわけないだろう?こっちは心身全てを乗っ取ってるんだ。どういうことか
分かるだろう?心も乗っ取ったんだ。俺とアイツの心は同じ、怒りを抑えようと思えば幾らでも
抑えられる」
「そうかしら?なら私たちの負けね」
紫が両手を上げて降参を宣言する。相手は何が起きてるのか分かっていない様子だ。
「霊夢、祓い棒と札を地面に置きなさい」
胡散臭いが何を考えているか何となく分かった。霊夢は言われた通りにする。
「オイどういう意味だ?」
「このままの意味よ。貴方の体を傷付けるのには抵抗があるの…」
彼は刀を握りしめ、ゆっくり歩く。そして霊夢の目の前で止まる。刀を大きく振りかぶり
振り下ろした。
- Re: 幻想紀行文 ( No.3 )
- 日時: 2019/11/20 19:24
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
「ッ、騙したな!!」
結界により拘束し無力化した。
「私は何もしてないわよ。紫でも無いし私でもない。だとすれば一人だけでしょう?」
悪妖は怒り狂う。そして自身の中に封じ込めた勾時本人に問う。
「どうやって…俺の力から抜け出した!!?」
「簡単だ。俺の能力、解く程度の能力を使ってお前の力を[解いた]んだよ」
視界が暗くなっていく。最後の最後に妖怪は怒りを叫んだ。力なく前のめりに倒れた勾時は
霊夢をそっと抱きしめた。
「ただいま…霊夢」
「…遅いわよ兄さん」
霊夢は小さく微笑んだ。紫は二人を見守っていた。焦げ茶の髪色に戻り優しい兄が帰って来た。
解く程度の能力、それは能力を無効化する能力である。攻撃ではあまり使えないだろう。
だが今回のように自身に悪影響を及ぼす力が当たったときそれを解くことが出来るのだ。
下手すれば博麗大結界を解くことさえ出来てしまう。
後日、勾時は霧雨魔法店を訪れた。魔理沙に会うのが目的ではない、魔理沙の義兄に
用があるのだ。中に入る必要は無かった。何やら声がして覗いてみると魔理沙に何かを
教え込む男がいた。魔理沙と同じ黒い帽子をかぶり、白いケープを纏っている。男が
勾時に気が付き目を見開く。
「勾時!!?お前…今まで何処に行ってたんだよ!!」
「久し振りだな響生、やっと帰って来れたところだ」
「もしかして霊夢の兄ちゃんってお前なのか!?スゲェ…霊夢そっくりだぜ。まぁ性格は
違うけどな」
霧雨響生、霧雨魔理沙の異母兄弟で彼女の魔法の師匠である。そして彼の能力は付加する
程度の能力。パチュリーのように操るだけでなく自身にその属性の耐性をつけることが出来る。
例を出すなら火属性耐性、水属性耐性などがある。
- Re: 幻想紀行文 ( No.4 )
- 日時: 2019/11/20 21:05
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
紀行文とも言い難いけど中々良いじゃない。
紫は椿が書いた文章を読んで笑顔になった。同時に椿にはこれからも起こった事を
綴ってほしいと思った。稗田阿求のような第三者視点からではなく当事者たちの視点から
書く歴史書、戦記にも近いかもしれない。
「紫様、何故彼女にこのような事を?」
藍もまた椿が書いた文章に目を通していた。
「私の娯楽。以外とあの子、作家の才能があるわね。それともう一つぐらい出来たら
正式な本にしようと思ってるの」
◆◆◆◆
とある日、椿は自分と同じく外来人を名乗る男、十神久遠と出会い仲良くなった。
やはり同じ境遇の人間がいると親近感が湧くらしい。
「同じ外来人と言えど同じ時代から来たとは言えない。過去、現在、未来、何処からでも
とりあえず忘れられていれば幻想郷には来れるからな。後はまぁ…能力とか紫の
能力が関係してくるかもしれない」
「アンタは?」
勾時は少し驚き後から名乗っていないことに気が付いた。
「博麗勾時、お前は十神久遠だろ?よろしく頼むよ」
「待て!博麗って…霊夢の兄か?」
突然、顔を近づけそう何度も聞いてくる久遠に勾時は困惑した。それを椿は微笑みながら
見守っていた。久遠は勾時に霊夢の姿と重ねる。顔立ちは霊夢を男にしたような顔立ちで
霊夢のリボンと同じ色合い、模様のネクタイをしていた。
「…?どうしたんだ久遠。俺の顔ばっかり見てさ」
「あ、すまない。いや…やっぱり兄妹だなぁっと思って」
「そういえば」と勾時は何かを思い出した。
「大したことじゃないがよく言われてたなぁって…似てることは否定しないというか
出来ないけどな。それと椿、紫からの伝言だ」
「え?私?」
「これからも起こった異変や日常をしっかり書き記しておくように、だってさ」
- Re: 幻想紀行文 ( No.5 )
- 日時: 2019/11/21 17:16
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
霧の湖、そこで集まって遊ぶのはチルノと大妖精とルーミアだった。彼女たちは湖の上に
立つように宙を浮く男に声を掛けた。
「あの貴方は?椿さんと同じ外来人の人ですか?」
「?君は…大妖精かな?そっちの子はチルノちゃんとルーミアちゃんだね。いつもここで
楽しく遊んでいるのを見るよ」
淡い水色の長髪を揺らし彼はそっと微笑んだ。ルーミアはふと彼の袖から見える
キラキラ光る何かに目がいった。それは鱗、彼が人間ではないことを示すものである。
そして尾、狐のような尾ではない。どちらかと言えば蛇のような尻尾だ。
「うわぁ!!何だこれ!?ピカピカ光ってるぞ、大ちゃん!」
「綺麗だよ〜!!」
「あ、二人とも!そんなにべたべた触ったらこの人も困っちゃうよ〜」
袖を捲り男の右腕についた鱗に目を輝かせる二人に迷惑になるんじゃないかと心配する
大妖精。しかし彼は嬉しそうに笑顔を浮かべ左手で大妖精を撫で彼女の手を自身の右腕へと
乗せた。
「減るようなものじゃない。僕は知ってるよ、ずっと昔からここにいるんだ…」
◆◆◆
チルノたちは博麗神社に遊びに来ていた。ここに来ると霊夢は気分次第だが椿や久遠が
遊んでくれる。椿は外の世界での遊びを色々教えてくれるのだ。やはり人間で言えばまだ
子ども、色々な遊びを知っている様だ。
「あれ?なんかぐしゃぐしゃになっちゃった…」
「あーこれは何処かで間違えちゃったのかな」
椿は笑いながらチルノに丁寧に説明している。その様子を久遠は眺めていた。チルノはふと
霊夢と勾時が広げている巻物を見た。
「なぁ霊夢、これって?」
「竜神よ。確か青龍ね…幻想郷にもいた気がするけど滅多に姿を現さないのよ」
「あ!私たちの話を聞いてください。実は霧の湖で男の人に会ったんです。鱗があって
蛇みたいな尻尾があって…」
「私たちの名前も知ってたんだぞ〜」
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