二次創作小説(紙ほか)
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- TELES OF MESSIAH
- 日時: 2020/04/22 20:17
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
ヘルヘイム王国の王には秘密があった。それを知ってしまったノクティス・ギールは
平民として暮らすルティア・クラウディアにクラウディア家こそ王の一族だったと告げる。
王の裏の顔、国の真実、全てを暴き偽りの平和から本物の平和を取り戻すために彼らは
立ち上がる!
- Re: TELES OF MESSIAH ( No.1 )
- 日時: 2020/04/22 21:31
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
その夜、ノクティスはやってきた。彼はルティアを見つめ話し出した。
「…なっ!?私に王になれと!!?無理無理無理ィ!!」
「しー!声がでかい!俺もちゃんと見れたわけじゃない。代々の王の名前が書かれた本の一部が
ズタズタだったんだけど確かにクラウディアの名前が幾つかあったんだ」
ギール家の人間がクラウディア家を追い払ったということだ。それも思いのほか最近だ。
「それに最近、俺は可笑しく感じたんだよ。父さんはそんなに体が弱い人じゃない。だけど
体が弱いからって外に出てこなくなった。息子の俺ですら中に入れない」
「…ノクティスのお父さんが怪しいかもってこと?」
ノクティスが頷いた。話に夢中になっていた二人。静かにノクティスの首筋に剣があてがわれた。
白銀の刃が微かに喉に食い込む。ルティアの実兄リーヴァ・クラウディア。この国の騎士は
鎧をまとう者は少ない。騎士団特有の軍服を纏った凛々しい彼は剣を納める。ノクティスも
彼らのように武勇に優れ知力も高い。強さはそんじょそこらの人間では歯が立たないほどに。
その彼の後ろを取ることは難しいだろう。それをやってのけたリーヴァは騎士団の中でも
かなり強い騎士だ。騎士団第一位の座を持つリーヴァは壁にもたれかかる。
「国王の話か?あまり口にしない方が良いと思うがな」
「お兄ちゃん…」
「でも俺、嫌です。騙したままなのは…」
ノクティスは呟いた。リーヴァは口を開いた。
「責めているつもりは無い。それなりに長生きしている大人の一部は今の王に疑問を抱いている。
怪しい噂も流れているからな。そんなに元に戻したいと思うなら行動を起こせ、王について
調べたいのならとことん調べ上げろ。残念ながら俺は手を貸しにくいが…」
「でもありがとう。私もノクティスと一緒に頑張ってみるから」
ルティアはグッと拳を握る。やる気に満ちた妹に笑顔を向けた。
- Re: TELES OF MESSIAH ( No.2 )
- 日時: 2020/04/23 16:12
- 名前: 水無月匣 (ID: xs5T8t9X)
ヘルヘイム王国南部。そこに広がる森はティターニアの森と呼ばれ重宝されている。
年に一度、森に住まう妖精や精霊たちに祈りを捧げる祭りフェアリーダンスが行われる。
森に入るには森の管理を担っている人物の家を訪れた。
「大きくなったのぅルティア」
年寄風の話し方をする若い男は二人を中に入れる。ロムルスという男で種族は教えてくれないが
長寿の種族らしい。顔の左上半部には大きな傷跡がある。ルティアと言う名前は彼がつけた。
「なんじゃ恋人じゃないのか…少し残念じゃなぁ。お前たち、そのまま付き合えば良かろうに」
「そんなことはいいから!私たち、森に入りたいんだけど」
そう言うとロムルスは立ち上がった。
「何故だ?」
「国の事なら妖精たちの方が詳しいと思った。俺たちはあの王を玉座から降ろす」
ノクティスも立ち上がりそう声を上げた。
「…そうか。なら通してやろう。その代わりに頼まれてはくれないか?儂の大事な弟子が
勝手に森に入ったきりだ。妖精たちにも迷惑をかけてしまうだろうし…頼めるか?」
ロムルスは彼らに聞く。彼の弟子マーシュは国によって絶滅した魔竜の因子を埋め込まれた。
結果、闇属性の炎を扱うようになり一般人から忌み嫌われてきた。ロムルスは彼を拾い
その力を制御できるように鍛え上げた。最高位の武闘家ロムルス・クリティアによって
鍛えられたマーシュの実力は高い。家を出て森の中に足を踏み入れた。
同時期、森へ向かう集団がいた。銀髪の青年を筆頭に歩いてくる。その青年はジェイル、
騎士団第2位の座に就いている。強さ的にはリーヴァより少し下か同等と言われている。
リーヴァは守るための騎士、ジェイルは戦うために入団した騎士。彼は戦場での姿から
周りからは畏れられていた。そして彼は団長には内緒でここに来たのだ。
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