二次創作小説(紙ほか)
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- 東方幻想書
- 日時: 2020/05/15 11:55
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
東方project二次小説。オリキャラが登場します。
泰守琉璃は外から来た外来人の少女だ。外の世界での彼女は何の変哲もない高校生。
何故、幻想郷にいるのかというと外の世界にある古ぼけた神社を見つけて紫によって
ここに招かれた。同じように幻想郷に来る人物が稀にいるようだ。
- Re: 東方幻想書 ( No.1 )
- 日時: 2020/05/15 12:14
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
博麗神社。
「今日も賽銭は無し、と…」
大きなため息は博麗霊夢が吐いたものだ。人間に友好的な妖怪もいれば、人間を嫌う妖怪も
いる。人間もそうだ。妖怪に対して様々な価値観を持つ。博麗神社に来る人妖は基本的に
種族差別をしない者が多い。
「霊夢、もう七回目の溜息だよ」
「仕方ないでしょ琉璃。賽銭が無いんだからぁ」
縁側に座ると霊夢は後ろに倒れ込んだ。
「オーイ霊夢、遊びに来たぜ!」
上から地面に着地した霧雨魔理沙は帽子を少し上に上げて笑顔を見せた。
「って、折角私が来てやったのに狸寝入りするなよ!!」
「チッ、バレてたか」
「分かるに決まってるだろ。私たち、親友だろ」
霊夢の隣に座り込んだ魔理沙もまた後ろに倒れ込んだ。
「なんか良い天気だな」
「琉璃、客が来たらまかせた。私は寝るわ」
「えぇ…巫女なんだからしっかりしてよ霊夢」
琉璃の言葉に耳も貸さずに霊夢たちはうたた寝する。暖かいため眠るには丁度いいのかも
しれない。瑠璃は数か月前にここに来て神社に居候させてもらっている。怠け者な面もあるが
決してそれだけではない。
「あら。霊夢たち、昼寝?」
珍しい客が来た。
「永琳?どうしたの?ごめんね霊夢たち、今起こすよ」
瑠璃は霊夢の体を揺する。すぐに二人が起きて目を丸くしていた。
「霊夢の待ち人、目が覚めたみたいよ」
「待ち人?」
「そうか。アンタは知らなかったわね私の実兄」
琉璃は首を傾げる。どうやら霊夢には兄がいたようだ。永琳と共に彼が今いる永遠亭に向かう。
迷いの竹林を抜けた先だ。
- Re: 東方幻想書 ( No.2 )
- 日時: 2020/05/15 13:00
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
前の話だ。
先代巫女によって封印された龍が封印を自分で解き動き出したという話を紫がした。
霊夢に行かせまいと彼女の兄、博麗月路は真っ先に一人で出て行った。それを紫が引き留めた。
「待ちなさい月路。単身で挑むつもり?駄目よ、貴方はもう少し修行してからの方が良い。
霊夢を守りたいのならば」
「だけどそれじゃ間に合わないだろ。博麗の巫女が残っていればそれで充分、紫が近くに
いればそれで良い。そういうわけだから…俺が先陣切って行ってくる」
そうして帰って来たのは瀕死の月路だった。帰って来たのではなかった。運が味方してくれて
奇跡的に死なずに済んだというところだ。
永遠亭では永琳もその運の良さに驚愕した。
「運が良かったのね。心臓からは逸れてたし…致命傷に近い重傷ってところ。でも安心は
してられないわ」
「私のミスね…」
紫は呟いた。永琳は首を傾げた。
「痛みを感じた覚えはない、気を抜いたつもりも無い。だけど首筋に手刀で一撃、それで
気絶させられた。何かする、そう分かっていても反応できなかったわ」
「先代から直々に体術を、戦闘を叩き込まれた…更に自身で修行を進めた結果ってことね」
先代巫女は肉弾戦を得意とする。そんな彼女に恐ろしいほど体術を叩き込まれたのが月路だ。
永遠亭の一室。そこに置かれたベッドの上には全身を包帯で覆われた男が横になっていた。
「目が覚めたみたいで良かったです。あ、まだ起き上がってはダメですよ月路さん!」
手を付き力を入れたが痛みに顔を歪めた月路は荒くなった息を整える。
「鈴仙、霊夢たちが来たみたいだ」
「え?」
扉が開き霊夢たちが病室にやってきた。唖然とする霊夢に向けて月路は痛みを堪えて半身を
無理矢理起こし笑顔を向けて両腕を軽く広げた。
- Re: 東方幻想書 ( No.3 )
- 日時: 2020/05/15 18:21
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
霊夢は月路に抱き着いた。
「これ、紫から聞いたの。バンダナが燃えて消えたって…だから渡しに来た」
月路は霊夢からバンダナを受け取る。霊夢のリボンと同じ色、柄のバンダナを彼は頭に
巻き付けた。月路の体に巻かれた包帯には血が滲んでいた。
「で、アンタも見に来てくれたのか?人里の守り神がこんなところで暇してて良いのか?」
「流石に鋭いな博麗月路」
日本神話の神、須佐之男命。それが守り神と謳われる男、藜。
「お前が対峙した龍はもう倒した。だが礼を言うぞ」
藜は軽く頭を下げた。月路が瀕死の重傷を負いながらも龍を一か所に留めていたため藜は
龍を探し出し退治することが出来た。彼は月路に触れた。瞬間、傷が全て消えた。包帯の下に
残っていても可笑しくない傷はほとんど消えている。
「すまない。瀕死になりうるはずの傷は癒すことは出来ない」
左半身に残る火傷痕は消えていない。
「いや…高望みはしない。助かるよ」
月路はベッドから立ち上がる。長く眠っていたにも関わらず力は衰えていないように感じる。
それは藜が一番感じていた。
「貴方から見てどう感じたのかしら?月路は」
紫はそう声を掛けた。
「悪くない」
「そう。すぐに貴方を越してしまうかもしれないわよ?月路を含めて」
それに関して藜は何も答えなかった。半分は認めていた。残り半分は無理だろうと思っている。
- Re: 東方幻想書 ( No.4 )
- 日時: 2020/05/15 20:25
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
紅魔館、フランはある人物二人にぴったり張り付いている。
「良かったわねフラン」
レミリアはフランを見やった。
「にしても…月路さん、退院おめでとうございます」
「ありがとう咲夜。それと美味しかったぜ」
月路はフランを撫でた。咲夜はフランに頼まれてサンドウィッチをフランと共に作った。
それは月路に渡すためだ。もう一人は隻眼隻腕の少年、年齢は瑠璃と同じぐらい。
永戸愛世。
「やったぁ!!それに良かった、月路が退院出来て」
「確かアンタは霊夢の兄で体術使い、だったか」
愛世が口を開いた。
「まぁそうだな。と言っても自慢できるほどの腕前じゃないが」
「瑠璃は霊夢に頼まれて月路についてきたのね」
レミリアの言ったことは正しい。霊夢が瑠璃に行って来いと言ったのだ。
「そうだ。ねぇ月路、体が鈍ってるんじゃない?どうよ、愛世と勝負してみるっていうのは」
レミリアの思い付き。既に他のメンバーの多くが賛同している。月路は仕方なさそうに愛世の
方を見た。彼はやる気満々だ。
「…弱くても文句言うなよ?こちとら退院したばっかりなんでね」
「言わないよ俺は。それにこれは俺の頼みだ、遠慮する必要はない」
審判は瑠璃が担当する。合図しようとした彼女を月路が止めた。
「能力の使用は?」
「やめて頂戴」
レミリアは即答した。そう答えることは月路は分かっていたようだ。
- Re: 東方幻想書 ( No.5 )
- 日時: 2020/05/15 21:46
- 名前: 日の入り時子 (ID: xs5T8t9X)
愛世が一歩二歩と後ろにさがった。月路は拳を引いた。諦めの悪い愛世が珍しく両手を上げた。
降参の合図だ。
「凄いなアンタ。病み上がりとは思えないな」
愛世は立ち上がり腕を回す。月路も首を回していた。
「そういえば私、月路さんの能力知らないんだけど…」
「言って無かったな。物事や概念を突き破る程度の能力、母親と同じ能力だ」
レミリアが能力を使うなと言った理由はその能力。肉弾戦による臓器破壊を可能にする
能力。使いこなすにはかなり力がいるらしいが月路はそれを自由自在に扱える。
「恐ろしい能力だな」
「先代の時代にはスペルカードルールが無かったからな。こんな能力を持ってれば
そりゃあ最強だろ」
月路は扉の前に立った。愛世も何かに気が付いた。月路は扉が蹴破られると同時に拳を
突き出した。その拳を男は止めて見せた。
「人間の出せる威力とは思えないな。相当修行を積んだと見た」
男の正拳突きが月路の鳩尾を狙う。それを察して月路はもう片方の手で手首を掴んで止める。
反応速度に男は驚いた。
「数人、随分と力を持った人間がいるな。お前もその一人だ博麗月路」
「そういうアンタも随分強いな。誰だ?喧嘩でも売りに来たのか?安い喧嘩なら俺は買わないぞ。
面倒くさいだけだからな」
男はラギーと名乗った。
「安心してくれこの喧嘩はそれなりに高いぜ」
—神槍「スピア・ザ・グングニル」
—奇術「ミスディレクション」
—禁忌「クランベリートラップ」
レミリア、咲夜、フランのスペル。月路は全身に力を入れラギーを弾幕の前に押し出し自身は
後ろにさがった。
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