二次創作小説(紙ほか)
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- [鬼滅の刃 オリジナル作] 透ける未来
- 日時: 2020/05/23 10:40
- 名前: 透舟癒寒 (ID: XLYzVf2W)
目次 >>3 はじめに >>2(必ず読む前にご覧ください!)
オマケ茶番 >>4
始まりの章 古の
第一話 群青の千眼
時は大正。世は鬼で溢れかえっていた。
そんなときに結成されたのが、そう鬼殺隊。
これは最後の柱、時透らが活躍する前のお話…
僕は五人兄妹の四番目、三男としてこの家に産まれた。
名前は萄岸和四郎(かずしろう)。
二人の兄と一人の姉、そして一人の妹がいた。
さらに僕の従兄弟。それはかつて鬼殺隊柱として活躍した、時透無一郎。そして兄の有一郎の双子。
僕たちは時折お互いの家へ遊びに行ったりと、相当仲が良かった。はっきり言って幸せだった。
…まぁ、幸せは長く続かない。
ある日、僕は姉の恵二子と学習塾に行き、そこから帰るところだった。
「ただいまぁ」
戸を開ける。……これは夢。そう信じたかった。
父が…父が鬼になっている。そして兄妹僕ら以外にむしゃぶりついている真っ最中だった。
「きゃああああああ!!」
姉さんは悲鳴をあげて、硬直する。逃げたいのに…
姉さんの顔は見るに耐えないくらい絶望に満ち溢れた顔だった。
そして父さんがこっちに気づく。青い無数の眼球が僕たちを一斉に見る。恐怖でしかなかった。
もうすっかり夜だ。鬼の活動時間。
でもそんなこと考える暇なんてない。
姉さんは僕をおぶって言った。
「捕まっててよ!」
姉さんは村一番の俊足の持ち主。
風をきるくらいのスピードだった。
早すぎて顔が痛くなってくる。思わず目をつぶる。
姉さん、どこに行くの?
聞きたかったが、口を開けるのも精一杯で、声なんて出なかった。
姉さんは無一郎たちの家に向かっていた。
隣村でそこまで遠くない。
「有一郎!開けて!お願い!!恵二子!恵二子だよ!開けて!」
姉さんは戸を叩き続けた。
そして、無一郎が出てきた。
「どうしたの?こんな時間に?って、え?二人!?」
「お願い、とりあえず入れて!」
困惑状態の無一郎はとりあえず僕らを中に入れてくれた。
有一郎が口を開く。
「お前ら知らないのか?夜は鬼が出るんだぞ!?なのに二人で…」
姉さんの目から涙がにじみだす。
「その…鬼に……父さんが鬼に…鬼になってたの!」
沈黙が続く。僕はもう何もショックで話せない。
「嘘でしょ?ちょっと待って!じゃああとの三人は…」
無一郎が今にも泣き出しそうな顔で聞く。
「喰われた…殺されたんだよ!!父さんに!うわーーーーーーーーーーーっ!!!!」
姉さんの感情が爆発した。
いつも冷静な姉さんからは想像できない姿。
無一郎も膝に顔をうずくめて泣きじゃくる。
「駆一郎も…空三郎(くみろう)も…五代も……?みんな?……死んじゃった?嘘だ………」
有一郎も鼻をおさえて必死に涙をこらえる。
「とりあえず泊まってって。飯とかは用意する。」
コクリと僕らはうなずく。そして時透家で4人の子供が悲しみの一夜を過ごす。
翌朝。
「しばらく泊まってけ。」
「ありがと…」
僕らはしばらく時透家に泊まらせてもらうことになった。
みんなで朝食を食べている最中。
「すみません、誰かいますか?」
「俺がでるよ。」
有一郎が腰を上げ、戸をゆっくり開ける。
「誰だった?」
無一郎が訪ねる。
「鬼殺隊の人。勧誘に来たけど断った。」
「あぁ、また…」
きさつたい?聞き覚えのない五文字に姉さんと僕は首をかしげる。
「きさつたい?」
僕がつぶやくと
「和四郎、知らない?鬼殺隊はね、鬼をやっつける人たちのことだよ。」
無一郎が教えてくれた。
−鬼をやっつける…
そこに入れば僕もやっつけられる……?
「やめといた方が身のためだ。」
有一郎は僕の心を読んだかのように言葉を発する。
「うん…」
その後、無一郎たちは薪を集めに外へ行った。
姉さんと二人。
すると姉さんがふとこんなことを言い出す。
「鬼殺隊…入らない?」
「え?」
姉さんも同じことを考えていたようだ。
僕たちは兄弟を喰った父さんが憎いんじゃない、父さんを鬼にした、鬼が憎い。
「僕…も、僕も入りたい!」
正直どんなところか分からなかったけど、ただただ鬼が憎くて憎くてしょうがなかった。
そうして当時11才の僕は鬼殺隊に入ることを心に決めた。
第二話 行かないで、逝かないで…
「僕たち、鬼殺隊入ることにした。」
「え…行っちゃうの?」
帰ってきた無一郎たちに話をする。
「死ぬかもしれないんだぞ?絶対やめとけ。他の手段もある。」
「やだ!入る!」
僕は感情に身を任せて、有一郎とちょっとかぶせ気味にやだと叫んだ。
「僕たちの気持ち分からないでしょ!?みんなみんなずっと信じていた人に殺されて…」
「そんなの分かるよ!!俺たちだって両親が死んだ、それに父さんは一昨日!無一郎と絶望してたところに勝手に入ってきやがって!そんで『僕たちの気持ち分からないでしょ』?んざけんなよ!おふざけもいいところだ!!」
「有一郎が泊まってけって言ったんでしょうが!」
「っるせーんだよ!」
これ…有一郎の声じゃない…まさか無一郎!?
無一郎を…無一郎を怒らせてしまったんだ…僕は…
「そう…だよね…やめとくよ、鬼殺隊」
「違う!」
無一郎が珍しく叫ぶ。その目には涙が浮かんでいた。
「僕たちだって、和四郎たちの好きにさせてあげたい!
けど…けど…」
無一郎は大きく鼻をすすり、腕で涙を拭った。
「和四郎たちに死んでほしくないんだ!!
もう…誰も死なないで!」
「無一郎…」
有一郎が反省したように無一郎の方を見る。
そして無一郎は崩れ落ちる。涙が止まらなくなっている。
姉さんがやっと口を開いた。
「私達も…死にたくない。けど、鬼のせいで死んでしまう人がたくさんいる。」
「その人たちに、私達と同じめに遭わせたくない!死なせたく…死なせたくない!」
その言葉は有一郎の中で大きく響いたようだ。
「ごめん…本当に…分かってないのは俺の方だった…」
僕は思わず有一郎に抱きついた。
「絶対生きて帰るからね。そしたらまた、遊ぼうよ!」
有一郎は声をあげて泣く。
自分より小さい僕の体をしっかり抱きしめる。
そして僕と姉さんは有一郎、無一郎と一生の約束を誓った。
−またみんなで、遊ぼう
第三話 布きれ
二日後。
「本当に…行くんだな。」
時透家の前で四人で最後の会話。
「絶対鬼を倒してみせる。だから、絶対また会えるから!」
「そうだよね…会えるよね!」
「うん!」
無一郎と喋るのもこれが最後か…いや、また会えるんだもん、最後じゃない!
「…じゃあ、行くね。ありがとう。和四郎、行くよ。」
「ちょっと待って!」
無一郎が引き止める。
「これ、ハイ。お守りだよ。」
無一郎は花形の布切れで作ったお守りをくれた。
「無一郎…これどうやって…」
有一郎が聞く。
「僕の服をちょっと切って作ったんだ!」
「え…そんな、ごめん。」
「なんで謝るの?僕は笑顔がみたいな。」
無一郎の言葉は心が洗われる。
「うん…だよね!ありがとう、無一郎!」
「じゃあね!」
僕らはこうして時透家を旅立った。
絶対、また4人無事で会うんだ。
- Re: [鬼滅の刃 オリジナル作] 透ける未来 ( No.1 )
- 日時: 2020/05/22 23:34
- 名前: 透舟癒寒 (ID: XLYzVf2W)
キャラクター紹介(五月二十二日更新)
萄岸家:
萄岸和四郎(かずしろう)
11歳、男。五人兄弟の四番目、三男。
家があまり裕福ではなかったため、最近まで『勉強』が出来なかった。そのため、年の割には幼い。
時透無一郎兄弟の従兄弟。無一郎とは大の仲良し。
身長:138cm 体重:32kg
誕生日:7月25日 好物:みたらし団子
一人称:僕 瞳:黒みがかった黄 髪:茶色味を帯びた黒
「僕、わからないよ。」
萄岸恵二子
16歳、女。五人兄弟の二番目、長女。
和四郎の姉。(今は亡き)家族のためにお金を稼ごうと、独学で染物の勉強をしていた。村一番の俊足をもつ。雑学の知識もすごい。
時透無一郎兄弟の従兄弟。
身長:161cm 体重:42kg
誕生日:1月4日 好物:きんぴらごぼう
一人称:私 瞳:深緑 髪:黒に近い紅色
「そんなの、合理的じゃない。」
萄岸駆一郎
19歳(死去)、男。五人兄弟の一番目、長男。
刀作りを極め、いつかは柱の刀を作るのが夢だった。
その夢も儚く、鬼化した父に喰われて死亡。
いつも笑っていた。手先も器用で、よく破れた服を直したりしてくれた。
時透無一郎兄弟の従兄弟。有一郎と大の仲良しだった。
身長:173cm 体重:59kg
誕生日:11月27日 好物:カツオのたたき
一人称:俺 瞳:白と黒のグラデーション 髪:茶色
「大丈夫か?兄さんにみせてみろ。」
- Re: [鬼滅の刃 オリジナル作] 透ける未来 ( No.2 )
- 日時: 2020/05/23 09:44
- 名前: 透舟癒寒 (ID: XLYzVf2W)
はじめに
「透ける未来」、閲覧ありがとうございます。
この作品は僕の小説カキコ内での初作品となります。
是非温かい目でご覧くださいm(_ _)m
そしてここからが重要です。
この作品には一部【鬼滅の刃のネタバレ】を含む可能性がございます。
鬼滅の刃のネタバレが怖いというかたはあまり閲覧をオススメしません。
また、原作の内容を取り入れながらも、7割くらいは僕のオリジナルストーリーです。
あんまり語彙や表現が上手ではないのですが…
これからもご愛読していただくと幸いです。
よろしくお願いします。
※この作品は原作鬼滅の刃とは一切関係ございません。
- Re: [鬼滅の刃 オリジナル作] 透ける未来 ( No.3 )
- 日時: 2020/05/23 09:47
- 名前: 透舟癒寒 (ID: XLYzVf2W)
- Re: [鬼滅の刃 オリジナル作] 透ける未来 ( No.4 )
- 日時: 2020/05/23 10:38
- 名前: 透舟癒寒 (ID: XLYzVf2W)
始まりの章 オマケ
「キメツプロデュース」
原作ではキメツ学園ですが、癒寒のキメツではもし、キメツのキャラが現代にいて、プロデュース会社にいたらという、謎設定の謎ストーリーです。
僕の名前は和四郎。
ユニット歌手を志して、このキメツプロデュースという会社のオーディションを受けることになった。
和「66番!萄岸和四郎です!好きな音楽はK-POPです!特
技は暗算です!」
し「はい、よくできました!」
こちらは審査員の胡蝶しのぶさん。
し「ではこちらの方からもう少し質問しますね」
和「はい!」
し「良い返事ですね。ではいきます。暗算が得意なんです
ねぇ。ちなみに数検は持っていますか?」
和「あ、はい!3級を持っています!」
し「まぁ!では次の質問です。このキメツプロデュースで
好きなアーティストはいらっしゃいますか?」
和「はい!僕は富岡さんを尊敬しています!」
し「あら、変わってらっしゃいますね。あまり関わらない
ほうがいいですよ。」
和(意外とヒドイこというなー)「え、何故ですか?」
し「嫌われてるんです♪」
和「は、はぁ…」
し「では、これで一次審査は終わりです。お疲れ様でし
た。」
事務所にて
し「今回全70名、皆さん魅力的でしたよ♪」
カナヲ「先輩、すみません、少し聞こえたんですけど…」
し「どうしました、カナヲ?」
カ「凄い富岡さんの顔に泥塗ってませんでした?」
し「あら?そんなことありませんよ。私は本当のことをい
ったまでです。」
カ「ならいいんですけど…」
義「…俺は嫌われていない。」
し「…お館社長、どうですか?35名に絞れましたか?」
館「うん、いい感じだよ。」
し「なら良かったです。」
そして僕はよく分からないまま一次審査を終え、よく分からないまま通過した。(18位通過)
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