二次創作小説(紙ほか)
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- とある学級委員の取扱説明書
- 日時: 2020/08/13 08:48
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
とある高校に通う眞城絢音は学級委員である。
そんな彼女、実は能力持ち。しかしレベル0という扱いを受けている。
レベル0の能力者が学園都市に嵐を巻き起こす!
1.「とある令嬢の友情」>>01-03
2.「」
- Re: とある学級委員の取扱説明書 ( No.1 )
- 日時: 2020/08/12 21:02
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
とある高校、そこで開かれる学園祭の実行委員に眞城絢音は選ばれた。
学園祭では何かが起こりそうだ、絢音の勘はそう告げていた。予想通り、人通りが少なくなる
放課後に声を掛けられた。風紀委員、与那嶺焔。彼の能力は炎を操る力、名称を
「発火人間」という。名前が指している通り、彼自身が炎そのものと同じだ。
能力を使っていなくても彼は常に微量の熱を放っている。
代わって絢音の能力は「能力否定」という。異能という異能を拒絶する力、
それにはまだ謎も多い。
「この高校を支援している会社の令嬢、早乙女夜霧と知り合いだろう」
そう、純粋な友達同士だ。
「なら手を貸せ。それとその力もな」
「…はい?」
半ば強引に連れてこられたのは夜霧が住んでいる家だ。大きな屋敷、流石は御令嬢と
言ったところか。
「絢音!お久しぶりです!!」
「夜霧ちゃん!!」
絢音が大きいだけか、はたまた夜霧が小柄なのか。夜霧は凄く小さく見えた。
「ようこそ、絢音さん」
黒髪に青い目の男と赤髪に青い目の男が現れた。鬼頭デュース、鬼頭フーゴ、二人は
双子、それも欧米人の父を持つハーフだ。
絢音と夜霧、二人のガールズトークが弾んでいる頃。男陣営は別の場所にいた。
「御嬢が狙われてる…ねぇ。何が目的かは何となく見当は付くぜ」
「付くのか?デュース」
「令嬢だぞ?誘拐して身代金でも要求すればデカイ金が手に入る。これから高校に援助金を
送るってなってるんだからそれを奪うことも出来るかもしれないし」
確かによくある話だ。金目的で金持ちの家の人間を誘拐することは。
「だとしたら…不味いな…」
「何がだ」
焔の言葉にデュースは首を傾げた。友人同士だから何も心配は無いと思っていた。夜霧も
いつもより笑顔が多いようにも思えていた。
「力付くで誘拐しに来たら…あの二人じゃ…ッ」
焔は鋭い刃物に触れた。彼の熱で鉄はドロドロに溶けてしまった。
「俺自身が炎なんでね。で、どういうことだ」
「どうもこうも俺はグルだったってことさ」
デュースが黒、フーゴが白。黒であるデュースと繋がっていた悪人は既に窓を突き破って
夜霧と絢音の前に姿を現していた。
「あらぁ、可愛らしい娘たちだけいるなんて。仕事が楽で助かるわ」
魔術サイドに所属しつつ暗部の人間として動く女魔術師セシリア・グランツ。
彼女の目的は勿論、夜霧を使って大金を奪うこと。
- Re: とある学級委員の取扱説明書 ( No.2 )
- 日時: 2020/08/12 21:38
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
フーゴは携帯でのデュースとセシリアの会話を盗み聞きしていた。
「誘拐し大金を奪う…話が違う。お前は夜霧を守るために動いていたのではないのか」
守るため?
「…あぁ、そうか。そこまで堕ちたんだなセシリア。この魔性の女が」
微かに音を立ててしまいデュースに気付かれてしまった。
「聞いてたのか、フーゴ」
「あぁ。それよりどういうことだよ、誘拐とかって」
デュースは話した。彼とフーゴは勿論、双子だ。しかし後に両親は死んでしまい、すぐに
早乙女家に使用人として預けられることになった。で、肝心なデュースとセシリアには本来
何も関係はない。
セシリアとデュースはたまたま道端で会ったのだ。
「貴方、大切な人がいるのね」
デュースは足を止めた。
「大切な人がいるって素敵よねぇ、でもすぐに失ったらどれだけ悲しいのかしらぁ?」
「どういうことだ」
デュースの胸に指を滑らせるセシリアは不気味な笑みを浮かべた。
「私、今ね。お金に困っているのよぉ」
焔は風紀委員の中でも格闘術に秀でている。素手だけでなく武器を扱った術もだ。
そんな彼と互角に戦っていたのはデュースだった。
「何か視覚系の能力を持っているのか」
「さぁ?何だろうな」
濁した彼に対し焔は笑った。
「嘘は苦手か?それともわざとか?お前は視覚系の能力だろうが」
微かにデュースが笑った。焔が攻撃に出た。熱気でデュースが少し目を伏せた。すぐに反応し
焔のアッパーが彼を打ち上げた。更に膝、肘、拳の連撃を入れた。最後の一発を躱され
投げ技で床に叩きつけられてしまった。
「いっ…!!もしかして経験者か?」
「俺とフーゴは護衛も兼ねての使用人だ。強いのは当たり前だろう」
勝負は決まった、デュースは夜霧たちのいる場所へと行こうとした。それを止めたのは焔だった。
「何処行く気だよ。一人で行く気か」
本心に焔は気付いていた。
「当たり前だ。お前が本当に敵に賛同していたならフーゴを夜霧の元にいさせないだろう。
お前は黒を装っていた白だ」
焔は立ち上がり軽く肩や首を回す。
「アンタ、手加減してただろ。随分器用だな」
「それは…」
「いいんだよ。それと令嬢の事ならきっと心配は要らない。フーゴも強いんだろう?それに
絢音もいるんだ。セシリアって奴の魔法も効かないだろう」
- Re: とある学級委員の取扱説明書 ( No.3 )
- 日時: 2020/08/12 21:49
- 名前: 春先雪華。 (ID: xs5T8t9X)
魔法によって作られた大きな槌。
それが二人の頭上に振り下ろされる瞬間、伸ばした絢音の指先が槌を消した。
「な、何よ!!?何なのよ、それ!!」
更にセシリアの予想外の事は起きる。二人が消え、代わりに一人の男が姿を現した。
「案外小物だな。お前の事を倒して、学園都市を永久追放してやるよ」
「アンタは…」
「鬼頭フーゴ、早乙女家の使用人で鬼頭デュースの双子の弟だ。俺の能力でお前に良い旅を
させてやる」
「舐めないで!!」
もう一本、槌を取り出し振り回す。その槌をフーゴが受け止めると槌は木の枝に変わった。
フーゴの能力は「二点転送」二点の位置を入れ替える。能力を自分なりに訓練
しているため幅広い範囲となっている。
彼がセシリアの腕に触れるとそこには学園都市から離れた場所にあるものが現れた。
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