二次創作小説(紙ほか)

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切上
日時: 2021/07/23 13:57
名前: 雪合戦 (ID: LmekyLqy)

しんとした部屋に二人分の呼吸音が響く。
どちらも話したいことがあるのは理解しているが、どちらもそれを言い出さない。
それに、よくよく考えてみればこの状況自体がシリアスではない。
いや、なりえない。
切島こそマジ切れしているものの、その怒りが向けられている対象の上鳴電気は切れられている理由を理解できていない。
こんなところで天然発動させんなよ、と切島は頭の片隅で思うが本人に行っても無駄であろうことは理解している。
そこまであほではない。
そろそろ諦めモードに入りかけている切島と首を傾げて悩む上鳴。

部屋の空気をぶち壊したのは来訪者の声だった。

「今暇か?」

…どこを見たらゆるーく、暇か?なんて聞けるのだろう。
上鳴か?そうか上鳴か
確かにこいつには緊張感とかが欠如している。協調性が欠如していないだけましか
まあその本人は理解できない怒りから解放されると思ったらしく安堵の視線を送っている。
轟がアイコンタクトなんて高度なもの理解するはずないだろう。
諦めろ。

「ごめん今取り込み中」
そう答えながら切島は扉を開け、来訪者…もとい轟焦凍を見つめた。
天然その1をどうしようか悩んでいたら天然その2が部屋を訪れるなんて誰が想像するだろう。
空気は読むものじゃなくて吸うものだろうとか真顔で(いつも真顔だが)言いそうな轟には、部屋を出ていくという選択肢を持ち合わせていないらしい。
ほんの少しでいいから気遣ってくれ。
そういいたい気持ちを押し込めて轟に告げる。
「そういえば瀬呂が課題について聞きたいって言ってたぞ?」
「そうか、分かった」


シリアスになり切れないシリアスになったのは目の前の天然野郎が原因だ。

3日前、寝坊して遅刻するかもと走っていたこいつは、普通科の生徒とぶつかったらしい。
女だったら少女漫画的な展開だが、残念ながら双方男であった。
ぶつかっただけならよかったのだが、全人口の8割が個性をもつこのご時世、何もないなんてことは無かった。
個性事故が起きたのである。
ぶつかった相手の個性は、「記憶喪失」
お察しの通りこいつは記憶混濁を起こしている。




…つ、つづく…?


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