二次創作小説(紙ほか)
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- ぼくのなつやすみ番外編 もう一つの夏休み
- 日時: 2021/08/01 21:45
- 名前: ダンカン (ID: oompVg8u)
こんばんわ、ダンカンです。
小説自体書くのは初めてではありませんが、少しで多くの方に読んでいただけるような作品を書きたいと思いますので応援をよろしくお願いします。さて、私が今回書く作品は誰もが一度はやったことがあるまたは知っているというこの季節に合った名作品であるぼくのなつやすみです。私が今回書くぼくのなつやすみは最初に発売されたシリーズで登場した空野一家のところにかつて居た長男を中心に物語が始まります。亡くなるまでの間に起きた出来事について色々と追っていくというのが本作の見どころになっていますので現在になっても明かされていないことでモヤモヤしている方も多いと思いますが、この作品を読んで少しは納得していただければ幸いです。ただ、長男の名前については私自身が勝手に想像して付けた名前になってしまいますので読者の方々の中でこの名前ではないかと希望がある方がいましたら遠慮なく、申し上げてください。さて、話が長くなってしましたので早速始めたいと思います。
―1975年(昭和50年)8月1日―
―空野家―
チリン チリン
薫「うん・・・・・・うん、わかったわ」
薫「夕方前に到着できるのね?」
薫「うん・・・・・・・うん、わかったわ」
薫「気を付けて来てね!」
カチャン
優作「今の電話・・・・久保田さんかい?」
薫「ええ、夕方前には到着できるって言ってたわ」
優作「そうか・・・・・それじゃあ、お子さんも一緒なんだね?」
優作「ええっと・・・・確か・・・・・」
薫「あら、やだ! ボクくんでしょ!」
優作「え・・・・ああ、そうだ!」
優作「ボクくんだ!」
薫「もう、忘れないでよね!」
優作「いや―、ごめんごめん・・・・・」
優作「それじゃあ、ボクくんが来るまでの間に準備しておかないとね」
優作「何か手伝うことはあるかい?」
薫「そうね―・・・・・・じゃあ、畑に行って野菜を採ってきてもらえるかしら?」
薫「今夜の晩御飯を作るために」
優作「わかった!」
優作「それで・・・・・今夜の晩御飯は何を作るんだい?」
薫「それは・・・・・・うふふっ、内緒よ!」
優作「ありゃっ・・・・・」
詩「・・・・・・・」
タタタタ
―2階 萌・詩の部屋―
チリン チリン
萌「・・・・・・・」
ガチャ
萌「!」
ス―
パタン
詩「・・・・・・」
萌「どうしたの、詩?」
詩「さっき、お父さんたちが話をしていたの」
詩「今日、こっちに来るんだよね?」
萌「え・・・・ああ、ボクくんのことね!」
萌「そっか―・・・・・今日に来るのね」
萌「久しぶりに会うな―」
詩「どんな奴なの?」
萌「どんな奴って・・・・・・まだ、私もそんなに会ったことがないんだよ」
萌「あの時はまだ・・・・・私も小学生だったし・・・・・ボクくんも赤ちゃんだったしね・・・・」
萌「でも、いい子だと思うよ・・・・ボクくん」
詩「そうかな?」
萌「少なくとも・・・・詩よりはね?」
詩「あ―・・・・・言ったな―・・・・」
萌「・・・・・・・・」
詩「どうしたの、お姉ちゃん?」
萌「え・・・・・・ううん」
萌「ちょっと・・・・・ね」
詩「?」
萌「・・・・・・・」
萌「(そう、あれは3年前のことだった・・・・・)」
―3年前の7月31日(1972年)―
―月夜野小学校―
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
教師「はい、今日の授業はここまでです」
教師「皆さん、明日から夏休みに入ります!」
教師「夏休み中、事故や病気が無いようにくれぐれも気を付けてくださいね!!」
生徒たち「はーい!!!」
ザワザワ
???「・・・・・・・」
友人A「駆(かける)、そのまま帰るのか?」
駆「うん、皆はどうするの?」
友人A「俺たちもそのまま帰るよ!」
駆「・・・・・そっか」
駆「じゃあ、一緒に帰ろう!」
友人A「ああ!」
駆「先生、さようなら!!」
教師「さようなら、新学期にまた会いましょうね!」
駆「はーい!」
スタ スタ
スタ スタ
友人A「なぁ、駆?」
駆「ん、何?」
友人A「駆は夏休みどこか行く予定とかあるのか?」
駆「んー・・・・・今のところ予定はないかな―」
駆「皆はどこか行く予定とかあるの?」
友人A「俺は家族と一緒に静岡へ旅行に行くんだ!」
駆「静岡か―・・・・いいね!」
友人B「俺も家族と一緒に新潟へ旅行に行くんだ!」
友人C「僕も家族と一緒に山梨へ旅行に行くんだ!」
駆「へぇ―・・・・・皆いいね」
友人A「駆もどこかに連れて行ってもらえばいいじゃんか!」
駆「そうだな―・・・・・・まあ、考えてみるよ」
友人A「そっか・・・・・・」
スタ スタ
駆「それじゃあ、ここで・・・・・」
友人A「ああ、またな!」
友人B「またな、駆!!」
友人C「またね!!」
駆「うん、また!」
友人A「駆!」
駆「ん?」
友人A「新学期にまた会おうぜ!!」
駆「・・・・・・・・」
駆「うん、必ず・・・・・また会おう!!」
スタ スタ
―空野家―
駆「ただいま―!」
薫「あら?」
薫「お帰りなさい、駆!」
駆「ただいま、母さん!」
駆「父さんは?」
薫「仕事場にいるわよ」
駆「わかった!」
薫「でも、仕事しているから邪魔しちゃ駄目よ!」
駆「わかってるって!」
タタタ
詩「お兄ちゃん、お帰りなさい!」
駆「ただいま、詩!」
駆「姉さんはまだ帰っていないの?」
詩「まだ」
駆「そっか・・・・・・わかった!」
詩「お兄ちゃん、遊ぼう!」
駆「後で遊んであげるから少し待っててくれるか?」
詩「・・・・・・うん、わかった!」
タタタ
―仕事場―
優作「・・・・・・・」
トントン
優作「どうぞ!」
ス――――
駆「父さん!」
優作「お、駆じゃないか!」
優作「お帰りなさい」
駆「ただいま!」
駆「父さん、あれは出来てる?」
優作「そういうと思って・・・・・ほら」スッ
駆「わぁ―・・・・・」
駆「これが僕の最初の凧か―・・・・・」
優作「お前が帰ってくる前に完成させておいたんだよ」
駆「ありがとう、父さん!」
優作「早速、明日から丘の上に行って飛ばしてみたらどうだ?」
駆「うん、そうするよ!」
駆「本当は今日飛ばしてみたかったけど、詩と遊ぶ約束をしているからな―・・・・」
優作「いいじゃないか、そう急ぐ必要はない」
優作「1日1日を大切にしていきながらやって行けばいい!」
優作「それに、駆は空野家の長男だ! そして、詩のお兄ちゃんだ!」
駆「・・・・・・・」
駆「そうだね、早速明日から飛ばしてみるよ!!」
優作「取り敢えず、目標としては・・・・・この家から見えるほどに高く高く上げるんだ」
優作「それが出来たら、また父さんが新しいの作ってあげるよ!」
駆「この家から見えるくらいにね・・・・・わかったよ、父さん!」
駆「僕、頑張るよ!!」
タタタ
優作「・・・・・・・」
詩「・・・・・・」
タタタ
詩「あ、お兄ちゃん!」
駆「詩、ちょっと待ってて!」
駆「これを部屋に置いてくるから・・・・・そしたら、遊ぼう!!」
詩「うん、わかった!」
タタタ
駆「・・・・・・・」
カチャ
パタン
駆「・・・・・・・・」
駆「父さんに作ってもらった凧・・・・・この凧をこの家が見えるくらいにまで高く上げること!」
駆「それが僕の・・・・・・最初の宿題だ!」
駆「そして、父さんが新しいのを作ってくれるって言っていた・・・・・」
駆「・・・・・そういえば、確か・・・・居間のところの本棚に凧あげの図鑑があったはず!」
駆「どれほどの種類があったかはわからないけど、必ず、全て達成して見せる!!」
駆「この夏休みの間に・・・・・・・!!」
続く