二次創作小説(紙ほか)
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- きゅうくらりん
- 日時: 2023/08/18 17:57
- 名前: 梓海瑠夏 (ID: fbqYC.qT)
私には好きな人がいる。同じクラスの蓮くんだ。
いつもキラキラ眩しい歯をのぞかせて、爽やかな笑顔を浮かべている。
運動神経も抜群で、頭も私なんかより全然できて、本当に王子様みたいな人。
そんな人が、私に振り向くはずなんて…
「ないよね。」
蓮くんが好きな子は沢山いる。可愛い子だって。
…なんて、朝から卑屈だなあ、私。
延々と鳴り響くアラームを止める。
今日も私は白けた顔をしている。
退屈そうで、手に届かないものを追い求めるような顔。
いつもそんな顔をしているせいで、逆にこの顔が安心する。
「行ってきます。」
母からの返事はない。
「おはよー蓮くん」
「髪型かっこいー!」
今日も蓮くんの周りには女子が集っている。ほんと、モテるなあ。
胸がチクリと痛む。長い袖を握った。
こんな思いするくらいなら、初めから恋なんてしなければよかった。
「おはよう、くらりちゃん。」
れ、蓮くん!?
どうしよう、緊張で手が震えて…
ーーちゃんと笑わないと。あなたに取り柄なんてないんだから、せめて取り繕いなさい。
誰かが言う。
私の心の中の誰かーー
「おはよう、蓮くん」
ニコリと笑う。
蓮くんは、私の左の席だ。それだけでみんなに妬まれるのが辛い。
もし…私がちゃんと笑えていないことが蓮くんにバレたらどうしよう?
そんなこと、考えたくない。
バレたら、死んでしまおう。
そのくらい、秘密にしておきたいことだった。
夜。眠たいのに寝付けない。
今日も周りからの視線が怖かった。本当につかれた。
明日、目覚めて起きる理由が見つかる気がしない。
最近は、蓮くんに会うのも億劫になってきた。こんなに好きなのに。
朝。昨日と同じような光景。
のはずが。
蓮くんに通学路で会った。
「あ、れ、蓮くん…」
「くらりちゃん」
蓮くんは私から視線を外した後、また私の目を見て言った。
「俺、くらりちゃんのことが好きだ。付き合って」
……
…え?
え。ええ!?
どうしよう…
喜ぶ自分より早く、どこか安堵している自分がいた。
私なんかが蓮くんと付き合っていいの?それに何より…
何より、周りの子にどう思われるかな。
自然と後ずさりしてしまう。
「ま、また明日ね…」
ぽつりとつぶやく。
そのまま家に帰ってしまった。
どうしよう。サボっちゃったし、蓮くんを置いてきちゃった。
…やっぱり、付き合えない。
周りの子も悪く思うだろうし、付き合ったらどんどん私の心の穴が蓮くんにバレていく。
そんなこと、絶対に嫌だ。
明日、笑って断ろう。
大切なこの関係を壊さないように。
あーぁ…
明日は少しでも「幸せ」って思えるかな。
周りに人がいても、私はいつまでも孤独のままだから…
空には虹が出ている。
何とも思えない。どうでもいい。
みんななら、喜んで蓮くんと付き合うんだろうな。
もう、それもどうでもいい。
結局、私の恋心は枯れ落ちた。
けど、恋心は愛という執念に変わった。
蓮くんにかかる呪い。いつまでも。
私が死んでも。
ああ、頭の中がガンガンする。
もう、無理。
天井にロープを括る。
そしてーー
「蓮くん、大好き」
「俺も。くらりちゃんの全てを愛すよ。」
蓮くんの腕の中で泣く私。
そんな夢。
蓮くん、愛してごめんね。
そして、永遠にさようなら。
- Re: きゅうくらりん ( No.1 )
- 日時: 2023/08/29 00:20
- 名前: 面人 (ID: qWWiRdBA)
とても面白い解釈ですね。
すこしグッと来ました。
きゅうくらりんの元ネタのddlc(のサユリというキャラ)
おすすめですよ〜……
※心臓が弱い方はお気をつけ下さい
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