二次創作小説(紙ほか)
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- 狼ゲーム アナザーストーリー
- 日時: 2024/02/09 22:06
- 名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: bStwRqTd)
※この小説はスタジオわさび様が作成したアプリゲーム、「狼ゲーム」及び「狼ゲームアナザー」の二次小説です。
ストーリーの本筋はそのままですが、内容などはだいぶ変わっています。そのため、本家様との混合はおやめいただけると幸いです。
もちろんオリキャラも登場します。
《あらすじ》
『さあ。カードを1枚選べ。』
『おまえたちの"命を左右する大切なカード"だ。』
突如、謎の建物に集められた男女30人。
そこで「狼ゲーム」という謎のゲームに巻き込まれてしまう。
そこでは、カードをそれぞれ引き、狼と羊の役割が与えられる。
狼のカードを引いた人間が誰か1人を殺害しなければいけない。
羊のカードを引いた人間は、「狼裁判」にて、誰が狼だったのかを正しく見抜いて処刑しなければいけない。
脱出のための命がけのデスゲームが、今、始まる。
(ほぼ原文ママ)
初めまして、プリズムです。
今回からスタジオわさび様が作成、及び配信された「狼ゲーム」というアプリゲームの二次小説を書いていこうと思います。
あのゲームにはすっかりどハマりしてしまいました。
ストーリーもさることながら、キャラクター達も魅力たっぷりで大好きです。
狼ゲームをご存知の方も、そうでない方も、ぜひ楽しんでいってくださいね。
では、次回のレスからストーリーを始めようと思います。
お楽しみに。
・目次
第一章「狼ゲーム」>>1-2、>>5-8
『全ての始まり』>>1
『集められた人たち』>>2
キャラクター紹介・本家キャラ編>>3
キャラクター紹介・オリキャラ編>>4
『恐怖のゲーム』>>5
『最初の犠牲者』>>6
『第一回狼裁判』>>7
『Another side Ep.1』>>8
キャラクター紹介・外部キャラ編>>9
第二章「険悪な空気」
『終わらないゲーム』>>10
『血みどろの水』>>11
『信じるのは』>>12
・登場人物(星マーク付きはオリキャラ)(ゲーム参加者でバツ印付きは脱落した参加者)
ゲーム参加者
霜月 ユキナリ
森 ミサキ
飯田 リンタロウ
神木 リツ
小宮 チエ
新村 コウ
米森 サトル
海堂 ミホ
永井 オサム
土屋 タクヤ
高山 マキ
×小島 タケオ
瑠璃川 ユウト
赤村 ショウマ
篠崎 アオリ
王生 ダイゴ⭐︎
立花 ユウヒ⭐︎
初瀬 ヒロム⭐︎
×渡嘉敷 スミレ⭐︎
×泉 コタロウ⭐︎
一ノ瀬 ジュン⭐︎
藤沢 アスナ⭐︎
×三浦 ヒロシ⭐︎
松本 タツヤ⭐︎
内海 カズサ⭐︎
白雪 ネム⭐︎
翠山 トワ⭐︎
中山 メイ⭐︎
葛城 シンイチ⭐︎
黒橋 カレン⭐︎
外部の人物
神崎 ソウシロウ
一条 ツバキ
鳳凰 カイト⭐︎
榎本 コトハ⭐︎
三浦 エレナ⭐︎
- Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.3 )
- 日時: 2023/11/06 17:55
- 名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: S7aXaEw8)
突然ですが、狼ゲーム参加者のキャラクター紹介をします。
まずは、ご本家様のキャラクター達からです。
霜月 ユキナリ
年齢・20歳 身長・167cm 誕生日・1月3日
いたって普通の大学生。
弱気で怖がりな性格。
普段は少し暗く、自分に自信がない。
森 ミサキ
年齢・19歳 身長・160cm 誕生日・4月3日
関西弁の優しい少女。
リズムゲーム好きの自称オタク。
服装も何かのコスプレらしい。
飯田 リンタロウ
年齢・18歳 身長・169cm 誕生日12月26日
正直、なにを考えているかわからない。
奇抜なファッションと喋り方が特徴。よく語尾に音符がつく。
フワフワしているようで、結構鋭い意見が目立つ。
神木 リツ
年齢・21歳 身長・143cm 誕生日・2月22日
都内の大学に通う大学生。
ズル賢い性格で、他人をあまり信用しない。
思ったことは正直に口に出すし、結構口が悪い。
21歳だが、小学生ぐらいに見える。
小宮 チエ
年齢・27歳 身長・164cm 誕生日・10月14日
オカルティックで内気な女性。
制服を着ているが、年齢は27歳らしい。長年引きこもっていたため、新しい洋服を買いに行く勇気がなかったらしい。
儀式をするのが日課で占いが得意。
新村 コウ
年齢・21歳 身長・179cm 誕生日・7月8日
IT系に強い青年。
自力でプログラミングの技術を身につけ、いつもノートPCを抱えている。
頭が良く勘が鋭い。
他人をすぐ頼る人間が嫌い。
米森 サトル
年齢・33歳 身長・176cm 誕生日・11月9日
幸が薄そうな精神科医。
ブラックジャックの憧れから、こういう髪型にしているらしい。
自分の人生に満足しておらず、少し卑屈そう。
海堂 ミホ
年齢・31歳 身長・167cm 誕生日・9月2日
凄腕の女弁護士。
他の弁護士が受けないような難易度の高い裁判でも負けることはないらしい。大人の色気がある女性だ。
永井 オサム
年齢・36歳 身長・180cm 誕生日・2月1日
中学校の国語教師。
親切そうだが、何を考えているかよく分からない。
小説とアンティークな小物が好きらしい。
日記帳を持ち歩いていて、こまめに物事を記録するほど几帳面。
髪がモジャモジャである。
土屋 タクヤ
年齢・28歳 身長・181cm 誕生日・11月11日
最近少しだけ人気が出てきた舞台俳優。
売れない時代が長かったらしい。
気だるげな態度だが、自分の意見はハッキリ
言うタイプ。
頭に血が上りやすいらしい。
高山 マキ
年齢・25歳 身長・162cm 誕生日・6月13日
大手週刊誌の記者。
ゴシップ記事を得意とし、常にカメラとボイスレコーダーは持ち歩いている。
明るい性格で誰とでも話せる。
小島 タケオ
年齢・35歳 身長・184cm 誕生日・5月9日
大柄な刑事。
責任感が強いことをアピールし、場を仕切り
たがる。
格闘技が得意らしい。
瑠璃川 ユウト
年齢・18歳 身長・146cm 誕生日・3月9日
生意気なゲーム大好き少年。
ずっとゲームをしてあり、基本相手の話は無
視する。
よく人にあだ名をつけて小馬鹿にする。
赤村 ショウマ
年齢・27歳 身長・187cm 誕生日・2月15日
大手証券会社に勤めるエリートサラリーマン。
見た目や言動はチャラいが、仕事は力なりできるらしい。
レディファーストを貫いてあり、女性を大事にする紳士だ。
世渡り上手感が漂っている。
篠崎 アオリ
年齢・35歳 身長・153cm 誕生日・4月10日
謎多きスクールカウンセラー。
人の感情や行動に、強烈な興味関心を持って
いる。
一緒に話していると、すべてを見透かされているような気がして少し怖いらしい。
次回は僕のオリキャラ達です。
- Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.4 )
- 日時: 2023/11/14 07:13
- 名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: S6dv/qbT)
今度はオリキャラ組です。
王生 ダイゴ
年齢・27歳 身長・183cm 誕生日・1月8日
外見は細身に見えるが、200連勝という絶対的記録を保持している現役プロレスラー。
誰にでも明るく接する。
立花 ユウヒ
年齢・17歳 身長・163cm 誕生日・5月5日
とても臆病で人見知りの激しい高校生。その一方で、とても優しい心を持っている。
自分に自信をつけるために楽観的になる練習をしているらしいが、効果はあるのだろうか。
初瀬 ヒロム
年齢・22歳 身長・173cm 誕生日・3月9日
とても生真面目な大学生。
自分の発言に絶対的な自信を持ち、くだらないと判断したことにはとことん否定的。
渡嘉敷 スミレ
年齢・20歳 身長・172cm 誕生日・8月7日
花屋を経営している、穏やかな性格の女性。
花屋だけあって植物にとても詳しく、客にピッタリな花言葉を教えているらしい。
泉 コタロウ
年齢・20歳 身長・191cm 誕生日・6月1日
いつも気怠げな表情を浮かべている大学生。
自他共に認める悲観的であり、首から下げているペンダントを見てはため息をついている。
一ノ瀬 ジュン
年齢・32歳 身長・185cm 誕生日・1月11日
大手企業の高級レストランに勤めている料理人。
料理に幅広く精通しており、世界中の料理を作ることができるらしい。
藤沢 アスナ
年齢・27歳 身長・159cm 誕生日・2月3日
茶髪でポニーテールが特徴の女性アスリート。
「ポジティブは元気の素」をモットーに常に明るい思考である。
三浦 ヒロシ
年齢・28歳 身長・170cm 誕生日・10月6日
加藤商事という会社に勤めているサラリーマン。
自分に自信がないらしいが会社での成績はとても良く、次期課長候補だと言われているらしい。
松本 タツヤ
年齢・27歳 身長・189cm 誕生日・9月13日
いろんな番組やファッション雑誌に引っ張りだこなファッションモデル。
ややナルシスト気質だが、それも人気の理由の一つらしい。
内海 カズサ
年齢・27歳 身長・160cm 誕生日・7月7日
悠々とした性格の演歌歌手。
年齢差による上下関係が嫌いらしく、誰にでもタメ口で話すという度胸がある。
白雪 ネム
年齢・19歳 身長・173cm 誕生日・4月4日
のんびりとした性格の快眠セラピスト。自分もよく眠れる方法を試しているので毎日快眠らしい。
甘い食べ物が大好き。
翠山 トワ
年齢・16歳 身長・142cm 誕生日・11月6日
少々生意気な高校生。初対面にも堂々とタメ口で接する。
周りには隠しているが、本当は怖がりな面があるらしい。
中山 メイ
年齢・20歳 身長・159cm 誕生日・8月26日
極めておとなしい性格のパティシエ。誰にでも平等に接する博愛精神を持つ。
悪いと思ったことには注意することができる正義感も併せ持っている。
葛城 シンイチ
年齢・35歳 身長・179cm 誕生日・3月10日
飄々とした性格の懐石料理店従業員。縁側で日差しを浴びてお茶を飲みながらぼーっとするのが老後の夢らしい。
元教師で、勉学はかなり豊富。
黒橋 カレン
年齢・29歳 身長・170cm 誕生日・8月4日
クールながらもマイペースな元保育士。今はグッズデザイナーを勤めている。
可愛いぬいぐるみの収集が趣味で、自宅には集めたぬいぐるみで溢れかえっているらしい。
とりあえず、ゲーム参加者の紹介は終わりました。
次回からまた本編を進めたいと思います。
- Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.5 )
- 日時: 2023/11/12 15:59
- 名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: GNo3f39m)
『恐怖のゲーム』
____________________
ウルフ「それでは...。今から、狼ゲームを始める。」
すると突然、目の前にカードが配られた。
ウルフ「さあ。カードを一枚選べ。」
メリー「みなさんの命を左右する大切なカードです...。」
ユキナリ「(命を左右する?あいつは一体何を言ってるんだ?)」
みんなは困惑しながらもカードを引いた。
ユキナリの引いたカードは...。
ユキナリ「(これは...羊...?)」
ユキナリの引いたカードの中央には、羊の顔があった。
ウルフ「今、お前たちに配ったカードには2種類ある。羊のカードと、狼のカードだ。突然だが、狼のカードを引いたモノは...。羊を1匹●せ。」
ウルフの口から、衝撃の言葉が発せられた...。
タクヤ「●せ...だと?」
カレン「...冗談、だよな...?」
メリー「いえ、冗談抜きです...。」
ウルフ「そして、狼が羊を●した12時間後に狼裁判を開く。そこではお前らに誰が狼なのかを推理してもらう。そして、誰か一人を選んで処刑しろ。無事、狼を処刑することができたら羊側の勝利。この建物から出るための脱出の扉が開く。」
シンイチ「ふむ、つまりは狼になった者は、生き残るためにバレないように羊を●す。羊側は、狼を見抜いて脱出の扉を開く...ということだな?」
ウルフ「その通り。オマエたちは、お互いの命をかけて脱出を目指すんだ。」
ウルフから大まかなルールが説明されたところで、メイが質問のために割って入った。
メイ「もし...狼が羊を●さなかったら...?」
ウルフ「その場合は命令違反として、狼は無条件に処刑される。」
ミホ「そ、そんな...。」
羊は狼に●される恐怖、狼は正体を突き止められて処刑される恐怖。
どちらにも救いなどほとんどないということに、参加者は全員絶句した。
ウルフ「これで全ての説明が終了だ。
そういうと、メリーとウルフはいなくなってしまった。
コタロウ「チッ...ふざけたゲームッスね...。」
ユウヒ「い、い、いやだ...!!●されたくない...!!帰りたいよ...!!」
ネム「まあまあ落ち着いて〜。」
ヒロム「お前...逆になんで落ち着いていられるんだ...!」
周りが絶望と恐怖に満ちた顔をしている中、ネム一人だけ変に落ち着いている。
ネム「だって狼を処刑すればいいんでしょ?だったら今狼を探せばいいじゃん〜。はい、狼の人〜?」
ユキナリ「え、えっと...。」
タケオ「......。」
リツ「......。」
スミレ「......。」
ヒロシ「......。」
ネム「...あれ〜?」
当然、周りは黙り込んでいた。
コウ「当たり前だ...。狼かどうかを聞かれて素直に答える奴がどこにいる...。」
オサム「もう、騙し合いは始まっているってことですね...。」
カズサ「そうみたいだね...。」
チエ「......。」
タツヤ「......。」
誰も信用できなくなりそうなこの沈黙を、ミサキが破った。
ミサキ「ちょ、ちょっとみんな...!こ、こんな暗い雰囲気じゃあかんて!とりあえず、みんなで現状を整理した方がええんちゃう?」
アスナ「そ、そうだよ...!」
ダイゴ「だな。状況がわからんことには何もわからんしな...まずはこの部屋から出よう。」
ユキナリ「う、うん...。」
そう言ってユキナリ達はその部屋を出た。
その先には、さらに奇妙な部屋が続いていた。
ジュン「な、なんだここは...。」
メイ「不気味...。ちょっと怖い...。」
タケオ「ちょ、ちょっとみんな...俺の話を聞いてくれないか?さっきも言ったが俺は警察だ。君たちの安全は俺が守るから安心してくれ。」
不気味さが漂う雰囲気で、タケオはそう言った。
タクヤ「ああ、そういえばそうだったな...。」
マキ「警察の人がいるなら、安心ね...。」
アオリ「確かにそうね...。」
ユウト「でも、あんたが狼の可能性だってあるよね...。」
ショウマ「こういう時に突然仕切り出すなんて、怪しいな...。」
タケオ「な、なんだと...!」
カレン「では、狼じゃないという証明はできるのか?」
タケオ「お前ら...いい加減に...。」
早速雰囲気が険悪になった中、メイが口論を止めた。
メイ「喧嘩は...ダメ...。」
ダイゴ「あぁ。喧嘩してちゃ主催者の思うツボだ...。」
タケオ「チッ...。」
カレン「ふん...。」
ミサキ「み、みんな仲良くしようや!みんなで力を合わせたら、きっと出られるはず...!」
ヒロム「断る。自分を●しにくるかもしれん奴が紛れてる連中とは、仲良くなんてできん。」
ヒロムはミサキの考えをそう言って否定した。
ミサキ「えっ...。」
リツ「そういうフラグ立てる奴って早めに●ぬよねー。」
ミサキ「ふ、フラグ!?と、とにかく仲良くしようや!」
シンイチ「仲良くしようと言われても難しい...ヒロムの言うことも一理あるしな...。」
スミレ「まさか、本当に●そうなんて思ってないでしょ...。」
リンタロウ「でも、狼も羊を●さなければ処刑されるんだよね?」
コウ「まあ、あのふざけた人形の言うことが本当ならな...。」
チエ「じゃあ...やっぱり狼は...。本当に誰かを●そうとしてくる...かも...。」
ユウヒ「い、いやだ...!!●にたくない...!!助けて...!!!」
ミホ「お、落ち着いて...!!」
ユウヒ「落ち着いてなんかいられませんよ...!!狼の人がいつ襲いにくるかもわからないのに...!!」
いつ誰が●されてもおかしくないこの状況、場の雰囲気はさらに悪くなっていった。
ダイゴ「こうしててもどうにもならねぇ。ちょいと建物の中を探索してみようぜ。」
リンタロウ「そうだね♪探索楽しそう♪」
マキ「それなら、単独で動くのは危険よ。それぞれグループになって、探索エリアも分担しましょ。」
コタロウ「その方がいいッスね...。」
ユキナリ達はそれぞれグループに分かれ、建物の内部を探索することにした。
Aグループ・リンタロウ、ネム、サトル、リツ、アスナ
Aグループはキッチンを調べていた。
ネム「わぁ〜、食べ物や飲み物がたくさんあるよ〜。」
アスナ「なんか、何日でもやると言わんばかりに多いね...。」
サトル「とにかく、飲食の心配はなさそうだね...。」
リンタロウ「生活するには困らないね♪」
リツ「こんなとこで生活したくねーし!どこかに出口ねーのかよ...!」
Bグループ・ミサキ、チエ、ダイゴ、ユウト、カズサ
Bグループは武器・道具部屋を調べていた。
ダイゴ「おいおい...これ、本物っぽいぞ...。」
チエ「こ、これで●せとでもいうのでしょうか...。」
ユウト「間違い無いだろうね...。」
カズサ「本当に、●されるかもしれないね...。」
ミサキ「と、とりあえずここは気をつけた方がええな...。」
Cグループ・タケオ、コウ、オサム、ミホ、ジュン
Cグループは図書室を調べていた。
オサム「おや、ここは図書室のようですね...♪」
ジュン「ほう、レシピ本もあるのか。」
ミホ「あら、六法全書まで...。」
タケオ「図書室だけあって、いろんな本があるな...。」
コウ「ふん...特にこれといって気になるところはなさそうだな...。」
Dグループ・タクヤ、マキ、ユウヒ、ヒロム、スミレ
Dグループは植物室を調べていた。
スミレ「あら、綺麗なバラですね♪」
ヒロム「こんな部屋まであるのか...。」
タクヤ「ん?大きな水槽もあるぞ。」
ユウヒ「こ、これ...確かピラニアですよね...?」
マキ「あら、本当ね...。」
ヒロム「本当に不気味すぎる...さっさと脱出したいな...。」
Eグループ・ショウマ、メイ、タツヤ、アオリ、ヒロシ
Eグループは病室を調べていた。
ヒロシ「あ、救急箱がありますよ。」
アオリ「狼の奇襲で負傷しても、なんとか処置はできそうね...。」
ヒロシ「負傷で済めばいいんですがね...。」
メイ「ベッド...ふかふか...。」
ショウマ「寝るのにも困らなそうだな...。」
タツヤ「寝てる間に襲われるかもしれんがな...。」
Fグループ・ユキナリ、カレン、トワ、コタロウ、シンイチ
残るFグループは、教室を調べていた。
ユキナリ「こ、ここは...教室...?」
カレン「なぜ、教室が...。」
トワ「な、なんか不気味だな...。」
シンイチ「ふむ、窓があるが...固定されていて開かないな...。」
コタロウ「なんか、出られる場所はなさそうッスね...。」
その後、ユキナリ達五人は調べ続けるが、脱出できそうな場所は見つからなかった。
ユキナリ「(...ん?何か黒板に書かれてある...。)」
『羊たちへ。君たちは、本当の自分に気づいているか?』
ユキナリ「ど、どういう意味なんだ...?犯人は、俺たちに何かを伝えようとしているのか...?」
カレン「な、なんだこれは...!?」
ユキナリ「な、何か見つけたんですか!?」
トワ「これ...俺たちの写真じゃね...!?」
カレンは、ゲーム参加者のプライベート写真を見つけた。
シンイチ「かなりプライベートなところを撮られているな...。」
コタロウ「こんなとこ、見られたくねぇッス...。」
ユキナリ「こ、これって...盗撮写真じゃないか...!!」
シンイチ「ともかく、これはみんなに報告した方がいいな...。」
そして、各々探索を終えたグループは再びリビングに集まった。
タケオ「さあ、みんな何を見つけたか報告してほしい。」
ダイゴ「少なくとも、脱出できそうなところは見当たらなかったぜ...。」
リツ「結構探したから、見落としはねーと思うけど...。」
ネム「キッチンの冷蔵庫には食料と飲み物があったよ〜。」
チエ「私たちが探した2階にも、特に出られそうな場所はありませんでしたが...。」
カズサ「●すときに使えとでも言わんばかりに、いろんな武器や毒が置かれている部屋もあったよ...。」
カレン「3階にも出られそうな場所はなかった...。だが、気になるものが見つかった...。」
カレンは教室にて見つけた、参加者のプライベート写真を見せた。
マキ「こ、これ...私たちの写真じゃない...!」
ヒロシ「僕たち、いつの間に盗撮されてたんですか...!?」
ダイゴ「...こりゃあいよいよ、犯人のイタズラでしたじゃ済まないレベルになってきたな...。」
シンイチ「ああ...どこにも出られる場所がなかったし、どうやら犯人は本気で私たちに●し合いをさせるようだな...。」
●し合いが本気だったと知ると、参加者は皆、顔を顰めて黙りこくった。
タケオ「とりあえず、一番危険なのは武器庫だな...。そこから武器が持ち出されないように、俺は武器庫を見張ろうと思う。」
ヒロム「怪しいな...そう言って武器を手に入れるつもりか...?」
タケオ「ち、違う!本当に俺は、みんなの安全を考えてるだけだ!」
ダイゴ「だったら俺も見張るのを手伝うぜ。多い方が狼も近寄れないだろうからな。」
カレン「私も手伝おう...。」
ユウヒ「じ、じゃあ僕も...!」
さっきまで怯えていたユウヒも、突然声を上げて立候補した。
ダイゴ「大丈夫か?怖いなら無理にやらなくてもいいぞ。」
ユウヒ「いえ、大丈夫です...。強そうな人たちと一緒にいれば安全かもって...。」
カレン「そっちか...まあ、単独行動よりは安全かもな。」
コウ「俺は単独で行動させてもらうぞ。」
ミサキ「そ、そんな!みんなでいた方が安全やん!」
コウ「信用できない奴と一緒にいる方が危険だ。自分の身は自分で守る。」
そういうとコウは一人、リビングを出て別の部屋に向かった。
ジュン「俺もあいつと同じだ。狼かもしれん奴らと一緒にいられん。」
ヒロム「俺もだ...。」
カズサ「ごめん、私も...。」
ユウト「僕も別の部屋でゲームしてくるよ...。」
そして単独行動派の者は皆、コウに続いてリビングを後にした。
ヒロシ「...結構、ドライですね...。」
それから数時間後...。
ユキナリ達は施設内をくまなく探したが、脱出できそうなところは見つからなかった...。
その後、探し疲れたユキナリは3階の大部屋で過ごしていた。
ユキナリ「はぁ...一体なんでこんなことに...。」
メイ「......。」
ユキナリ「な、なんか視線が...。」
メイはじーっと、イスに座って休んでいるユキナリを見つめていた。
ユキナリ「...な、なんか用...?」
メイ「...ねぇ...あなたは...誰が狼だと思う...?」
ユキナリ「えっ、き、急だね...うーん...ごめん、わからないや...。」
メイ「そっか...。」
メイの突拍子もない質問にユキナリは困惑しつつも答えた。
曖昧な答えだったが、メイは納得したようだ。
と、その時だった...。
「うわぁぁぁぁぁっ!!」
ユキナリ・メイ「!?」
ユキナリ「い、今のは...!?」
メイ「な、なんだろう...!?」
二人は耳を劈くような悲鳴を聞き、現場へと駆けて行った。
そしてその現場で、ついにその時が来たことを、知ることとなった...。
...続く。
- Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.6 )
- 日時: 2023/11/12 19:48
- 名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: GNo3f39m)
『最初の犠牲者』
____________________
悲鳴が聞こえたのは、武器庫の方からだった。
ユキナリ「ど、どうしました...!?」
ユウヒ「あ...あれ...!!」
ダイゴ「おいタケオさん!!おい!!しっかりしろ!!」
ユウヒが指を指す先には、出血多量でうつ伏せに倒れているタケオと、タケオを揺さぶって必死に呼びかけるダイゴと、タケオの容態を確認するサトルの姿があった。
ユキナリ「た、タケオさん...!?」
ダイゴ「さ、サトルさん...!タケオさんは...!?」
サトル「......。残念だが...もう、手遅れのようだね...。」
ミサキ「そ、そんな...!」
ヒロシ「まさか...本当に●されるなんて...!!」
とうとう最初の犠牲者が出てしまった。
それだけでも残りの参加者を十分すぎるぐらい戦慄させた。
すると突然、メリーが姿を現した。
メリー「ど、どうやら狼が羊を●したようですね...!」
ユキナリ「うわっ!び、びっくりした...!」
メリー「そ、それでは、ルールに従い今から12時間後に狼裁判を開廷します!その間に狼が誰なのか推理してくださいね...!」
そう言うと、メリーは再び姿を消した。
カレン「ま、まさか...本当に...。」
シンイチ「ふむ...●害現場は武器庫...●されたのはタケオさん...犯人はあの三人の中にいる可能性が高いな。」
コウ「ありえるな...。」
周りの視線は、タケオと共に武器庫の見張りをしていたダイゴ、カレン、ユウヒの三人に向けられた。
ダイゴ「お、俺じゃねぇよ...!」
カレン「私でもない...!」
ユウヒ「ぼ、僕も違います...!」
シンイチ「残念だが、君たち以外の者がやったという証拠がない限りは、容疑は晴らすことはできないぞ。」
三人は違うと否定するが、シンイチの言葉であっさりと一蹴されてしまった。
ヒロム「まあいい...とにかく現場を調べよう...。」
ジュン「ほら、容疑者候補は邪魔だから別の部屋へ行ってろ。」
ジュンは三人に向けて手をシッシッと動かした。
ダイゴ「くっ...このやろう...!」
カレン「仕方ない、今は素直に従おう...。」
ユウヒ「うぅ...僕じゃないのに...。」
気分を害した三人は足早に現場を出て別の部屋へと向かった。
メイ「そんな言い方ないよ...。」
ユキナリ「そ、そうですよ...。」
ジュン「悪く思うな...誤魔化すために現場を荒らされちゃたまらんからな...。」
ユキナリ「(俺も、狼が誰かを突き止めるために調査してみよう...まずは...あの三人にその時の状況を聞いてみるか...。)」
ユキナリはまず、ダイゴから話を聞くことにした。
ダイゴ「...くそっ...!!」
ユキナリ「な、なんかすごくイライラしてるみたいだ...。まあ、無理もないよね...。」
ダイゴはリビングのソファに座って、イライラしている様子で頭を掻きながら貧乏ゆすりをしていた。
ユキナリ「あ、あの...ダイゴさん...。」
ダイゴ「なんだよ...!?」
ユキナリ「ひっ...と、突然で、すみませんが...タケオさんの遺体を発見した時の状況を聞かせてくれませんか...?」
ダイゴ「お、お前...俺を信じてくれるのか...?」
ユキナリ「え、えぇ、まあ...。」
ダイゴ「あ、ありがとうユキナリィィ!」
ユキナリ「ぐぇっ、ぐ、ぐるじぃ...。」
ダイゴは信用してくれる人が現れた喜びで涙を流しながらユキナリに強めに抱きついた。
ダイゴ「俺たち四人で警備してる時に、ユウヒが突然ゴキブリに驚いて一目散に逃げて行って、その後をカレンさんが追いかけて行ってな...で、俺とタケオさんがそれを確認したら、ただの玩具でさ。」
ユキナリ「ん?玩具のゴキブリ...?」
ダイゴ「ああ。本物なら自然だが、玩具なんて不自然にも程があるだろ?」
ユキナリ「た、確かに...玩具だったら、誰かが動かす必要がありますからね...。」
ダイゴ「それを使ったやつが、誰かが武器庫にいる俺たちを分散して、その間に残ったタケオさんを●したかもしれねぇんだ。」
ユキナリ「なるほど...確かにそれなら、辻褄が合いますね...。」
ダイゴ「だろ?でもなぁ、一番肝心なのは誰がやったってことなんだよな...。」
ダイゴとユキナリは誰の仕業か結局わからず、頭を抱えて悩んだ。
すると、ユキナリはあることに気付いた。
ユキナリ「あれ...ダイゴさんとタケオさんはそれからどうしたんですか...?」
ダイゴ「あぁ、呼び戻すのも面倒だからそのまま見張りを続けたけど...あ、そういえばヒロシさんが俺とタケオさんに差し入れにとコーヒーを持ってきて、喜んで俺たちは飲んだんだけど...俺がそのしばらく後になぜか腹壊しちまってさ、タケオさんに後を任せてトイレに駆け込んだよ。多分その間にタケオさんは●害されたんだと思うぜ。」
ユキナリ「な、なるほど...。」
ダイゴ「ま、念の為ユウヒやカレンさんにも確認してくれねぇか?俺たち三人のアリバイを合わせりゃ、疑いも晴れるかもしれねぇし。」
ユキナリ「わ、わかりました...。」
ユキナリは一度ダイゴと別れ、ユウヒとカレンにも話を聞くことにした。
カレン「......。」
ユキナリ「あ、カレンさんだ...。」
次にユキナリが見つけたのはカレン。
カレンは大部屋のイスに座って顔を暗くしていた。
カレン「...私に何か用か...?」
ユキナリ「は、はい。実は...。」
ユキナリはついさっきダイゴに聞いたことをカレンに説明した。
カレン「あぁ、逃げたユウヒを追いかけたのは事実だ。」
ユキナリ「そ、そうだったんですね...。」
カレン「...にしても玩具のゴキブリだったのか...全く、子どもみたいな手段だな...。」
ユキナリ「俺もそう思います...。」
そう言ったユキナリは、今度はユウヒに話を聞こうとしたが...。
ユキナリ「あれ...そういえば、ユウヒ君はどこに...?」
カレン「武器庫を出て別れてから、それきり見てないが...。」
ユキナリ「そ、そうですか...ありがとうございます...。」
カレン「まあ、あの臆病さだ...きっとどこかに隠れているんじゃないか...?」
ユキナリ「な、なるほど...確かに...。」
そう言うとユキナリはカレンとも一度別れ、ユウヒを探すことにした。
ユキナリ「うーん...。ユウヒ君...どこにいるんだろう...?」
ユキナリはユウヒを探すべく廊下を歩いていた。
すると、どこからか泣き声が聞こえた。
「うっ...うぅ...。」
ユキナリ「ん...泣き声...?」
その泣き声は、今ユキナリが通り過ぎようとした物置から聞こえてきた。
ユキナリ「だ、誰だろう...?」
ユキナリは声の主を確認するために、物置の扉を開けて中に足を踏み入れた。
ユキナリ「あっ...!」
ネム「ユウヒ君〜、大丈夫〜?」
ユウヒ「だ、大丈夫なんかじゃありませんよ...。僕じゃないのに、言いがかりもいいとこですよ...!」
チエ「お、落ち着いてください...。」
そこには、体育座りをして組んだ腕の中に蹲って泣いているユウヒと、彼を慰めるネムとチエの姿があった。
ユキナリ「こ、ここにいた...。」
ネム「あ、ユキナリ君だ〜。」
チエ「あ、ど、どうも...。」
ユウヒ「っ...ぅ...。」
ユウヒは泣きじゃくって聞くに聞けない状態だが、真犯人を突き止めるためにユキナリは聞くしかなかった。
ユキナリ「ね、ねぇ、ユウヒ君...。」
ユウヒ「な、なんですか...。」
ユキナリ「...ダイゴさんやカレンさんから聞いたんだけど、警備してる時にゴキブリを見たのは...本当...?」
ユウヒ「...そ、そうですが...。」
チエ「ど、どういうことですか...?」
ユキナリ「実は...。」
ユキナリはダイゴとカレンから聞いたことを、三人に説明した。
ネム「なるほど〜、チンパンジーは別の人なんだね〜。」
チエ「あの、それを言うなら"真犯人"ですよ...。」
ユキナリ「だから、今度は真犯人の証拠を集めていこうと思うんです。」
チエ「そ、そうなんですね...。だったら、私たちにもお手伝いさせてください。」
ユキナリ「え、いいんですか...?」
ネム「いいよ〜。三人が犯人じゃないってわかった今、やることはそれ一つだからね〜。」
ユウヒ「ぼ、僕も...真犯人の尻尾を掴みたいです...!」
ユキナリ「あ、ありがとうございます...!」
一致団結した四人は物置を後にして真実を突き止めるべく、再び現場へと捜査をしに向かった。
ユウヒ「あ、あの...ユキナリさん...。」
ユキナリ「ん?どうしたの?」
ユウヒ「その...僕を信じて、話を聞いてくれて...ありがとうございます...。」
ユキナリ「ううん、気にしないで。」
そう言ってユキナリは、ユウヒの頭をそっと優しく撫でた。
そして、現場にたどり着いた四人は探索を始めた。
シンイチ「ん?何の用かな?」
ユキナリ「俺たちも、真犯人を突き止めるために現場を捜査しようと思って...。」
ネム「そうそう〜。」
ジュン「ふん、構わんが...お前だけは何にも触るなよ。」
ユウヒ「わ、わかりました...。」
ジュンはユウヒにそう釘を刺した。
ユキナリ「本当の狼を突き止めるに、証拠を集めないとね...。」
チエ「ええ、タケオさんの遺体や現場を、くまなく調べてみましょう...。」
ユウヒとタケオ以外の武器庫にいる人物は皆、タケオの遺体や武器庫に証拠が残っていないか探し始めた。
すると、ユキナリは気になる物を二つ見つけた。
ユキナリ「(なんだろう、これは...やけに重いな...。)」
ユキナリはタケオの近くに落ちていた黒いカード入れを見つけた。そして...。
ユキナリ「(...これは...血...?靴の裏の形をしているけど...。)」
今度は靴の裏の形をした血の跡を見つけた。
その跡は、武器庫の出入り口まで続いていた。
ユキナリ「(もしかして...犯人の足跡...?念の為覚えておこう...。)」
それから数分後、各々見つけた物や気づいたことを出し合っていた。
シンイチ「ふむ、他に目立った痕跡はないことから...彼は後ろから首を刺されて●んだようだな。」
ユキナリ「でも...どうやってタケオさんの隙をついて後ろから奇襲したんでしょう...?警備してたのなら、ここのサバイバルナイフは使えないはずですし...。」
ジュン「確かに...だが俺が調べたところ、あそこに掛けてあるナイフは、一本無くなっていたぞ...。」
ネム「むぅ〜、じゃあどうやってタケオさんの警備を潜り抜けたんだろうね〜?」
チエ「あ、そういえば...タケオさんの近くに、こんなものが...。」
そう言うとチエはいくつか食べかけの食料入ったビニール袋を差し出した。
ネム「わぁ、食べ物だ〜。」
チエ「あの...私が思うに、きっとタケオさんが食べるのに夢中になっている間に、隙をついてナイフを手に入れ、そのままタケオさんを●害したのかと...。」
シンイチ「なるほど...可能性はあるな。」
ユキナリ「あ、そういえば俺も、こんなのを見つけたんですが...。」
ユキナリは先ほど見つけた黒いカード入れを出した。
ジュンはそれを手に取り、中身を確認した。
ジュン「これは...名刺入れだな。」
ネム「もしかして、狼の人が落としたやつかな〜?」
ジュン「かもしれないな。」
ユキナリ「それからもう一つ、気になるものが...。」
ユキナリは床に残っている血でできた靴の跡を皆に見せた。
ユウヒ「これは...犯人の足跡でしょうか...?」
チエ「かもしれませんね...。」
ユキナリ「この跡を辿っていけば、何か掴めるかも...。」
シンイチ「よし、この部屋から出てどこに向かっているか、辿ってみよう。」
七人は武器庫の外に続いている足跡を辿って、その先にある真実を知るために廊下を歩き始めた...。
...続く。
- Re: 狼ゲーム アナザーストーリー ( No.7 )
- 日時: 2023/11/13 11:08
- 名前: プリズム ◆59OUQ9cTJw (ID: GNo3f39m)
『第一回狼裁判』
____________________
ユキナリ達七人は、廊下に残っている血の跡を辿っていた。
ユキナリ「...どこまで続いているんでしょう...。」
シンイチ「だいぶたどり続けてるが...まだなのだろうか...。」
チエ「あ、足跡はここに入ってますね...。」
血の跡は、扉の向こうに続いていた。
そこは、トイレ・シャワールームだった。
ジュン「ここはトイレとシャワーと風呂の部屋だったな...。」
ネム「あ、僕わかったかも〜。」
ジュン「ん、なにがだ?」
ネムが何かに気づいたらしい。
五人はネムの言葉に耳を傾けた。
ネム「もしかしたら狼の人はうっかりタケオさんの血溜まりを踏んじゃって、ここで証拠隠滅のために靴の裏についた血を洗い流そうとしたんじゃないかな〜。」
ユウヒ「なるほど...そうかもしれません...。」
ユキナリ「よし...調べるために、入ってみましょう...。」
ユキナリ達はトイレ・シャワールームの扉を開け、調べるために内部に入ろうとした、が...。
トワ「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
チエ「キャーーーーーッ!?」
なんとタイミング悪く、シャワーを浴び終えたばかりのトワが下着を穿いている途中のところに出会してしまった。
ユキナリ「ご、ごめんトワ君...!き、気づかなかった...!」
トワ「い、いいよ別に...ってか早く外出ろよ!人が服着てるとこジロジロ見るな!!」
シンイチ「わ、悪かったね...。」
数分後、トワが服を着終わったため、再びユキナリ達はトイレ・シャワールームに入った。
ジュン「で、お前はどうしてシャワーを浴びていたんだ?」
トワ「あぁ、ちょっと今の状況に不安が募ってきてね...。」
チエ「す、すみません...覗くつもりはなかったんです...。」
トワ「もう気にしてないよ。」
ユキナリ「(うーん...血の足跡を辿って着いた先がトイレ・シャワールーム...そしてそこでトワ君がシャワーを浴びていた...。もしかして...トワ君が狼...?でも、証拠がこれだけじゃまだ確証は持てないな...。)」
と、その時...。
メリー「12時間経ちましたので、狼裁判を行います...!参加者の皆さんは集まってください...!」
ユキナリ「(い、いよいよか...でも、まだ証拠が足りない...。なんとか乗り切るしかないか...。)」
そして生存者は皆、狼裁判が行われる法廷のような場所に集まった。
メリー「そ、それではみなさん!全員揃いましたね?い、今から狼裁判を開廷いたします...!」
コウ「本当にやるんだな...。」
オサム「今は、従うしかありません...。」
メイ「もう...電気はイヤ...。」
当然生存者は皆乗り気ではないが、気にせずメリーは続けた。
メリー「お、狼裁判ではみなさんに狼が誰なのかを推理してもらいます...!そして、狼を一人選んで処刑してください!」
スミレ「ということは、今から確実に誰か一人が●ぬということですね...。」
コタロウ「マジっすか...。」
メリー「その通りです!そして、見事狼を処刑できれば脱出への扉が開かれます!みなさんの名推理を期待しますよ!それでは第一回狼裁判の開廷です!」
第一回狼裁判、開廷...!
タツヤ「まずは、状況を整理しよう。」
アスナ「確か昨日の夜、武器庫でタケオさんが血を流して●亡しているのが発見されたよね。」
シンイチ「私が遺体を詳しく調べたところ、●因は首を後ろから刃物のような物で、刺されたことによる出血多量で間違いないだろう。」
ユウト「そして、武器庫を見張ってた残りの三人が容疑者の名に挙がってたよね...。」
ダイゴ「だ、だから俺たちじゃねぇって...!!」
リツ「そーやってムキになってるのがより怪しーな?」
確かにダイゴ達は犯行をしていない。
だが、本人達とユキナリ、チエ、ネム以外は事情を知らないため、なおも一蹴した。
すると、三人のアリバイを把握しているユキナリが割って入った。
ユキナリ「そ、そのことなんだけど...ダイゴさん達は、狼じゃありません...。」
ショウマ「はぁ?ユキナリ君何言ってんだ...?」
アオリ「三人が狼でないと証明できるものはあるの...?」
ユキナリ「はい...実は俺、三人から当時の状況を聞きました。」
四人で武器庫を見張ってた時、ユウヒが玩具のゴキブリに驚いて一目散に逃げて行き、その後をカレンが追いかけたこと、そして、ダイゴが体調を崩してトイレに駆け込み、三人が戻ってくるまでタケオが一人で見張っていた時に狼に襲われた可能性があること、それら全てをユキナリは皆に証言した。
リンタロウ「なるほど...それが本当なら、三人がタケオさんを襲うなんてできないね♪」
ミサキ「でも、それだけじゃ狼はまだわからへんな...。」
ジュン「それなら、かなり有力な証拠がある。」
カズサ「有力な証拠?」
ジュン「ああ、実は現場には血でできた足跡が残されていてな、それが現場の外に続いていて、それを辿った先にトイレ・シャワールームがあった。」
ネム「狼の人はうっかり血で足跡を作っちゃって、靴の裏についた血を洗い流すために、シャワールームに行った可能性があるんだ〜。」
オサム「なるほど...確かにかなり有力ですね...。」
ユキナリ「そして...俺たちがたどり着いたシャワールームには、トワ君がいたんだ...。」
ミホ「じゃあ、狼はトワ君ってこと...?」
トワ「はぁ!?ち、違うよ!!」
トワはあらぬ誤解をかけられたため、必死に否定するが皆の目つきは変わらない。
タクヤ「だったら、お前じゃないって証拠はあるのか...?」
トワ「えっ...。」
タクヤにそう聞かれたトワは言葉を失った。
マキ「トワ君、どうなの...?」
トワ「証拠は...ない...。」
サトル「ないなら...狼は君かもしれないね...。」
トワ「ち、違うってば...!!」
トワは皆に問い詰められ、次第に涙目になっていった。
ユキナリ「(...本当に、狼はトワ君なのかな...?)」
ユキナリは心の中でそう呟くと、記憶の中に見逃しているものはないか探し始めた。
そして、それを見つけたようだ。
ユキナリ「...いや、トワ君は狼じゃないかもしれない...。」
コウ「ほう...ならばそれを証明してみせろ。」
ユキナリ「はい...。トワ君、靴を片方だけでいいから、貸してもらえないかな...?」
トワ「...俺の無実が証明できるなら...。」
ユキナリ「ありがとう...。」
ユキナリは、トワから借りた靴をまじまじと観察し始めた。
ユキナリ「...やっぱり...そうだったんだ...。」
メイ「どういうこと...?」
ユキナリ「トワ君はやっぱり狼じゃない...!」
コタロウ「説明してくださいっす...。」
ユキナリ「実は念の為、足跡を写真に撮っていたんですが...よく見てみてください。」
皆が写真とトワの靴を見比べると、あることが判明した。
リンタロウ「トワ君の靴の裏と写真の足跡、全然違うね♪」
ジュン「本当だ...それに、俺たちが足跡を初めて見つけた時、たまたまトワがシャワーを浴びてた可能性もあるが...。」
ヒロム「なら、トワは狼じゃないか...だが結局、狼はまだわからないままだな...。」
ユウヒ「そういえばユキナリさん...現場で名刺入れを拾ったんでしたよね...?」
ユキナリ「そういえば...。」
ユウヒにそう聞かれたユキナリは現場で拾った名刺入れを取り出した。
ユキナリ「あの、現場にはこれが落ちていて...。」
ヒロシ「ああっ!それ、僕の名刺入れです!」
ユキナリ「ヒロシさんのだったんだ...。」
ヒロシ「いやー、ありがとうございます!」
ユキナリ「ど、どういたしま...。」
コウ「ちょっと待て。」
ヒロシがユキナリが拾った名刺入れを受け取ろうとしたが、それをコウが静止した。
コウ「ヒロシさん...なぜあんたの名刺入れが現場に落ちていたんだ?」
ヒロシ「えっ!?な、なぜって...。み、みんなで現場を見た時に落としてしまったんだと思います...!」
スミレ「あの...ヒロシさんって現場を廊下の方から眺めて、そのまま別の部屋に行ったんじゃ...?」
ヒロシ「えっ!?そ、そうでしたっけ...?」
ヒロシの発言に若干の焦りが見えてきていた。
メイ「あれ...?」
ユキナリ「ん、メイさんどうしたの...?」
メイ「ヒロシさんの...ズボンのポッケ...。」
ヒロシ「え?」
メイの指摘通り皆がヒロシのズボンのポケットを見ると、妙な膨らみがあった。
チエ「な、なんでしょう...妙に膨らんでいますね...。」
メイ「中身...見せて...。」
ヒロシ「え、えっと...。」
ユウト「まどろっこしいから無理やり見ちゃえば...?」
ショウマ「だな。ヒロシさん、ちょっと失礼するぞ。」
ヒロシ「あっ...!ちょ、ダメ...!」
ショウマとタクヤが無理やりポケットから取り出すと、とんでもない物が出てきた。
ダイゴ「これは...サバイバルナイフ!しかも血がついてるぞ...!」
カレン「こっちは玩具のゴキブリ...。」
ユウヒ「あっ...!それ、僕が武器庫で見たのと同じです...!」
シンイチ「ふむ...一気に疑惑が傾いたな。」
ヒロシ「ち、違うんです...!あっ、きっと僕がシャワーを浴びてる時に狼がズボンのポケットに忍ばせたんですよ...!それで、僕に疑惑が向くように、その時に名刺入れを持ち出して現場に置いていったんだと思います...!」
ヒロシは必死に自分の考えを訴えるが、まるで信じてもらえていない雰囲気だった。
リツ「うわ、見苦しー。」
ヒロシ「じ、じゃあ逆に聞きますけど...?それだけじゃ僕が狼なんて断定できませんよね...?」
スミレ「どういうことですか...?」
ヒロシ「だって、ダイゴさん達に急用ができて場所を離れたってタケオさんが残ってるんですよ?そしたらどうやってサバイバルナイフを手に入れるんですかね...?」
チエ「あ、それなら...。」
ヒロシが必死に抵抗するが、チエは思い出したかのように食べ物の入ったビニール袋を取り出した。
チエ「これ、現場に落ちてたんですけど...。」
マキ「あら、食べかけの食べ物がいっぱいね。」
チエ「私が思うに...ヒロシさんは差し入れとしてこれをタケオさんに渡して、食べ物に注意を惹きつけている間にサバイバルナイフを手に入れて...そのままタケオさんを襲ったんだと思います...。」
コタロウ「なるほど...可能性大っすね...。」
チエの推理にヒロシ以外は納得していた。
ヒロシ「...い、いい加減にしろよテメェら...!!!」
リツ「うわっ!ぎ、逆ギレだ!」
トワ「こ、怖い...!」
すると、途端にヒロシが態度を一変させ、声を張り上げた。
ヒロシ「さっきから一方的に俺が狼って決めつけやがって...!!そんな方法、誰だって思いつくんじゃねぇのかよ...!?えぇ!?」
ネム「むぅ〜、確かに。これなら僕でもできるしね〜。あっ、そういえば...。」
すると、ネムも思い出したかのようにポケットから何かを取り出した。
ネム「病室にこんなのが落ちてた〜。」
サトル「ふむ...これは下剤のようだね...。おや...しかもいくつか使ってある形跡が...。」
ダイゴ「あっ!もしかして...!」
ダイゴが何かに気づいたようだ。
ダイゴ「ヒロシさん...あんた、俺のコーヒーに下剤盛っただろ?」
ヒロシ「!!ななななな、なんのことだよ...!?」
ミサキ「どういうことなん...?」
ダイゴ「俺とタケオさんで見張ってた時間があったって言ったよな、その時にヒロシさんが俺たちにコーヒーを差し入れに来たんだ。」
ヒロシ「!!」
ダイゴ「ゲームが始まってからコーヒーしか飲んでない俺が、いきなり腹壊すなんておかしいと思ったぜ。でも、下剤入りコーヒーを飲ますのはどっちでも良かったんだよな?そして、残ったもう片方に時間差で食べ物を差し入れて、その間に武器を手に入れて、流れで奇襲を図った...だよな?」
ユウヒ「じゃあ、ゴキブリで僕を脅かしたのも...!」
カレン「見張り組を分散させるための作戦だったんだな...。」
ヒロシ「!!!!!」
三人の推理はピタリだったようで、ヒロシはかなり動揺した。
ユキナリ「じゃあ、やっぱり狼はヒロシさんなんだね...。」
ヒロシ「ち、違います...僕じゃありません...!信じてください...!!!」
ヒロム「もう諦めろ。狼はあんたで間違いない。」
ヒロムの言葉にヒロシ以外が頷く中、メリーが場を仕切り始めた。
メリー「そ、それではみなさん...今回の処刑対象は"三浦ヒロシ"でいいですか?」
ユキナリ「はい...。」
シンイチ「異論はないよ。」
カレン「異議なし...。」
ヒロシ「そ、そんな...!み、ミホさん!!あなた弁護士なんでしょ!?ここ法廷なんだから僕の弁護をしてくださいよ...!」
ミホ「...ごめんなさい...。」
ヒロシ「......!」
ミホに拒否されたヒロシは、顔色を変えて絶望した。
リツ「都合のいいやつだな...。」
ウルフ「それでは、これより三浦ヒロシの処刑を行う...。」
メリー「サラリーマンのヒロシさんには、サラリーマンらしい処刑法を用意したので、ぜひ楽しんでください!」
ヒロシ「た、楽しめるかぁぁぁぁぁぁっ!!」
ヒロシは抵抗虚しく、メリーとウルフに処刑場へと無理やり連れて行かれた。
メリー「それでは、処刑を開始します!」
ヒロシ「い、いやだぁぁぁぁぁぁぁ...!!やめてくれぇぇぇぇぇぇ!!」
『それでは処刑を始めます』
ヒロシは胴体と足をイスに縛り付けられ、立つことができない状態にされた。
そして、彼の目の前にある机に仕事で使われるような資料が山積みになっている。
『仕事を全て終えたら生き残れるぞ』
ウルフにそう唆されたヒロシは、助かるために無我夢中で仕事をこなし始めた。
ヒロシは目の前にある資料を全て片付け、ホッとした束の間...。
彼の机に、新たな仕事の資料が追加された。
『......!?』
そう、ウルフは机の上にある資料で全てとは一言とも言っていない。
ヒロシは動揺しつつ再び無我夢中で仕事をこなし始めるも、今度は仕事の途中で次々と資料が追加されていった。
...やがて、上の方の資料がもはや見えないほど、いつのまにか山積みになっていた。
『う、うわぁぁぁぁぁぁっ...!!」
すると、積み上げられすぎた資料がバランスを崩し、バサバサとヒロシに向かって落ちていった。
ヒロシは数え切れない資料の山に押しつぶされ、窒息して息絶えた...。
『処刑完了』
小島タケオ・狼の犯行により●亡
三浦ヒロシ・処刑により●亡
生存者・残り28/30人
...続く。