二次創作小説(紙ほか)
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- キミト宙へ二次創作スレ
- 日時: 2023/11/20 23:06
- 名前: otasana (ID: fwxz9PQ9)
初めまして、otasanaと申します。
こちらは、キミト宙への二次創作スレッドです。
あくまで一個人の二次創作ですので、苦手な方合わない方はブラウザバックをお願いいたします。
気ままに書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
- Re: キミト宙へ二次創作スレ ( No.1 )
- 日時: 2023/11/20 23:08
- 名前: otasana (ID: fwxz9PQ9)
「ポップ、これ見て」
わたし、ファーミ・リィマはとなりの人物に声をかけた。
「これなに?」
「お菓子よ」
旅行雑誌を開いて、この土地のお土産のページをポップ・ランバートに見せる。
わたしはこの鳩の形をしたサブレーを食べたい。
今まで生きていてこのようなお菓子には出会ったことがない。
一目見て心を奪われるチャーミングなフォルム。
ベオカ・マートにも置けたらいいわね……絶対に。
「ポップも甘いものは好きでしょ。食べてみたくない?」
「食べたい」
「じゃあ決まりね」
わたしは雑誌をパタンと閉じる。
「というか、何か大事なことなかった?」
はて、なにかあったかしら?
「燃料補給しないと」
ああ、そうだった!
わたしたちが普段乗っている宇宙船、ベンリー二十四世号にはもちろん燃料が必要となるわけだけど……。
「ムラサキイモ」
「ムシィモよ。最初と最後の文字しか合ってないじゃない」
ちなみにムシィモは、いわゆるガソリンと同じようなものだ。
と、まあポップが真顔でボケたところで。
「朝食を取りに来たのに、まだお料理持ってきてなかったわね」
わたしとポップはホテル1階のラウンジにいる。
今は朝の7時。前日にフロントで貰った券をここへ持っていくと朝食を満喫できるというわけだ。
わたしたちが入ってきたときは誰もいなかったけど、ポップと話しているうちにちらほらと宿泊のお客さんが来ていた。
朝食はバイキング形式になっており、和洋中の料理にドリンクやスープにサラダもたくさん用意されている。
わたしとポップはさっそく料理を取りに行くことにした。
まずはサラダバー。瑞々しく新鮮な葉物の野菜が並んでいる。あ、ラディッシュもあるのね。取っておこう。
続いてはメインのおかず。
一番最初にわたしの目に飛び込んできたのはスクランブルエッグ。
すぐさまお皿へとよそう。そしてベーコンも一緒に。
やはり人気のおかずだからなのか、他に比べて量がかなり減っていた。
あら、黒酢あんかけ酢豚も美味しそうね。これも取っておこう。
そしてご飯を自動でよそってくれる機械にお茶碗を置く。
大……中盛にしておこうかな。
出来立ての味噌汁は長ねぎとお揚げがたっぷり入ったものだ。
最後にオレンジジュースをおぼんに乗せて席に戻った。
わたしの目の前には、おかずも量もいっぱいの料理が並んでいる。
いいわね……罪悪感なんてないわ。朝食バイキングなんてワクワクするじゃない。朝からたくさん食べないと元気に過ごせないもの。
そう思っていると、おぼんに料理を乗せたポップが席へ戻ってきくる。
まず最初に大盛りのカレーが目に入った。
「すごいわね〜。朝からそんなに食べれるの?」
「これくらいは全然いけるよ」
さすがは太陽の剣を持つだけあるわね。
ちらっとポップが持ってきた料理を見てみる。
「あれ? ポップ、ご飯は?」
「うん。ご飯はいいや」
よく見るとカレーの上にはレタスが山のように盛られている。
「……まあ、好みの問題ね」
わたしはご飯を食べることにした。
お米を一口食べると、甘みが口いっぱいに広がる。
とっても美味しいわねぇ〜。
朝からこんなに食べられるなんて幸せね。
お味噌汁を飲むとこれまた美味しさが増していく……けどちょっと味が薄いかしら?
まあ、朝だし……。
「はい」
と、ポップから差し出されたオレンジジュース。
「ありがとう」
さっそくわたしはストローをさしてゴクっと飲んだ。
これぞ正にオレンジジュース!
酸っぱさの中に甘みが広がっていて、まるで一日の始まりを思わせる爽やかな味。
思わずお茶碗をテーブルに置いて拍手したくなるくらい美味しかった。
そんなわたしを見てポップはニコニコと微笑んでいる。
「どうしたの?」
「だってさ、すごく美味しそうに食べるんだもん」
「なによそれ……」
まあ確かにさっきは大袈裟なリアクションしたかもしれないけど……。
なんだか、ちょっと恥ずかしいわねぇ。
ふとポップの顔を見てみると、彼の口元にご飯粒がついていることに気付いた。
「あら」と、わたしはテーブルにあるティッシュを取ろうとする。が、それよりも早くポップは親指で口元のご飯粒をひょいっと取ってしまった。
「ん?」
ポップは不思議そうに自分の指を見つめている。
「どうかしたの?」
「いや、なんかちょっと変な感じだった」
わたしは手に取ったティッシュでポップの口元を拭いてあげた。
「きれいになったわね」
「ありがとう」
まあ……そのくらい自分でやってほしいけど……。
わたしが口を拭ったって仕方ないものね。
むしろわたしが拭かない方が良かったかしら?
なんてことを思いながら、カレーを美味しそうに食べるポップを見て口元が緩むわたしであった。
- Re: キミト宙へ二次創作スレ ( No.2 )
- 日時: 2023/11/20 23:17
- 名前: otasana (ID: fwxz9PQ9)
「皆さん、おやつをお持ちしましたよぉ」
最新型家庭用お手伝いアンドロイド『メイドロイドール』であるナナさんが、15時のおやつをみんなに持ってきてくれた。
「ポップさん、どうぞぉ」
ぼく、ボップ・ランバートの前にはフルーツたっぷりの白玉あんみつと湯のみに入ったほうじ茶。
こんなに美味しそうなあんみつを初めてみたかもしれない。
ナナさんは料理の腕前が一流なのはもちろん。
掃除や洗濯など全ての家事を引き受けるすごい方なんだ。
それに……とても綺麗。
パリッと仕上がったメイド服も相まっていいよね……。
そんなことをひっそり思っていると、キッチンに戻ろうとしたナナさんがぼくのそばにやってきた。
「ポップさんの分だけ、多めに入っていまぁす。いっぱい食べてくださいね」
ぽくの耳元でそうささやくと、ナナさんはニッコリと笑ってキッチンへと戻っていく。
よく見てみると、メロンが2切れやあんこの量が多かったり確かにみんなのと比べたら明らかに違いがわかるボリューム感である。
白玉にいたっては倍ぐらいの大きさのモノがたくさん入っている。
もしかしたらフードファイターと勘違いされているかもしれないが、まあ違和感は感じているよ。
一緒のテーブルでファミとロロもあんみつを食べているけど、普通のサイズのあんみつだ。
美味しそうに食べていて話も弾んでいるから、こちらの大サイズあんみつには気づいていない模様。
ぼくもあんみつ食べよう。さくらんぼおいしい。
そういえばヤマザキは……ああ、自分の部屋にいるのかな多分。
あのボリュームたっぷりのあんみつを食べ終えたぼくはお風呂へと向かっていた。
脱衣所は広々としていて、コーヒー牛乳などの自販機や洗面台、体重計……など普通にスーパー銭湯並の設備だよね。
ぼくはさっと服を脱いでいく。
インナーシャツを脱ぎ終わったところで、ふと真横を見るとそこにはナナさんが立っていた。
ぼくの方を見るとニコッと笑う。
「どうぞぉ。お気になさらずに」
そんなことを言われてもね。
「洗濯物があるかと思ってぇ受け取りに来たのですよぉ」
それを聞いてなぜか頬がカッと熱くなる。
「こんな時間に洗濯をするの?」
「これも私のお役目ですのでぇ」
「……自分でやるからいいです」
「あら、そうでしたかぁ。残念です。では、私はお部屋の方に戻りますのでぇ」
そう言うと、ナナさんは軽く頭を下げてくるりと体を反転させた。
「せっかくですので、お背中を流しましょうかぁ?」
ぼくは光の速さでナナさんを脱衣所の外へと追い出した。
念のためカギも締めておく。
こんなことをしているうちに、お風呂に入る前に体が冷え切ってしまうよ。
でもなんであんなに親しげなのか。
ファミと接するのとはまた違う感じだ。
『残念』とか『せっかく』とかさぁ……。
ぼくは緊張でかたくなったのをほぐすため、熱々のお風呂へと向かうのだった。
- Re: キミト宙へ二次創作スレ ( No.3 )
- 日時: 2023/11/20 23:59
- 名前: otasana (ID: fwxz9PQ9)
ぼく、ポップ・ランバートは今深夜の国道沿いを歩いている。
まもなく午前1時だ。午後1時じゃない。
そして僕の前を歩いているのが、ローロ・ロ・ロッソン。ぼくたちはロロと呼んでいる。
とても小柄な女の子ではあるけど、今から焼肉食べ放題のお店に行くというのだ。
「こんな時間に食べるのか」
「いいじゃん、食べたかったんだから」
「こういうのは体重増加の元だ……」
「そう言いつつも一緒に来てるじゃん」
一人で行くのはさすがに危ないからだろう……。
深夜だし、どんな輩がいるかが分からないしね。
「そういうことにしておくよ」
「素直じゃないね〜」
後ろ向きで歩くロロは、ぼくの方を見て笑う。
この時間帯でしか許されない話をしながら歩いていると、煌々と光るお店が見えた。
国道沿いなのでまだやっているお店はちらほらあるけれども、ここは日中と変わらないぐらいの風貌である。
でも駐車場には車は止まっていないし、ちらっとお店の中を覗いても誰もいなさそうだ。
深夜だからこそ、よからぬ人々のたまり場かと思ったらそうでもないのか?
お店のドアを開けたロロに続いてぼくも中へと入っていく。
入ってすぐのレジカウンターには誰もいなかった。
代わりにあったのは、大きなタッチパネルと自動精算機があるのみ。
どうやら前払い式のようだ。
支払いが完了すると席番号が書かれたレシートが出てくる。
帰りは、そのレシートに一緒に載っているバーコードを自動精算機横のスキャナーにかざして退出というわけだ。
「深夜は割り増し料金みたいだ」
ぼくが指摘するよりも早く、ロロは受付を済ませ終えていた。
「見て、ナナさんの番号だよ」
「あら、本当ですねぇ」
「えっ……今のナナさんのモノマネ?」
「全然だったな……」
ぼくは急かすようにロロを7番の席へと行かせた。
席には10インチほどのタブレットが置いてある。
ここから料理を注文するみたいだ。
食べ放題のメニューはとても豊富。
お肉から野菜、サイドメニュー、デザートにドリンクと色々とある。
これだけ品数があって、深夜割り増し料金とはいえ安いな……。
まあ深夜に食べ放題にくる人もなかなかのものだけど。
とりあえずぼくとロロは、料理とドリンクをタブレットから一気に頼んだ。
ほどなくして、軽快なメロディと共にこちらに向かってくる動くモノ。
どうやら配膳ロボットのようだ。
全体の形は円筒状で、真ん中の部分に頼んだ料理が載っている。
引き戸のようになっているカバーもあり、衛生的にも配慮されているようだ。
ロボットに載った料理を取ると、配膳ロボットは軽快なメロディを流しながら戻っていった。
もしかしてこのお店はロボットだけで回しているのか?
まあそんなことはいいや。
ロボットが一生懸命料理を運んでくる姿は可愛らしくもある。
「「いただきます」」
ぼくとロロは届いた料理を食べながら、会話に花を咲かせた。
「明日は何をしようか」
「寝る?」
「何かもっと生産的なことをしないの?」
「寝ることも立派な仕事だよ」
「まあ、そうだな」
ロロはタブレットを操作しながら会話を続ける。
そうして楽しい時間は過ぎ、お店を出た頃には夜が明け始めていた。
船に帰ったときに、なぜかメインフロアには女性陣が……こたつで寝ていた。多分、寝たふりをしているのだろうけど。
その後、女性陣たちが起きてすこーしややこしい話になったのはこの船内だけの秘密の話……。
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