二次創作小説(紙ほか)
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- Fantasy Legends[東方×APEX]
- 日時: 2024/03/26 21:24
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
この小説は[東方Project]と[Apex Legends]のクロスオーバー小説です。
※注意
・微グロ描写あり
・オリキャラは出ません
・独自解釈あり
以上が注意点です。楽しんで!
プロローグ
広大な宇宙に広がる巨大な惑星群-フロンティア-。その遥か遠くに密集した小さな惑星群-アウトランズ-では超人気ゲームが開催されている。Apex Legends...その名の通り、数々の伝説級の戦士達が頂点を目指して死闘を繰り広げるゲームだ。人々は俺達の試合を観戦して楽しむのさ。その戦士達をレジェンドと呼び、人々は褒め称えた...特に俺。
俺達レジェンドは色々な理由があってこのゲームに参加したんだ。富や名声を...後は個人的な訳があってだな...おおっと、もう降下の時間か。説明は終わりだ。それにしても、俺のチームは高所恐怖症がいないから助かるぜ。
パスファインダー「ねぇ、ミラージュは誰と話してるの?」
ミラージュ「俺か?ああ、これはだな...観客に向けてさ観客に!ほら、ここにカメラがあるだろ?」
パスファインダー「本当だ!皆見てる?」
レイス「ほら、ふざけてないでミラージュ。アンタがジャンプマスターよ。」
ミラージュ「OKOK...それじゃ、ゲームスタートだぜ!」
- Re: Fantasy Legends 1 ( No.1 )
- 日時: 2024/03/26 22:32
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
プロローグ
広大な宇宙に広がる巨大な惑星群-フロンティア-。その遥か遠くに密集した小さな惑星群-アウトランズ-では超人気ゲームが開催されている。Apex Legends...その名の通り、数々の伝説級の戦士達が頂点を目指して死闘を繰り広げるゲームだ。人々は俺達の試合を観戦して楽しむのさ。その戦士達をレジェンドと呼び、人々は褒め称えた...特に俺。
俺達レジェンドは色々な理由があってこのゲームに参加したんだ。富や名声を...後は個人的な訳があってだな...おおっと、もう降下の時間か。説明は終わりだ。それにしても、俺のチームは高所恐怖症がいないから助かるぜ。
パスファインダー「ねぇ、ミラージュは誰と話してるの?」
ミラージュ「俺か?ああ、これはだな...観客に向けてさ観客に!ほら、ここにカメラがあるだろ?」
パスファインダー「本当だ!皆見てる?」
アナウンス「ドロップシップが目的地に到着。部隊の振り分けを行います。」
レジェンド達が集まるロビーの真ん中のスクリーンに部隊事にレジェンドが三人ずつ表示された。
ミラージュ「今回はパスファインダーとレイスか。頼もしいぜ。」
パスファインダー「チームを組むのは久々だね!降下が楽しみだよ!」
レイス「ミラージュ、アンタがジャンプマスターよ。」
ミラージュ「OKOK...それじゃ、ゲームスタートだぜ!」
-ワールズ・エッジ-
APEXは三人一組でチームを組み、最後に生き残ったチームのレジェンド達が勝利するサバイバルゲーム。現在、ミラージュ、パスファインダーとレイスの三人は火力発電所に着陸していた。
アナウンス「ラウンド1。リングのカウントダウンが始動。」
ミラージュ「ここはいつも熱いなぁ...おっ!リングがエピセンターの方じゃねえか。さっさと行って涼もうぜ?」
パスファインダー「僕もついて行くね!暑さとかは感じないけど。」
レイス「......」
ミラージュ「どうしたんだレイス?いつもなら集中しろとか、口を挟むだろ?」
レイス「誰かに見られている気がするのよ。」
パスファインダー「誰か?僕達の周りに敵部隊は降りていないよ?近くて500mだ。」
レイス「人間とかロボットの視線じゃない...何か、得体の知れない何かが...」
アナウンス「警告。リング閉鎖中。」
ミラージュ「まぁ気にすんな。リングは少し遠いし...急ごうぜ?」
レイス「それもそうね。」
-エピセンター-
ブラッドハウンド「...あっちに敵部隊がいる。」
コースティック「よく観察しろ。まだ気づかれていない。」
エピセンターの中央ではミラージュが一人でサプライボックスを漁っていた。
ミラージュ「バッテリーは二本か...後一本は持っておきたい所だな。」
コースティック「モルモットを一人、捕らえるとしよう。」
レヴナント「私が殺る。」
レヴナントがR-301を構えて、ミラージュの背後に忍び寄る。
レヴナント「私が-死-だ!」
その背中に銃口を押し当てて、引き金を引いた。
騙されたな!
レヴナント「何!?」
レヴナントが攻撃したのはデコイであった。騙された瞬間、レヴナントの意識はウイングマンの銃声と共に消えていった。
ミラージュ「一人仕留めたぜ...化けて出たりするなよ?俺はそういうのが嫌いなんだ。頼むぜ?」
しかし、レヴナントを倒したミラージュの後ろに二人。ブラッドハウンドとコースティックがいた。
コースティック「間抜けな奴め。一人倒して終わりだと...」
しかし、ミラージュ達の方が一枚上手であった。エピセンターの中央の高台に、パスファインダーとレイスが隠れていた。
ブラッドハウンド「待て、一人ではない!」
空中からレイス達が飛びかかり、コースティック達を奇襲した。ミラージュ達は一部隊壊滅させたのだ。
ミラージュ「部隊壊滅だ。幸先がいいぜ...で、視線は消えたか?」
レイス「えぇ、大丈夫...いや、別部隊がいるわ!」
ミラージュ「何だって!?」
レイス「後ろよ!」
ミラージュ達が振り向いた先には、エピセンターの外側から見下ろす人影が三人あった。
ヒューズ「マザーロードを投下ァ!」
ミラージュ達の周りを炎の壁が囲った。一緒にグレネードが投げ込まれる。
レイス「私がポータルを引く...」
シア「何もかもお見通しです。」
レイスとパスファインダーにシアのマイクロドローンが纏わりつき、アビリティが無効化されてしまった。
ミラージュ「やべえぞ、屋内に逃げろ!」
中央の室内へと三人は逃げ込み、作戦を練ろうとしていた。
マッドマギー「隠れても無駄さぁ!出てきな!」
マッドマギーがライオットドリルを扉に放とうとするが、横から飛んでくる弾丸によって阻害されてしまった。
ヒューズ「畜生!別部隊だ!」
リングの中央に位置するエピセンターはヒューズやミラージュの部隊の他に、銃声を聞きつけて数部隊接近していた。
パスファインダー「銃声が増えた。他の部隊もどんどん集まってるみたいだね!」
ミラージュ「どうする?炎は消えたが、銃声が鳴り止まない...」
レイス「もう居場所はバレている。逆の扉から出ましょう。」
三人は一斉に扉から出るが、別の部隊が上で待ち構えていた。近くのサプライボックスの裏へと隠れるが、射線は切れていない。数発喰らいながら別の物陰へ次々と移動し、レイスはミラージュ達の少し前に出て、様子を伺っていた。数部隊が合流した事で、エピセンターは銃声と爆発音が止まない混戦状態になっていた。
ボロボロになりながら、ミラージュとパスファインダーは敵部隊の攻撃を凌いでいた。
ミラージュ「危ねえ...レイスにポータルでも引いて貰おう...って、あるじゃねえか!」
ミラージュ達の背後には既にポータルが展開されていた。しかし、良く見ると気持ちの悪い眼の模様が入っている。だが、混戦状態でいつ攻撃されるかも分からない状況。ミラージュは一度撤退しようと考えていた。
ミラージュ「パスファインダー!行くぞ!」
ミラージュとパスファインダーはスキマの中へ、意気揚々と入っていった。その瞬間を見たレイスは自分のポータルでは無いと叫ぶが、その声はグレネードの音に掻き消されてしまった。
________
ミラージュ達が出たスキマは遥か上空に設置されていた。
ミラージュ「うわぁぁぁぁぁ!?」
腰に装備したジェットパックはすぐさま起動し、ミラージュが地面に激突する寸前で
ホバリングを開始し、幸い、怪我は無かった。パスファインダーも、近くの木にグラップルを引っ掛けて着地し、無傷であった。
ミラージュ「森?ここはワールズ・エッジ...じゃないのか?」
スキマを超えた先、二人は植物が生い茂る巨大な森にいた。
ミラージュ「げほっげほっ...これは茸の胞子か?気分が悪いぜ...」
パスファインダー「呼吸器系があるなら、口を閉じる事をオススメするよ!」
しばらく森の中を進んでいると、二人は小さな家にたどり着いた。今も人が住んでいそうだ。
ミラージュ「こんな森の中に良く住めるな。」
魔理沙「その言葉は聞き捨てならないぜ。魔法使いを舐めないでもらいたいな。」
二人の後ろには、金髪で白黒の服を着た少女が立っていた。
ミラージュ「え?いや...変わったセンスだと思ったんだよ。ほら、ちょっとした冗談だよ冗談。」
パスファインダー「名前はなんて言うのかな?」
魔理沙「私は霧雨魔理沙...この森に住む魔法使いの人間だぜ。」
ミラージュ「魔理沙か、よろしく頼むぜ。俺はエリオット...いや、長くなるな。ミラージュって呼んでくれ。」
パスファインダー「こんにちは、君を殺す事になるかもしれないパスファインダーだ。ハイタッチしようよ!」
魔理沙「殺す...?」
ミラージュ「あー...気にしなくて良いぜ。」
魔理沙「見た感じ外来人だな。迷いこんだのか?」
ミラージュ「あぁ、レイスのポータルだと思ったんだが。ここはワールズ・エッジじゃないよな?」
魔理沙「なんだそりゃ?ここは幻想郷だぜ。」
ミラージュ「げんそ...いや待て、この星の名前はなんだ?」
魔理沙「地球だけど。」
ミラージュ「......こりゃたまげた。」
続く...
- Re: Fantasy Legends 2 ( No.2 )
- 日時: 2024/03/27 21:23
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
ミラージュ「それで...幻想郷って、一体なんなんだよ?」
紫「私が答えてあげましょう。」
魔理沙の横からスキマを広げ、一人の妖怪が現れた。
ミラージュ「あの裂け目はお前が作ったのか!?」
紫「初めまして...私の名は八雲紫。この幻想郷を創造した妖怪よ。」
パスファインダー「妖怪って本当にいたの?今は伝承さえ残ってない筈だけど。」
紫「本当よ。まずは幻想郷の説明からね...」
外の世界と幻想郷を隔てるものは常識と非常識、現実と幻想だ。外の世界で忘れ去られたものや妖怪は結界を越えて、幻想郷へと誘われる。人間の他に神や妖怪達の住む楽園であるのだ。
ミラージュ「おいおい、待てよ...俺達は何年前に来ているんだ?」
紫「およそ800年くらい前だと思うわ。」
ミラージュ「800!?フロンティア戦争の前だぜ!?」
紫「この時代の人間達はまだ宇宙への移住計画は成功していない。今のところ、人間の活動は地球の中に留まっているわ。」
ミラージュ「それは良いとして...なんで俺達を過去に飛ばせたんだ?」
紫「私達妖怪は能力を持っているわ。能力を持つ人間も数人いるけど。私の能力は-境界を操る程度の能力-よ。スキマを通じて、過去と未来の境界をいじれば簡単よ。」
その言葉にミラージュが絶句していると、パスファインダーが質問を始めた。
パスファインダー「どうして僕達を未来から過去に連れてきたの?」
紫「幻想郷が壊滅する危機なのよ。」
ミラージュ「壊滅?ここは何百年も前の地球だろ?何と関係があるんだ。」
紫「私達は何千年と寿命を持つ妖怪...地球から人間が移住しても尚、私達は生き延びていたのよ。けれど...」
紫は深刻そうな表情を浮かべて、衝撃の一言を発した。
紫「幻想郷は貴方達の参加しているゲーム...そのゲームの新たな戦場として、遠い未来に選ばれるのよ。」
ミラージュ「ここがAPEXの戦場になるだと?冗談はよしてくれ。俺達は幻想郷が次の戦場だって知らされてないぞ?」
紫「未来や過去に干渉する時間は限度があるわ。大量のエネルギーを消費するからね...でも、私は確かに見たのよ。貴方達が戦っている今、未来の幻想郷は巨大な組織に開拓されている。」
草木の殆どが撤去されて、妖精は消滅し、残った妖怪達は秘密裏に殺されていってしまうと言う。そして、結界の破壊と同時に、戦場としての運用が始まるのだ。
ミラージュ「つまり、俺達にその幻想郷破壊を救って欲しいのか?」
紫「貴方達の事は長い間、監視していたわ。人間達が地球を捨てていったとしても、私達は見捨てない。」
ミラージュ「......まぁ、俺達のご先祖達が悪いって事だ。分かった。俺達が助けてやるぜ。文字通り、英雄になってやる。」
紫「感謝するわ。」
ミラージュ「それで...一旦未来に帰してもらえないか?」
紫「残念だけど、私の力は限界に達したわ。数日は待って欲しいけれど、いいかしら?」
ミラージュ「俺は大丈夫だぜ。」
パスファインダー「僕もだよ!」
紫「交渉成立ね...私は一旦消えるわよ。」
そう言って、紫は小さなスキマへと入っていった。スキマが消滅した所で魔理沙が声を上げた。
魔理沙「幻想郷が壊滅する...って、オッサン達は未来から来たのかよ!?」
ミラージュ「まぁな...ところで嬢ちゃんも能力とか持ってんのか?」
魔理沙「もちろんだぜ!私は魔力を操れるんだ。」
ミラージュ「へぇ、魔法か。炎を手から出したり出来るってわけか!」
魔理沙「出来るぜ。それにしても、未来にはこんなロボットがいるのか...」
パスファインダー「僕以外のロボットは殆ど喋らないけどね!」
ミラージュ「そうだ!せっかくだし、俺達の能力でも見ていきな!」
そう言って、ミラージュは肩に取り付けたホログラム装置を手で撫でる様に起動し、周りに自分の分身を作って見せた。
魔理沙「凄え!オッサンが増えた!」
ミラージュ「科学技術で作ったデコイさ。光学技術を駆使して、ホログラムを...幻って言った方が分かりやすいか。」
魔理沙「パスファインダーも何か出来るのか?」
パスファインダー「もちろん!僕の能力はこれさ!」
そう言って、パスファインダーは腕からグラップルを射出して、近くの高木に刺して、空中に飛んでみせた。
パスファインダー「グラップルでスイスイ移動出来るんだよ!ハイタッチ!」
魔理沙の横に着地すると、軽くハイタッチを交わした。パスファインダーの胴体パネルに笑顔のマークが表示されている。
ミラージュ「おっと、もう夕方じゃねえか...困ったな。」
魔理沙「寝床なら貸してやるぜ。そのホログラムって奴を教わりたいんだ。」
ミラージュ「ありがとよ。俺のとっておきのアドバイスをくれてやるぜ!」
そうして、三人は家の中へと入っていった。
-ワールズ・エッジ-
アナウンス「一部レジェンドの通信が途絶えています。上層部より、現在の試合が中止されました。レジェンド達はドロップシップへと帰還してください。」
ヒューズ「おいおい、アイツらはどこに行っちまったんだ?」
レイス「分からない。何かポータルに入ったとは聞いたけれど...」
マッドマギー「確かに私達はエピセンターの奥に追い詰めた。神隠しみたいだな。」
クリプト「そんな事あり得るか。全く、アイツは迷惑しかかけないのか?」
ミラージュとパスファインダーが突然消えた事で、ワールズ・エッジで戦闘していたレジェンド達は困惑していた。
続く...
- Re: Fantasy Legends 3 ( No.3 )
- 日時: 2024/04/05 21:26
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
-魔法の森-
幻想郷に来て3日が経った今、ミラージュ達は紫の言った通り数日間、幻想郷を満喫する事にしていた。夏の日差しが降り注ぐ森の中、ミラージュは近くの切り株に頭を寄せてのんびりと昼寝していた。
魔理沙「家の前で死体みたいに寝転がるのやめろって」
ミラージュ「俺は生きてるぜ。試合も当分出れないし、せっかくなら至福のひとときを味わっとかないとな。」
魔理沙「パスファインダーはどこだ?」
ミラージュ「あいつは妖怪とお友達になるとか言って消えたよ。妖怪なんて関わりたくないぜ。」
魔理沙「紫も妖怪だけどな...」
ミラージュと魔理沙が談笑していると、一人の少女が草木の中から現れた。
アリス「久しぶりね魔理沙。何してたの?」
魔理沙「アリス!数日前から外来人と一緒にいるんだぜ!」
アリス「貴方が外来人?」
ミラージュ「ミラージュって呼んでくれ。よろしくな。」
アリス「随分と厚手だけど...熱くないの?」
今の幻想郷は7月頃、夏真っ只中であった。
ミラージュ「この服は空調ついてんだ。ストームポイントもこれで過ごしたしな。あ、言っても分からねえか。」
ミラージュは勢い良く立つと、森の外へと歩いていった。
魔理沙「どこ行くんだ?」
ミラージュ「本当はのんびりしようと思ってたが...幻想郷について興味が湧いた。案内してくれないか?」
魔理沙「気まぐれな奴だなぁ...」
アリス「私もついて行くわ。魔理沙一人じゃ心配よ。」
三人は魔法の森を出て、魔理沙の案内の元、博麗神社へと進んだ。神社手前の一本道を通っていると、一匹の妖怪が現れた。
ルーミア「あ、魔理沙だ!」
魔理沙「よぉ、ルーミア」
ルーミア「霊夢に何か用があるのか?」
魔理沙「この外来人に幻想郷を紹介してんだぜ。」
二人が会話している中、魔理沙の横にいるアリスの背後には怯えるミラージュがいた。少女の背中で隠れる30代のミラージュの姿は滑稽であった。
ミラージュ「あ...あの美少女が妖怪だってのか?妖術とか使う...まさか、化けてるんじゃないよな?」
アリス「んな訳無いでしょ。妖怪は人間の恐怖の具現化とでも解釈できるわ。」
ミラージュ「嘘だ!あんな可愛い子供が妖怪な訳...」
ルーミア「あの人間って食べても良いのか?」
魔理沙「駄目に決まってんだろ。」
ミラージュ「今、俺の事を食べるっつったぞ!」
アリス「うるさいわよ!」
四人で揉めていると、声に気づいたのか、石段の上から霊夢が見下ろしていた。
霊夢「こらー!人の神社前で騒ぐな!」
魔理沙「霊夢ー!会いに来たぜ!」
霊夢「なんだ...魔理沙だったのね。ルーミアにアリスと...誰?」
魔理沙達は博麗神社の敷地内へと入り、ミラージュは霊夢に連れられて、縁側に座った。
ミラージュ「さっきはすまねぇ...」
霊夢「別に良いのよ。外来人が妖怪と出逢えば、当然の反応よ。で、紫の言ってたミラージュでしょ?」
ミラージュ「お、もう知ってるのか。」
霊夢「紫から全部聞いてるわ。」
ミラージュ「そうか...数日間は幻想郷暮らしだが...いつ頃に帰れるか知ってるか?」
霊夢「未来の幻想郷を救うのが目的...では無いでしょうね。」
ミラージュ「違うのか!?」
霊夢「それぐらい紫一人でとっくに解決している筈よ。他に目的があるのでしょうね。」
ミラージュが頭を抱えて項垂れていると、聞き覚えのある声が近づいていた。
パスファインダー「ミラージュ!友達を連れて来たよ!」
神社の鳥居にグラップルを刺して、パスファインダーが境内に勢い良く飛んできた。肩には数人の妖怪が掴まっていた。
霊夢「あれがパスファインダー...機械って言うから冷たい奴だと思ってたわ。」
パスファインダーは嬉しそうにミラージュに近づくと、妖怪達を肩から下ろし始めた。一人妖精も混じっている。
チルノ「物凄く楽しかったわ!最高!」
ミラージュ「パス、何してたんだ?」
パスファインダー「この子達とグラップルで遊んでたんだ。幻想郷はスリル満載だね!」
森を抜けた後、パスファインダーはリグル、チルノ、小傘の三人に会った様だ。遊んでいる三人に話しかけ、すぐに仲良くなったと言う。
リグル「本当に面白い機械だね!」
小傘「また遊ぼうね!」
パスファインダー「じゃあね!」
三人はパスファインダーとハイタッチして、その場を去っていった。
霊夢「こんなに妖怪と打ち解ける奴は初めて見たわ。」
パスファインダー「友達を作るのはやっぱり楽しいや!君もそうでしょ?」
霊夢「まぁね...迷惑をかけない程度なら、妖怪達と戯れても問題無いわ。」
ミラージュ「パスはもうどっかに行ったぞ?」
霊夢が話し終える前にパスファインダーはグラップルで別の場所に移動していた。
-妖怪の山-
パスファインダー「この山から生命反応がたくさん出てる...皆友達になってくれるかな?」
パスファインダーは意気揚々と妖怪の山の中に突っ込んでいった。しかし、その姿を一人の白狼天狗が目撃していた。
白狼天狗「侵入者だ...」
数時間後、山の中を縦横無尽にグラップルで移動するパスファインダーは、天狗達に敵として攻撃されていた。
パスファインダー「あれ、怒ってる?」
白狼天狗A「今すぐこの山から去れ!」
パスファインダーを尾行する白狼天狗は三人程。大量の弾幕がパスファインダーに襲いかかっていた。グラップルを解除して、一旦着地したパスファインダーは白狼天狗達に両手を上げた。
パスファインダー「ごめんね。少し遊んでいただけなんだ。」
白狼天狗B「機械の言う事が信用できるか!」
白狼天狗は聞く耳も持たず、攻撃の姿勢に入っていた。説得は無理と判断したパスファインダーは背中に手を回す。幻想郷に来る前、ワールズ・エッジで拾っていたハボックとオルタネーターを両手に持ち、パスファインダーは胴体の顔が怒りの表情に変化させた。
パスファインダー「聞き分けの良さぐらい持った方が良いよ。あ、強く言い過ぎちゃった。」
ハボックライフルを掲げ、飛びかかる白狼天狗の胴体に数発撃ち込んだ。すかさず、パスファインダーは後ろを向き、突進してくる二人の白狼天狗にも射撃する。それでも立ち上がってくる白狼天狗には、オルタネーターで追撃した。
パスファインダー「本当にごめんね。戦う気は無かった...ただ仲良くなりたかったんだ。」
妖怪であるため、白狼天狗達はまだ生きている。パスファインダーはその場を去ろうとするが、新たな妖怪がすぐ近くに来ていた。
パスファインダー「君は仲良くしてくれるのかな?」
にとり「当たり前よ。それにしても、その武器凄いね。どんな技術で電撃を撃っているんだろう?」
白狼天狗達の所に駆けつけたのは、河童のにとりであった。機械のパスファインダーと近未来的な銃に興味津々だ。
続く...
- Re: Fantasy Legends 4 ( No.4 )
- 日時: 2024/07/14 22:02
- 名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)
白狼天狗達は傷を再生させ、再びパスファインダーを追っていた。
白狼天狗A「クソッ...すばしっこい奴め...」
射命丸文「助けが必要ですか?」
白狼天狗達の真上にはいつの間にか文が飛んでいた。
白狼天狗B「射命丸様!あの侵入者が中々手強いんです!」
文「...あれが」
視線の向こうには、川沿いに楽しそうに喋るにとりとパスファインダーの姿があった。
にとり「このオルタネーターって武器凄いね...一つのマガジンから交互に弾丸を発射出来るなんて...かなり複雑な機構だ。」
パスファインダー「ツインバレルってやつだね。かなり扱いやすいんだよ!」
にとり「未来の人間もまぁまぁ頭良いじゃん。私の光学迷彩だって負けられないわ!」
パスファインダー「光学迷彩?ミラージュの使ってる奴にそっくりだね!」
白狼天狗A「やっと追い詰めたぞ!」
数人の白狼天狗達が二人の会話に割って入った。
パスファインダー「君達とはまだ友達になってなかったね!ハイタッチする?」
白狼天狗B「誰がするか!」
激昂した白狼天狗が刀を向けるがにとりがパスファインダーを庇う。
にとり「まぁまぁ、私達の縄張り意識は確かに強いけど...そこまでしなくても。敵意も無いし...」
白狼天狗A「何を...!」
文「落ち着いて。」
白狼天狗B「ちょっと...射命丸様!」
文はパスファインダーに近寄ると、一礼して自己紹介を始めた。
文「私はこの山の天狗にして、文々。新聞の記者-清く正しい射命丸文と申します!」
ニコニコと自分を見つめる文を見て、画面に目をハートにした笑顔が映し出された。
パスファインダー「やぁお嬢さん!ボクはパスファインダーって言うんだ。よろしくね!」
文「八雲から話は聞いていますよ!早速ですが、貴方の取材をさせてもらいたくて...」
パスファインダー「全然OKさ!ハイタッチしようよ!」
白狼天狗B「射命丸様?なんでそんなにフレンドリーに...」
白狼天狗がそう言いかけると、文は白狼天狗達に小さな声で呟いた。
文「最近スランプ気味なんです。このロボットは私の記事のネタにさせてもらいますよ。」
白狼天狗A「えぇ〜!?」
文「こうしている間に別の侵入者が山に入っているかもしれないよ?さっさと行っちゃって!」
白狼天狗B「相変わらず自由だなぁ...」
文「組織に入っている以上、自分の意思で動けない時だってあるのよ。」
白狼天狗達はパスファインダーを諦めて、不貞腐れた顔をして元の場所へと帰っていった。
パスファインダー「また会おうね!」
自分を攻撃した相手でも、フレンドリーな体勢を崩さないパスファインダーに文は興味を持っていた。
(機械にしては無邪気さが目立つわね...けど、これぐらいならネタとしてインパクトもあるし...)
本性は自らの内にしまい込み、いつもの様な取材の態度を取った。
文「質問ですが、貴方も機械であって...正式名称はあるんですか?」
パスファインダー「もちろん!移動ロボット型汎用作業機-MRVN-って言うのが正式名称だ。」
にとり「カッコイイ!!私も作ってみたいなぁ...」
文「にとりさん...ちょっと静かにしてもらえるかしら...」
にとり「あ、ごめんごめん。つい興奮しちゃってさ〜」
文「ゴホン...では次の質問に...」
早苗「皆さん集まって何してるんですか〜?」
文「(また邪魔が...)早苗さん。お久しぶりです。」
早苗「にとりさんもいるんですね...それと...ロボット!?」
パスファインダー「やぁ!パスファインダーだ。」
パスファインダーの声を聞くと、早苗は震え出していた。
文「あの...早苗さ」
早苗「こんな人型のロボットなんて、ロマンの塊じゃないですか!もしかしてビームとか撃てますか?」
パスファインダー「チャージライフルならミラージュが持ってた筈だなぁ...後で見せてあげるよ!」
早苗「まさか本当は存在しないと思っていた人型ロボットが存在したなんて!まぁ...巨大ロボじゃないけど...」
パスファインダー「巨大ロボ?タイタンの事かな?今はあまり見かけないなぁ。」
早苗「あるんですか!?」
パスファインダー「うん。ボクの友達にタイタンが好きな人がいるんだ!」
文「あの...取材」
早苗「本当ですか!タイタン...良い響きです!そうだ!私の神社に来ませんか?外から来たロボットなら、幻想郷の事について私が教えてあげますよ!」
パスファインダー「それはワクワクするね!僕に心臓があったらドキドキしてるって言いたい気分だ!」
早苗とパスファインダーは守矢神社へと飛んで行った。パスファインダーがグラップルを使う度に早苗の歓声が上がった。
にとり「私ももっと話したい!」
その後をにとりが追った。
数分間、途方に暮れて突っ立っていた文に通りすがり、白狼天狗が声をかけた。
犬走椛「文...そんな所で何してるんですか?」
文「私の予想を遥かに超えたロボットでした...」
椛「は?」
-博麗神社-
霊夢から幻想郷の事について細かく説明を受けたミラージュは、頭を抱えていた。
ミラージュ「なるほど。つまり俺は、化け物じみた美少女達の餌場にいるってわけか。これじゃ戦場の方がマシだぜ...」
霊夢「そんなに悲観しないでよ。アンタだって能力みたいなの持ってるんでしょ?」
ミラージュ「そりゃあそうだけどよ...俺はお化けとか...とにかく嫌いなんだよ。」
魔理沙「みっともないなぁ...30代なのに。」
ミラージュ「まぁ俺は一人でここに来たわけじゃないし...道中で沢山の人間だって倒してきた。今更ギャーギャー騒いでも変わんねぇ!」
霊夢「じゃあ戦ってみる?」
ミラージュ「...え?」
霊夢「さっきも言っただろうけど、私は幻想郷を守る巫女。かなり手慣れてるわよ?」
ミラージュ「いやいや、女の子をいじめるわけには...」
魔理沙「ああ見えてアイツ、色んな妖怪とか神に勝ってきたんだぜ?アイツの方が化け物っつってもいいぐらいだ。」
ミラージュ「マジかよ!?...背に腹は変えられないしな...よし、戦ってみるか!」
ミラージュは覚悟を決めると、ホログラム装置を起動させた。
霊夢「まぁ、お互い怪我しない程度が良いし、少しルールを決めましょう。魔理沙、アンタが声かけて。」
魔理沙「任せろ!」
霊夢「そしてミラージュ。貴方が私に少しでも触れたら貴方の勝ちよ。貴方が降参って言ったら貴方の負け。これで良い?」
ミラージュ「シンプルで良いじゃねえか。簡単過ぎる気もするが。」
霊夢「さぁ、勝てるかしらね?」
魔理沙「よーい、始め!」
ミラージュは隠し持っていたフラググレネードを真上に投げ、ウイングマンで撃ち抜いた。爆発で霊夢が怯んだ隙に茂みに隠れる。
霊夢「どう戦うつもりかしらね...」
弾幕を準備する霊夢を横目にミラージュは木の裏で考えていた。
ミラージュ「あいつに銃ぶっ放すのもあれだしな...ここはデコイを多用するか!」
ミラージュはアビリティのリミッターを外した。
ミラージュ「試合じゃあ公平差を保つために使用頻度の制限とかあるけれど...ここなら思う存分戦えるぜ!」
そう言って、ミラージュが草むらから飛び出した。
霊夢「真っ直ぐ来る気?」
光弾がミラージュの足に直撃する。しかし、それは-本体-では無かった。
騙されたな!
霊夢「ッ!?」
機械音と共にミラージュのデコイが消える。
霊夢「幻術使いって所かしら...」
ミラージュ「当たりだぜ。」
後ろには踊るミラージュの姿があった。霊夢は光弾を飛ばすが、これもデコイだ。
魔理沙「おおお...境内がミラージュだらけだぜ...」
鳥居にぶら下がったり、草むらの周りで踊ったり、地面に寝そべっていたり...大量のミラージュに霊夢は混乱する。
霊夢「どいつが本物なの!?」
自分を見つめたり、いきなり走ってくるミラージュをお祓い棒で叩いたり、光弾を放ったりするが、どれも偽物だ。
霊夢「手加減しようとは思っていたけれど...私が甘かったわね。《霊符・夢想封印》!」
強い衝撃波と共に円形に霊夢の弾幕が張られた。範囲内のデコイ達は次々と消えていく。
霊夢「アンタが本体ね。」
ミラージュ「おいおい嘘だろ!?」
霊夢はミラージュにの足に光弾を数発放った。避けきれなかった光弾が一発足に当たり、ミラージュは体勢を崩した。その隙を逃さず、霊夢は急接近して、お祓い棒を握りしめ、ミラージュに突進する。
魔理沙「ミラージュ!降参しろ!アイツマジで頭かち割る気だぜ!?」
しかし、ミラージュは冷静であった。
ミラージュ「俺はただ霊夢が怖くて隠れたんじゃないぜ?この時を待っていたんだ。」
魔理沙「この時...?」
霊夢のお祓い棒が頭を掠める寸前。ミラージュの腕に取り付けられたホログラム装置が淡い光を放った。
ミラージュ「ご存知の通りだろ?俺は増えるぜ。」
ミラージュの姿が霊夢の目の前で消えた。
霊夢「何ッ!?」
それと同時に霊夢の真後ろから数人のミラージュが円形に広がって出現した。霊夢はすぐ側のミラージュから叩いていった。
ミラージュ「俺の勝ちだ。」
いつの間にか霊夢の真後ろにミラージュが肩を触って立っていた。デコイでは無く、本体だ。
ミラージュ「幻想郷...まぁ悪い所じゃあないな。さぁいくぞ。おもしろくなるぜ。でなけりゃ、判断が悪かったってっこった。生きてりゃそこから学べる。今のお前もそうだろ?」
霊夢「ふふっ...中々面白い奴じゃない。」
続く...
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