二次創作小説(紙ほか)

(第10章 暴かれたクランプの陰謀と、ハレルヤの異変) ( No.11 )
日時: 2022/07/22 15:14
名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)

 突然主導権を返されたアレルヤはビックリするがすぐ言いたい事が分かった。
「アヤさん。メリッサさん。お墓は?」
「え? ある訳ないでしょ? まだ死んでないのに」
「あ……そう、でしたね。スイマセン」
「良いけど、どうしたの? 急にハレルヤと変わるなんて」
と言うと、アレルヤは泣きそうになるが、必死にそれをこらえた彼を見て、大体の事が分かった。

彼は、イヴになってしまったメリッサが可愛そうで仕方なかったのだ。
だからせめて墓があるのなら、そこに彼女がこの世にいたいた事を覚えている人がいて欲しかったのだ。
「分かったわ。あなた、ハレルヤと違って、本当に優しい人ね」
ところが、彼は喜ばす、言った。
「ボクがこうして、ここにいる事はハレルヤのお陰です。でも、ハレルヤは僕と違って残忍で冷酷な時があるから、自分で押さえていられないのですが……」
「あら、そうなの? 全然なんともない人じゃない」
「そうみたいですね。どうしてだろう?」
「イヴは……見つけたわ。やっぱりここで妊娠してたのね」
(こりゃやっぱ、あの博士をボッコボにして、真相を吐かせるっきゃないぜ)
「ってもうハレルヤになってるし」
と、アヤは呆れるしかなかった。

ところが、セキリュティオフィスを出た時、2人は何かを感じた。
「この感じ!」
(下からだな。行くぞ)
「ちょ、ちょっと待ってってば!」
と、アヤが追いかけると、2人はとんでもないモノを目にした。

なんと、それは野外ホールの観客達が、ティラノサウルスの模型を登っていき、動けるようになってしまったのだ!
「う、うそ!」
(チィ! ややこしい事になりそうだぜ)
と、ハレルヤは、またアヤを横抱きにして飛び、そっと地面に降ろした。s
「まさか、外側からも操れるようになるなんて!?」
(これもイヴの仕組んだ事だってか? 上等だぜ!)
「え? ちょ、ハレルヤ!」
と、言うと、2人に気付いて、T-REXが襲い掛かって来た。2階の地面をかじったり、頭突きをしようとする。完全にこちらを敵と認識したようだ。
「やるしかないわ!」
(ああ。行くぜ!)
「あ、ちょっと待って。すぐそこよ。博士の研究室」
(チィ! ンじゃあいつは後でってワケだな)
「ごめん」
(謝るとこじゃなえ。俺等の本当の目的は、あいつをとっ捕まえる事に有るんだからな」
「ええ! 行くわよ!」

と、2人が、飛びこむと、そこにいたのは、なんと前田だったのだ。
「ワワワワワ。撃たないでください。僕ですよ」
(アン? お前、ダニエルと一緒だったんじゃないねえのか?)
「あ、ああ。ダニエルさんは病院です。調べたい事があるとか言って、後でここで合流すると言ってました」
(発火現象がねえとこ見ると、子供にも悪い影響が出るって事を知ってやがったんだな)
「あ、ああそうだ。ウェインさんに頼んで作ってもらった物が有ります。それをお2人に渡してくれと頼まれていたんです」
と、前田が出したのは、イヴと対等に戦える為の弾丸だった。
2人がそれを受け取ると、彼は、これまで手に入れた情報について話し始めた。
「まず、そこのディープ・ルリーザーにマヤというラベルが貼られた、血清チューブが有りました。更に、研究コードはイヴになっていました」
(オイちょっと待て! イヴは分かるが、マヤって誰だ?)
ハレルヤの質問にアヤが落ち込みがちに行った。
「私の姉よ。事故で死んじゃったけど」
(あ……ワリィ)
「ううん。もう大丈夫よその事は……それで、他には?」
「あ、ああそうでしたね。その保存されていたのは、肝細胞でした。どうやら博士はそれを過去に培養して実験に用いていたようです。
(実験……まさか!? イヴが完全体を作りやすくする為のか?)
「う~ん。そこまでのデータは残ってませんが、恐らく正解に近いと考えています。ミトコンドリアについて、何を言ってか、お分かりですか?」
(それがあの野郎ミトコンオタだぜ。全然話が通じねえって話だったよ。マジでな)
「なるほど。それに執着している博士なら、何かしらのアクションを起こそうとしている可能性は高いですね」
と前田が更に話を続けた。
「長期にわたって培養を行っていた様ですが、最近の研究は、もっぱら人口精子の開発だった様です」
と言うと、アレルヤが出て来た。
「あの、それって、もしかして、普通の精子とは違うんですか?」
「あ、そうです。あ、とういうか、アレルヤさんお久しぶりです」
「どうも。続けて下さい」
「あ~はいはい」
と、前田が続けようとした時、アヤがピンと来た。
「まさか、イヴがちゃんとした完全体を産む為に?」
「可能性は高いですね。彼は精子に含まれるミトコンドリアのDNAを取り除き、パラサイトの無い、純粋な、核のみの遺伝子を持つ精子を作る研究をしていた様です。
「やっぱり博士は、イヴに完全体を産ませる為に、協力していたという事か」
「と、みて間違いないでしょうね。更にはその人工精子を聖フランシス病院の精子バンクへ移し、人工精子を希望する人に受精させ、臨床実験を行っていたようです」
するとアレルヤが言う。
「じゃあ、あの時、ダニエルさんが見つけたデータは、その為の?」
「可能性の1つかもしれません。詳しくは分かりませんが……」
「人の研究室で何をしている!?」
という声と共に、皆が振り向くと、そこにはハンドガンを持った博士が立っていた。
「前田さん後ろに……ハレルヤ……」
(黒幕のお出ましって奴か?)
「ほ~。まさかあの短期間で、君がそこまで進化するとは驚きだな」
(でけえ世話だ! テメエだろ!? イヴを妊娠させる為にあれこれやったのは!)
「フフフフフどうあがいても、もはや手遅れだ。それと、イヴが言っていたぞ、ハレルヤの細胞が欲しいとな」
その言葉に、ハレルヤが分からなそうな顔をする。
(あん? なんで俺があいつに好かれなきゃなんねんだよ。大体、俺をここまでにしたのはあいつだぞ!)
「そのイヴの送った細胞で、君はそこまで進化出来たんだ。ハレルヤ君だったな。君は更に進化したくはないのかね?」
(ヘッまっぴらごめんだ。あんま変な事ほざくと消すぞコラ!!)
「フン。君達凡人には、理解できんよ。この私の崇高な研究はな」
「博士! この事件の首謀者として、あなたを逮捕します!」
と、アヤが銃を向けた時だった。
「ドックン!」
と、ハレルヤの胸に激痛が走った。
(う!……な、なんだ!? グ……ウウ……や、めろ……お、俺は……ウウ……)
「は、ハレルヤさん。どうしました?」
(い、イヴ……声が……直接……)
「フフフフフ。どうだね? イヴと1つになれば、君はもっと進化出来る。彼女と1つになりなさい!」
(ざ、ザケン……な……!」
「ドックン! ドックン! ドックン!」
と、激しい動悸で、もう花はつぼみにまで成長していた。不意にハレルヤの目から光が消え、彼は何処かへ走って行ってしまった。
「待ってハレルヤ!」
「おっと! そうはさせん! イヴは今大事な時期なのだ。母体に傷をつけられちゃん困るんだよ。さて、見物だな。彼を取り込んで、どう変化するのかが」
「ハレルヤはただの人間なのよ。このままじゃ、日本と同じ過ちを繰り返すだけよ!」
「フフフフフフフフ。バカだな君は。イヴが欲しいのは、ハレルヤの力だ。体の方はいらんよ細胞さえ手に入れば、良いんだ。しかも彼は脳量子波というのが使える。これにイヴの力が加われば、無限の力を手にする事が出来るのだ! さて、イヴの進化が楽しみだ」
「博士、あなたは人間を何だと思っているの?」
「フン! 君だってイヴの同類ではないか。しかも、彼は、半分人間ではなくなってきている。もう、彼をイヴは必要としないだろう? さて、どうなっているかな?」
と、博士がメスを持ちて、襲い掛かった時、ダニエルが彼を殴り飛ばした。
「ありがとう。ダニエル」
「滑り込みセーフだったな。って、あれ? ハレルヤは?」
「そ、それが……」
前田が困って様に話すと、ダニエルは、
「イヴの所へ行った!? なんでまたそんな事に!?」
と言っていると、アヤは言った。
「彼、凄い進化してるって、博士は言ってたわ。恐らく、彼は気づいていたんじゃないかしら……」
「さっきまで胸と頭を押さえて苦しんだ後、部屋を飛び出して行っちゃいました。スイマセン」
と、アヤと前田が言うと、ダニエルは、
「それにしてもアヤ。どうして撃たなかった。奴の事を一番知ってるのはお前なのに……」
「ごめんなさい」
そして、博士は目を覚まし、ダニエルはこれまでの憎しみをぶち開けた。

だが、彼は警察官だという事を失わなかった為、撃たなかったのだ。
そして、アヤが切り出した。
「教えて。あなたの目的は、一体なんだったの?」
「簡単な事だ。完全なる、ミトコンドリア生物の誕生だ! それは母系遺伝子だが、実際には、ごくわずかではあるが、父系のミトコンドリアの遺伝子も含まれているのだ。日本での、彼女の姉と言うべき存在は、その為に失敗したのだ。その為に、反乱が起き、崩れ去った……そこで私はイヴの為に、雄のミトコンドリアDNAを持たない人工精子を研究し、成功した。イヴはメリッサの体を借り、受精に成功し、妊娠中と言うワケだ。恐らくハレルヤ君の細胞も打ち消す程の力まで備えた。完全なミトコンドリア生物を出産するだろう。
「それは、セキリュティ室で見たわ。でも、妊娠だけは許してしまったけど、出産なんて絶対にさせない!!」
すると、ダニエルも言う。
「アヤ。場所は分かるか!?」
「この建物の一番上にいるわ。行きましょ!」
「おお」
というと、また博士が言う。
「全く、人間とは、つくづく愚かな生物だな。何故、お前達がここまで侵入出来たと思っているのだ? もはやこれ以上、彼女の邪魔はさせん! イヴ! 聞こえるか!? もう充分だ! 私を気にしなくて良い!」
と、行った時アヤは前田とダニエルを窓から逃がした直後、博士は発火して死亡した。

その後、アヤは、T-REXを仕方なく1人で倒し、妊娠したイヴの部屋へ急いだ。