二次創作小説(紙ほか)

(第18章 全ての終わり。新しい明日へ) ( No.19 )
日時: 2022/07/22 16:28
名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)

アレルヤは、ベッドの中で眠っていた。
冬の夜は寒い為、羽毛の毛布に布団。

そして、やわらかい枕が彼を支えている。
そんな中、アレルヤは、胸に手を置き、感じていた。
「暖かい。皆の気持が、こんなに暖かい物なるなんて」……僕を導いてくれた。帰っておいでって声が確かに聞こえた。
CBの皆、17分署の皆。そして、病院で手術をしてくれた人達。

いろんな思いが混ざって、アレルヤの心に届いていたのだ。
それがぬくもりとなり、彼の意識を優しい世界へ連れて行く。

ホントに暖かいと、アレルヤは眠りながら感じていた。
でも、今は酸素マスクで、うまく言えないし、体中の力がなくなっていた。
「ハレルヤ。聞こえる?」
と、アレルヤが言うと、ハレルヤがなんだか機嫌悪そうにしていた。
「どうしたの?」
(チッ! 面白くねえ。あ~あつまんね~の。殆ど心配したのはお前バッカだっただろ?)
「違うよ?」
(アン?)
「君も気付いたはずだよ。ベン君とダニエルさんや、アヤさんは、僕だけじゃなくて、君も心配してくれていたよ」
と言うと、ハレルヤは確かに感じていた。まさかあいつ等がと言いたげだったが、それでも、自分の事も同じように心配してくれたのが、嬉しかった。
(……)
「どうしたのハレルヤ。なんだか機嫌悪そうだけど……」
(ギ! バババ馬鹿野郎! 俺はただ、突っ込んでったお前に手え貸しただけじゃんかよ! なのに何でこの俺が好かれなきゃなんねんだよ!? ザケンナ!)
「フフフ。君も素直じゃないね」
(やかましい! てか、とっとと寝ろ!)
「フフ。分かったよ。それに、この中、心地良いから、本当に……眠いよ……」
とだけ言って、彼は本当に眠った。

それからどのくらい眠ったのだろうか。

気が付いた時には分署の皆だけでなく、CBメンバーも揃って特別室に来ていた。

ここを指定したのは、もちろん王、留美(ワン・リューミン)だった。

そして、酸素マスクが外れるのを感じ、アレルヤはゆっくりと目を開けた。
「ア……皆さん。ありがとう。来てくれて」
「お兄ちゃん!」
「こらこらベン。今起きたばっかりなんだぞ?」
「あ、ごめん。ハレルヤお兄ちゃんと話したくて。パパ、ハレルヤの事、口は悪いけど優しい人だって言ってたよ」
これを聞いたハレルヤは、真っ赤になって怒りたいが、今はその体力すら無かった。
「ごめんねベン君。ハレルヤ。今は何も言えなくて……」
「大丈夫、なの?」
と、彼が心配げに言うと、アレルヤは言う。
「暫くは入院だよ。その後が忙しくなるけどね」
「パパに聞いたよ。大変だったって」
という彼にアレルヤはこれまでの事を話した。
「前田から聞いたよ。まさかお前の中にまでイヴが潜んでいたとはな~」
「僕も、驚きました。でも、前田さんが、助けてくれたんですが、あれ? 彼は?」
「ああ。あいつならもう来ると、あ、来た来た。おーいこっちだ」
「フウ。なんとか来れました。あ、これ、お見舞いにお菓子です」
「ありがとうございます」

と言っていると、いきなりそれをヒョイっと手に取る、ティエリアが食べていた。
「うまいな」
「ちょ、ちょっとティエリア! 失礼だってば」
「あ、よう。最初に会って以来だな」
「そうだな。一応スメラギ・李・ノリエガが持って行けというわけで持って来た。
と、花束を出すとアヤは花瓶を借りて水を入れ、そこに、花を入れた。
「でも珍しいわね。あなただったら来ないと思ったのに」
「まあ、ちょっと彼の様子も見たかったのでな。で、リハビリは何時からだ?」
「明日からだよ。今日は体力を取り戻して、励めるようにしておけって言われたよ」
「なら、君のあれは、こちらで島に移して置く。良いな」
「ゴメンね。ティエリア。仕事、増やしちゃって」
とアレルヤが申し訳なさそうに言うが、彼は出て行ってしまった。
「アレルヤ。今日はゆっくり寝て、明日に備えるんだぞ。皆も心配してたし、後で譲さんも顔出すってさ。今回の事について、何もわ分からないまま、こうなったって言っていたから、自分のせいでこうなったから、謝りたいってさ」
「そうだね。でも、メリッサさん。あの世に、行けたのかな? あんな死に方になっちゃったから、こっちはそれが 心配だよ……」
「アレルヤお前……」
「それに、アヤさんに託した日記の事を公開してくれるように頼んだんだ。メリッサさんは、クランプ博士の実験材料にされた事を公開いてくれって言ったんだ。もう、あんな悲劇が起こらないようにってね」
「お前さんらしいな」
「スイマセン。ロックオン助けてもらって」
「気にしてねえってか、あの場合はああするしかなかったって言った方が正しいかな?」
「ミス・スメラギは即行OKして、刹那とティエリアで支えてもらい、撃ったんだ。無事に成功して良かったよ」
「うん。本当にありがとう。皆に感謝しなきゃね」
と言っていると、突然ハロが、
「セツナカクレンボカクレンボ」
「え?」
2人がそっちを見ると、刹那が袋にクッキーを入れ、更には小さな花が入ったフラワーバスケットを持っていた。
「刹那。どうして君が」
「スマナイ。スメラギに相談して、病院に持って行っても困らない物お選んでいてたら、遅くなってしまった」
「ありがとう。刹那も……あ、あれ……なんだか、少し、眠い……」
「薬、飲んだのか?」
「うん。お昼の薬は呑んだけど、ゴメン。眠気が……」
と言うと、ロックオンが彼を楽な体制にして、眠らせた。
「早く元気になりなよ。皆、待ってるからだ」

そして、その日の夜、アレルヤはぐっすりと眠っていた。

その夢の中では、とてもファンタジーな夢を見て、凄く嬉しそうにしていた。

その様子を見に来た天使は、アレルヤが元気になりますようにと、お守りの腕輪を付けて、去って行った。

そして、次の日、彼はベッドから起きれる様になっていた。
「起きてて良いの?」
とアヤが言うと、彼は、
「うん。こうして体を慣らせるようにしておけってさ」
「そう。あなたも大変ね」
「そっちも大変だったんじゃない?」
「ええ。今回の事件の全貌を教えろって、特番作るって言われて時は、ホントに困ったは。まあダニエルがうまくやってくれたみたいだけど。前田も前田で語りまくっちゃってね~」
「アハハあの人ならやりそうですね」
「ハクション!」
「え?」
「あ。あ~来てたんだ」
「遅くなりました。あ、もう大丈夫なんですか? 起きて」
と、前田はちょっとしたて土産のラングドシャを持って来てくれた。
「ええ。ずっと寝てばかりじゃいられないし、もうすぐ本格的なリハビリに入るから、ちょっとでも体力付けないと」
「そうですね。そう言えば、今日は人が少ないですね」
「ああ、そう言えば、ダニエルある所によってから、こっちに顔出すって言ってたけど……」
「おはようアレルヤ。調子はどう?」
「一緒だったんですか」
と、アレルヤが言うと、ダニエルが言い出した。
「来る道が一緒だったんで、一緒に来た。それからコレ、部長からだ」
「え?」
と、アレルヤが封筒を開けると、そこには警察学校のパンフと申し込み書などが入っていた。
「部長。お前をデカにしないかって言われてな。そいつは一応お前の許可がいるし、それとこっちは市長からだ。
「え?」
と、アレルヤが封筒を開けると、そこには表彰状と、勲章が入っていた。
「アヤ。お前もだ」
「そっか。殆ど私とハレルヤで片づけた事件だものね。って、あれ? アレルヤって書いてるけど、どうして?」
「まあ、入院中の名前がそうだからだろ?」
「あ、アハハハ……」
と、アレルヤは苦笑するが、警察学校の方は、正直どうしようか困った。
まさか、あの事件でデカにしたいと思われるとは思わなかった。

そして、アヤが先に出ると、入れ替わりにスメラギ達が来て、その事を話した。
「アレルヤ。あなたはもう二十歳なのよ。いくらいる所が所でも、あなたの性格では、荷が重いんじゃない?」
「え?」
「ティエリアが言っていたわ。今回の事件は、ハレルヤの意思で動いたんじゃないかって」
「……」
アレルヤはやはりと思った。
確かにあの時、自分に出来る事をと行動してしまったのは確かだが、しかしそれによってこんな事態にまで大きくなるとは思わなかったのだ。
シルフドの意見も一理あり、命を奪い取るような組織にいても、彼の心が傷つくだけだ。
だが、ハレルヤは、しょっぱなから皆の事を知っている。
だから、ハレルヤになっても、大丈夫なのだ。いざとなれば、キュリオスは、ラッセに譲っても構わないと思った。

でも……と、アレルヤは必死になって考えた。
「今スグにとは言わねえよ。ゆっくり考えれば良いからよ」
「アレルヤ。今後のあなた次第なのよ。あなたは人一倍痛みに敏感。そんなあなたなら、人の命を守るあなたに代わる事だってできるのよ。さっきも言ったけど、結論は、自分の意思で、決めなさい。ワン・リューミンも、後から……」
「あら? お取込み中うですの?」
「あれ? アンタ確かワン家の」
「ええ。ちょっとアレルヤとは縁がありまして。それより、警察の方はよろしいのですか?」
「ん? そうだな。それじゃ、ぼちぼち戻るぜ。デカの件、一応伝えたからな」
と言って出て行き、どういう事か聞くと、アレルヤが言った。
「警官にならないかって言われたんです。後、勲章ももらっちゃって、自分で結論を出して良いのかな?」
アレルヤは、今後について真剣に考え始めていた。ハレルヤと共に……