二次創作小説(紙ほか)

(第2章 イヴの変異と、呪われたアレルヤ) ( No.3 )
日時: 2022/07/22 13:48
名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)

 2人は、楽屋に降りたが、廊下には誰もおらず、ドアには鍵がかかっていた。
「ダメね。どこも鍵が……」
と、進もうとしたアヤを、ハレルヤが止めた。
「ハレルヤ?」
(見ろ)
「え?」
と、彼女が見ると、それはただのネズミだった。

ところが、突然ネズミが苦しみだし、異様な化け物に変異したのだ。

口の歯は鋭く、体は大きく、尻尾は3つに分かれており、なんと3匹もいた。
「う、うそ! 何よコレ!?」
(あの女の仕業だな。ま、これならこっちも遠慮はいらねえぜ」
と、ハレルヤはガンガン倒して、先を急ぎ、いきなりの事で、完全にアヤが置いて行かれる格好になってしまった。そして、扉の1つが開いた。
すると、いきなりハレルヤがアレルヤになった。

それは、する必要がないと考えて、ハレルヤがアレルヤに体を戻したのだ。
そして、目の前には焼死体が転がっていた。
「これは……」
「! ハレルヤ?」
「え? あ、ああスイマセン。ちゃんと説明しておくべきでした。僕はアレルヤです。よろしく」
「そうだったの。あれ? でも、ハレルヤは、あなたと交代したのかしら」
「おそらく戦闘がないからだと思います。彼は、戦闘の無い時は、本当に外に出て来ないので」
と言いながら、2人は何か使えそうな物ないか探していると、楽屋の鍵を見つけた。
「何所の鍵かしら?」
「1つずつ当たってみるしかありませんよ」
「そうね」
と、1つずつ当たってみると、一番奥から左下の部屋の扉が開いた。
「随分大きな部屋ですね~」
「主演女優の部屋みたいね」
「え? なんでわかるんですか?」
「ただの感よ」
「え?」
と、アレルヤは目が点になった。
まさかただの感だけでここが女優の使う部屋だと思うとは、全然考えてなかったのだ。

そして、アレルヤは、デスクの上に置いてある日記を見つけた。
なんとそれは、メリッサの日記だった。主演公演が一番自分がやりたかった事。倒れながらも頑張った事、そして、掴んだ主役の座の事が切々と書かれ、アレルヤの目から涙が零れ落ちた。
「メリッサさん。こんなに一生懸命頑張っていたのに、どうして急にあんな事に……」
と、彼はその日記を抱くと、鍵が落ちた。
それを見たアヤは、彼に声をかけた。
「アレルヤ……優しいのね。その優しさ、失っちゃダメよ」
「はい」
と、言っている2人の側から、ピアノの音がした。
「ピアノの音?」
「この奥からよ」
「もしかして、この鍵で」
「開くかもしれないわ。やってみましょう」
そっとアヤが鍵を差し込み回すと、
「ガチャ」
という音がした。
「やっぱり」
「開けるわよ」
「ええ!」
と、アレルヤがセーフティーを外し、銃を構えた。

そして、2人で扉を開けても、メリッサはピアノを弾いているだけだった。

と、その時、アレルヤの心臓が、
「ドックン! ドックン! ドックン!」
と、激しい動悸が襲った。
「ウ……ナ、何……ウウ……」
「アレルヤ! どうしたの? 大丈夫?」
「ハア、ハア、ハア」
(変われアレルヤ。こっからはお前にゃ無理だ。もうそいつは、メリッサなんとかじゃねえ!)
「ご、ゴメン。ハレ……ルヤ」
と、ガクリと膝をついたと思うと、すぐさま銃を持って立ち上がった。
(ヘッ。いい加減に姿を見せたらどうだ? もう持たねえだろ!? 分かるんだよ俺には……さっさと姿を見せな!)
「どういう事?」
(まあ見てな)
「え?」
2人が彼女を見ると、
彼女は苦しそうに言う。
「わ、私はメリッサ……私は……め、メリッサ……う……む、胸が……あ、熱い……」
と、言った時、突然彼女の口調が変わった。
「私はイヴ。核の支配は終わった。これよりミトコンドリアの解放が始まる」
と、メリッサは鍵盤を壊し、突然大きくなり、髪の毛は4っつに塊、赤いドレスは破け、足は何かの角の様な形に変わり、手は腕より大きくなった。、その代わりに、手の爪がかなり長くなった。まさに、クリーチャーへと姿を変えたのだ。
「うそ! なんで!?」
(そこまでは分からねえが、俺はアレルヤの心臓にダメージを与えられてご立腹だ。楽には逝かせねえぞ!!)
と、ハレルヤが飛びかかると、イヴも避けるが、ハレルヤの方が速く攻撃する。

そして、レーザーを打つが、彼はそれを冷静に見定めて攻撃し、アヤもそれに習う。大体何度か見ている内に覚え、ついにイヴが言った。
「フフフ。やるではないか。だが、それはその男の力であって、お前ではない。お前に時間を与えよう。進化と、ミトコンドリアの時間を」
というと、アヤの目にまたあれが映る。今度はそこに、医者が登場したのだ。
「な、何なの?コレ……これは……誰なの? 医者? なんなのこれ?」
と、アヤが言っていると、遠くで声が聞こえた。
(おいアヤ。アヤ! 起きろよアヤ!!)
という声で、やっと現実世界に意識が戻った。
(たく、敵の前でなにやってんだよ)
「ごめんなさい。あ、イヴは?」
(ピアノ後ろに穴開けて逃げってたぜ)
「そう。ごめんなさい。行きましょう」
(の前に、ちょっと待ってろ)
と、ハレルヤは、隣の部屋に有った長い布を持って来た。
「どうするの? それ」
(こいつをピアノに巻きつけておけば、帰りが楽だろ? 幸いこいつは固定されているみたいだしな)
「なるほどね。さ、行きましょう!」
(ああ)
そして2人は下水道に下りると、すぐさまイヴを追いかけるが、ここでもカエルやネズミがいて、倒すのに苦労するかと思いきや、ハレルヤの力で、くぐり抜けた。

そして、その時、アヤの目に、水色の手術着姿の金髪でブルーの瞳をした小さいな女の子を見つけた。

しかもこれが初めてではなく、楽屋に降りる時も見ていたのだ。
「あの子……」
(あん? 誰もいねえぞ?)
「あ、ゴメン。イヴはこの先よ」
(て事は、こいつだな)
と、ハレルヤがレバーを倒すと、鉄格子が上に開き、入れる様になると、ようやくうイヴを見つけた。
「パーン!」
という音が鳴り、イヴがそちらを振り返るとイヴの顔に傷が付いていた。
(あ~ワリィな~外しちまったぜ~。もうちょっと右にすれば、頭にぶち込めたのによ~)
「わざとでしょ!? どう見ても!」
すると、イヴは、怒りの顔でこちらを見た。
(お~コワ! で、どうするんだ?)
すると、
イヴが掌をハレルヤに向けて言った。
「消えろ!!」
と、凄まじいスピードで、手のひらから赤い槍の様な物に4つの小さな歯が付き、それを思いっきり、心臓に突き刺さると、すぐに歯の部分はなくなり、イヴの細胞が、ハレルヤの心臓部に広がると、
(ウワアアアア!!)
と、彼は悲鳴を上げながら、それを外そうとするが外れず、しばらくすると、彼の目から光が消え、
ガクリとなって、その場に倒れた。
「ハレルヤ! ハレルヤ! 大丈夫? お願い目を開けて!!」
アヤは必死に呼びかけるが、全く動こうとしなかった。
「自業自得だ。己の力を過信した罰を受けるが良い。お前の命は後7日。先ほど植え付けた種は、私の細胞をたっぷり入れてある。その種が発芽し、花が咲くと、その者は、死ぬ。生きたいのであれば、私を怒らせない事だな。まあ、どちらにしろ、放っておいても、私を倒しても、そいつは助からぬ。さて、私は色々と忙しいので、ここで失礼する。お前達のミトコンドリアで、どこまで戦るか見物だな。コイツは相手をしよう」
イヴはそう言いながら、自分の体を液状化させて、鉄格子をアッサリと超えて、何所かへ行ってしまった。

すると、光を失ったハレルヤの目が開いた。
(う、うう……あ、アヤ……すま! う!)
「ドックン! ドックン! ドックン!」
と、彼は酷い動悸に襲われ、今にも破れてしまいそうな勢いだった。

すると、下水から、ワニがハレルヤの血を求めてやって来た。
「キャア!!」
と、アヤが珍しく悲鳴を上げると、ワニの歯に、電気が帯びて、こっちへ襲って来ると、ハレルヤが立ち上がり、
(お前は尻尾をやれ。こっちは引き受ける!)
「え、ええ!」

そして、15分の格闘の末、ようやくワニを倒した。
すると、いきなり、ハレルヤがアレルヤに変わり、突然倒れた。
「アレルヤ!」
アヤは、彼の胸に触れると、
「……トク……トク……トク」
と、今にも止まりそうになっていた。
「大変! 急がなきゃ! 彼が本当に死んじゃう!」
彼女はアレルヤを背負い、必死で平らな所に来ると、そこで、彼に人工呼吸と心臓マッサージを繰り返し、必死にアレルヤの目が開く様にと、願いながら続けた。

すると、
「ドクン……ドクン……ドクン」
と、少々弱いが、無事に心音は戻り、彼の目が開いた。