二次創作小説(紙ほか)
- (第7章 悲しきケルベロスと、アレルヤの異常進化!) ( No.8 )
- 日時: 2022/07/22 14:05
- 名前: 破壊神 (ID: RtQ9ht2V)
ようやくハレルヤが上に着くと、全てが遅かった。
なんと、犬だと聞いていたのに、そこにはいたのは、巨大な怪物だったのだ。
真っ赤で大きな赤い目に首を3つ持ち、大きな目玉の下には、なにかの発射する為に進化したかのような口があり、背中には、黒く長い鞭の様な物を持っていた。
(チィ! 悪趣味な野郎だぜ! おいオッサン。その小僧を頼む!)
と、ハレルヤが向かっていくと、まずは下を向いている口を足で踏みつけて2発銃弾を撃ち込み、左右の顔には、マシンガンとハンドガンを同時に口が開いた所で撃ち込むが、これはかなりてこずり、その間真ん中の顔の口から、光線を撃って来て、慌てて避けるが、後から後から追って来る。
(チキショウ! こいつは1人だときついぜ!)
と言った矢先にマシンガンの音が聞こえた。
アヤが来たのだ。
(アヤ!)
「ゴメン! 遅れて!」
(遅えんだよ。俺は真ん中をやるから、左右のは頼むぜ!)
「分かった!」
そして、ケルベロスとなったシーバは2時間かけてようやく倒した。
すると、よほど疲れたのか、ハレルヤがアレルヤの姿に戻った。
と、その時、彼の背中に激痛が走った。
「う!……ウウ……」
「アレルヤ! 大丈夫?」
「せ、背中……い、痛い! ウウ!!」
と、彼が背中を抑えると同時に、心臓にも激しい動悸が襲った。
「ドックン! ドックン! ドックン! ドックン!」
「ウ、ウウ……い、息が……ハア、ハア、ハア……う、ウア! アアアアアアア」
と、彼が苦しみもがきだすと、、背中が異様に盛り上がり始める。
「アレルヤ! これ……」
と、あやが心配するが、彼は痛みに耐えられず、気絶しそうになるが、背中の激痛で、気絶する事が出来なかった。
更には、イヴの仕掛けた花はみるみる成長し、心臓を覆いつくし、花が咲くのも後わずかになっていた。
そして、彼の背中から、ドラゴンの様な翼が出て来て、彼はようやくそこで完全に気を失った。
「アレルヤ! アレルヤ! しっかりして! アレルヤ!」
と、アヤは何度も呼びかけるが、応答がなく、脈もかなり弱く、心臓も
「トクトクトク」
と、今にも止まりそうになっていた。
「いけない。このままじゃ、彼が本当に死ぬわ!」
と、言っていると、ようやく部長とベンに気付き、部長からコートを借りると、その上に彼の体を横たえ、楽な姿勢にすると、蘇生させようと、心臓マッサージと人工呼吸をを繰り返す。
「お願い! アレルヤ! 生きて! 目を覚まして! アレルヤ!」
と、彼女は必死に頑張った。
そこへ、前田とダニエルがやって来た。
「アヤ! どうした!?」
「アレルヤが死にかけてる。それに、背中に蝙蝠みたいな翼が出て来て、心臓も止まりそうで」
と、半ばパニック状態のアヤを落ち着けたダニエルが変わる。
「アレルヤ! 死ぬな!」
と、必死に心臓マッサージと人工呼吸を続けると、
「ゲホゲホゲホ」
と、ようやく彼が息を吹き返した。
「良かった! アレルヤ!」
と、嬉しさのあまり、アヤがアレルヤにキスをする。
これを見た皆はビックリしているが、アレルヤはまだ半分ぐったりとなった。
「アレルヤ!」
アヤが心配すると、すぐさまダニエルが脈を確認すると、かなり弱いがなんとか生きていた。
「後は様子見だな。しっかしなんなんだ? この蝙蝠みたいな翼は」
とダニエルが触れると、結構頑丈そうな感じだった。
「アレルヤ。飛べる?」
「分かりません。というか、もう、力が……」
と言って、彼はグッタリとしてしまった。
そこで、アレルヤを仮眠室に連れて行き、暫く様子を見る事にした。
だが、次にイヴの出現する場所がどこか分からない以上、手の出しようがなかった。
そんな時、前田が言った。
「う~ん……ん? あの~1つだけ思い立って事があるんですが、言っても良いですか?」
「え?」
「これは僕的な推理なのですが、この近くに、精子バンクがある病院はありますか?」
「そう言われても……私、病院行った事ないし……」
と言うとダニエルが
「それに、そんな物が置いてある病院となりゃ~かなりデカイ……! あるぞ一か所だけ!」
「何所なの? ダニエル」
「聖サンフランシスコ病院。確かあそこは、人工授精の精子が置いてある。だが前田、それと今回のと、関係あるのか?」
「要するに、イヴは時間を稼ぎたかったのではないでしょうか?」
「時間を稼ぐ?」
と、ダニエルが言うと、ベンが、
「じゃ、じゃあその悪い奴はどうしてシーバを?」
と言うと、ダニエルはベンを落ち着かせて言う。
「ベン。気持ちは分かるが、ここからはちょっとヤバイ話になる。部長。傷の具合は?」
「あ、ああそんなに動けんが、大丈夫だ」
「なら、ベンをお願いします」
「分かった」
と、2人が降りて行ったのを見て、前田は続けた。
「イヴの体は恐らく長くは持ちません。僕はイヴに直接会ったワケではないので分かりませんが、恐らくは子供を産もうとしているのではないでしょうか? 実は日本でもあったんですよ。これ程大きな事件にはなりませんでしが、とある生物学者が同じ要領でイヴを育てていたのですが、精子には、父方と母方という2つのタイプが有って、前のイヴは父方の精子で子供は出来ても失敗し、結局うやむやにされました。多分ですが、あの博物館にいたハンス・グランプも関わっていると思われます」
「何ですって!!」
「じゃあ、すぐに行かねえと!」
「そうしたいのですが、彼のこの状態では……」
「私は行くわ。アレルヤ。悪いけど、今回は休んでて、大丈夫。ちゃんと戻って来るから。ね」
「と、言うと、アレルヤの目がゆっくりと閉じて、グッタリとなった。
もう、彼も限界なのではとアヤは思ったのだ。
下水道で、イヴに直接心臓に何かを送られ、花が心臓部に咲き、更に彼女は言っていた。その花が完全に開いた時、命がないと。
しかも今回は、ドラゴンの様な翼まで出た。
もうこれでは、仲間の所に、返してやる事も出来ないのだ。
アヤはとりあえず、負担にならぬよう。胸元に柔らかい素材の布を折りたたんで入れ、翼は負担にならないようにしてやった。
「おやすみなさい。アレルヤ」
と、彼にキスをすると、彼女は出て行った。
一方の留美達は、ようやくアレルヤの場所を特定し、そこに紅龍とロックオンが向かっていた。
あのアレルヤが全然連絡をよこさない為、不安になったのだ。
そして、アヤ達とすれ違う格好で、署内の前に止まった紅龍の車から、ロックオンが降り、中に入ると、グチャグチャになっていた。
「な、何か有ったのか? ここ」
という声が聞こえ、ウェインが応対した。
「あれ? 島民は全員避難しているはずですが?」
「すいません。こいつ、ここにいますよね?」
と、ロックオンがアレルヤの写真を見せた。
「あ、ああ一応いるにはいるのですが、今ちょっと会うのは……無理ですよ。あの、そちらの連絡先だけ教えていただいてもかまいませんか? 彼に伝えて連絡する様に言っておきますから」
「あ、はい……あの~ここ、なんか有ったんッスか?」
「あれ? 知らないんですか? ニュースにもなったオペラの」
「あ、あ~あの時の」
「知ってるんですか?」
「知り合いと一緒行ったのですが、その時に、仲間の1人とはぐれてしまって、全然連絡がないから心配して、捜してたんです」
これにはウェインはちょっと困った。
詳しい話は聞いているが、今会わせるには無理が有ったからだ。
「すいませんが、今彼、そのオペラの犯人に何かされたらしくて、今休んでます」
と言うと、ロックオンに隠れていたハロがそろ~っと抜け出し、署内の情報をスメラギ達に送った。
「わかりました。お願いします」
「んじゃ、ここにお願いします」
「はい」
と、ロックオンは留美達の待つ家の電番を書き、署を出ると、署内のデータを送っていた。
「ハロ、アレルヤ見つかった?」
「アレルヤシンパイ。ミンナアレルヤのコトシンパイ」
と、あっちコッチ行って見ると、ようやくハロは、アレルヤを見つけた。
しかもその側には、男がおり、アレルヤから、何かを採取していた。
「う、ウウ……あ! ハロ! どうして、ここが……」
「ミツケタミツケタ」
「ハロから入電、見つけたそうです。でも、ちょっとこれ、見てください。ハロアレルヤに近づいて」
「リョウカイリョウカイ!」
とハロがアレルヤに近づくと、背中にドラゴンの様な翼を持っていたのだ。
「ちょ、何よこれ!?」
と、そこへまた入電んが有った。
「ロックオンからだわ。ロックオン。どういう事? アレルヤの背中にドラゴンの翼みたいなのが付いてるの。一体何がどうなってるの?」
「なんだって!? あ、そう言えば、今は会えないて言ってたのは、こういう事か」
「どうします?」
「向こうに、任せるしかないな。一応譲さんとこの電番を渡してあるから、何か動きが有ったら伝える様に頼んでおいたから」
「分かったわ。ありがとう。ロックオン」
そして、2人はブルックリンブリッジを渡り、別荘に戻ろうとしていた。
だが、この時、誰も気付いていなかった。
イヴが見ていた事に……
はたして、これからどうなってしまうのだろうか!?