二次創作小説(紙ほか)
- 第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に(その1) ( No.13 )
- 日時: 2023/02/02 19:54
- 名前: 桜 (ID: Zp53hDuK)
王ドラ主人公の外伝編の第三話です!前の外伝の赤いダイヤや前のアイオーン様主人公のやつとは(物語の舞台的に)一味違うような和風味のシリアスギャグもといギャグシリアスなので道中のネタを考えるのが重い時もありますが、その分なんとか書ききってます。
今回はコメディ風味とかある諍いの話。あ、それは味方側じゃないですが・・・
「カービィは渡すかあああああー!!!!」
ガシャーン!!ドンガラッシャー!!!ガシャンガシャン!!!!ドッカーン!!!!!チュドーン!!!!!!
・・・うん、これとも違うからね;
ーーーーー例えば集団生活の中で、あるいはどこかの組織の中で実力争いや紛争などの諍いが起きることがある。
人間には競争意識があるのは多かれ少なかれ誰もが持ってもおかしくない感情なので、これはどうしようもないし仕方ない。
競争意識があるから粘り強くなるし、根性を普段から身につけているし、勝ちたいと気持ちがそれをもたらしてくれている。
いわゆる「どんなに苦しくてもやり続ける」根性論を人はもったいないとなぜ決めつける?勝ちたいと気持ちが、今も人間に根強い形でそれがあるということをどうして否定する?
トリスタン「酒を飲んだ後にこれですか・・・;」
城の使いである笠を被った女性・照に案内されている以蔵達一行は城に向かっていた。その城の城主であるお殿様から英霊剣豪に関する依頼を受けるために謁見するからだ。
以蔵「楽。わしを起こしてくれちゅうのはえいが、こんな理由なら流石に泣きはするき・・・(´;ω;`)」
王ドラ「ごめんなさい;つらいと思いますが今はどうか耐えて下さい;」
アサト「四太郎と阿美はお紅さんに預けられてるし、まあ大丈夫なんだけどねぇ;」
アサトは照の姿を密かにチラ見していた。照は気付いた。
照「何か?」
アサト「いや、なんでもないよぉ(なんだろうな・・・どっかで会った気はするけど・・・」
すると、その以蔵の姿を見る人物がいた。その人物はこの城の姫であり、殿様の今は亡き正室との間に生まれた一人娘だ。
姫の教育係の女中「姫様!そんなに隙間から覗き見したら気付かれてしまいますよ!」
姫様「ごめんなさい。一目だけでも見たくなって・・・」
そして城の謁見の間に辿り着いた時にその間にいる殿様が彼らに声をかける。
殿様「では岡田一行、こちらへ。参られよ」
四人は座った後に頭を下げる。彼らでも最低限の礼儀はあるようなので時にまばらになりながらも難なくできた。
王ドラ「秋から冬にかけての季節、雪の息吹も次第に近づくことで・・・」
殿様「良い。そなたらは二人目の英霊剣豪を倒したと聞く。実はそれに関して依頼しに来たのだ。その実力を見ることも兼ねて」
トリスタン「貴方も英霊剣豪に悩まされたのですか?」
殿様「ああ。英霊剣豪を倒せる力があるならば、私としてもそれを見たくてな」
すると、殿様の顔を見て王ドラとトリスタンは驚く!その殿様の姿は角が取れているサタンと酷似したものだったからだ。
王ドラ(サタン!?)
トリスタン(私を召喚した彼とは別人ですが、こちらは尊厳や王者の風格をいい意味で兼ね備えてますね。私はとても恐ろしい・・・!)
殿様「?なぜ私を見て驚く?嫌な気分にでもなったか?」
アサト「い、いや、なんでもないよぉ!(二人とも!気持ちはわかるが、平常心を保て!」
以蔵(なぜ二人が驚く・・・?この殿様似の顔をした奴が知り合いにでもおるんか?(正解)
殿様はアサトから聞いて気にしないことにした後、その英霊剣豪のことについて言う。
殿様「英霊剣豪が三日後にここに襲来するという報せがあったのだ。英霊剣豪のアサシン・舞々がな」
以蔵「・・・!!」
殿様「そのアサシンは、かなりの手練れの忍びの者と聞きどこからか来るか分からずに忍び寄るところから城の一番の宝を盗み取ると聞いた。一番の宝については今ここに来るがな。璃(あき)、入れ」
すると、璃姫と呼ばれた殿様の娘が謁見の間に来た。その姿を見て王ドラはさらに驚愕した!
王ドラ(アルルさん!?)
璃「こちらの方々が父上が私の護衛を依頼を頼む者ですね?私はこの城の姫、璃姫ですわ」
トリスタン(こちらはアルル嬢とは違うようなお淑やかな大和撫子のようだ)
アサト(アルルちゃん、茶とかの礼儀作法は苦手だからねぇ・・・;)
王ドラは殿様を見ながら聞く。
王ドラ「護衛って・・・」
殿様「そうだ。一番の宝は私の愛娘である璃。私の正室である母君が亡くなって以来、私が一番に命をかけて守る唯一の宝なのだ。子は宝とよく聞くであろう?」
殿様の璃姫への優しげな表情を見て恋情ではない父性による愛しの娘姫への愛情であるものだと感じ取った王ドラはやはりサタンとは違うと思った。殿様が月だというなら、サタンがすっぽんである方が正しいのか。
王ドラ「分かりました。必ず璃姫の護衛をしながら英霊剣豪アサシン・舞々の退治の任務を果たします!」
璃「ありがとうございます。私や父上の気持ちを考えてくださって・・・」
すると、璃姫は以蔵を見て思わずびっくりしながら目を逸らした。
以蔵「えっ;なんじゃあ?」
トリスタン「何かしたわけではなさそうですね」
以蔵は璃姫の態度に大層困惑していた・・・。
その翌日。以蔵達一行は殿様に呼び出され、一応の把握のために城内のあらゆる場所を照に案内されていた。
王ドラ「小屋なんかあったのですねー。あ、あそこの池にも変な顔した鯉がある」
以蔵「変な顔とか言ったらわしら全員首刎ねられるき;」
照「いいのですよ。殿様も変な顔だと分かっていてもそういう趣味を好んでいらっしゃったので」
トリスタン(本物と違うと言っても悪趣味さは別の意味で同じなのですね・・・;)
アサト「・・・」
すると、アサトに見られていることに気付いた照は彼に尋ねる。
照「貴方、こないだから私の顔に何かついてますか?」
アサト「いや・・・つか、あんた、否定されるのは承知だけど、どっかで会ったことあった?」
アサトの問いに照は思わず首を傾げた。
照「いえ・・・ごめんなさい、貴方は美しい造形の顔立ちの持ち主だから忘れないはずなのに・・・」
アサト「いや、俺も。変なこと聞いて悪かったな(やっぱりこの女から感じた違和感は気のせいかな・・・」
すると、そんな二人を冷やかすかのような声が聞こえた。殿様の付き人の一人である斎藤一だ。
斎藤「あれー?照、こんな美形にナンパされてるの?」
照「斎藤!」
以蔵&王ドラ(げっ;)
アサト(二人がすげー嫌な顔してるなー;)
トリスタン(以蔵殿は彼が本来であれば壬生浪の新選組ですから理由はなんとなく分かりますが、なぜ王ドラ殿は嫌なのでしょう?)
すると、斎藤はアサトの他にいる三人に気付いた。
斎藤「あれ?こないだ俺を睨んでしかも一人は無言で啖呵まで切ってくれた人斬りと可愛い武器商人の二人じゃない。二人目の英霊剣豪、よく倒せたねー。あれ、めちゃくちゃ油断ならないアーチャーなのに」
以蔵「・・・」
斎藤「可愛い武器商人ちゃん、隣に別の男を侍らせてんだねー。どんな手を使ったか知らんが、よく分からんような変な術をその男にかけてんだね。仲間増やすのに上手く立ち回ったもんだ」
王ドラ「・・・っ!!」
すると、王ドラは斎藤をぶん殴ろうとしたが、察したトリスタンが咄嗟に制した後に斎藤に言い返す。
トリスタン「楽殿は私に術など使っていません。私が自分の意思で近くにいるだけです。貴方の毛嫌いする以蔵殿の味方になっているだけでそれは流石に酷いのではないですか?楽殿は以蔵殿の実力を認めた上で尊重していますが」
王ドラ「・・・!」
アサト(^ω^#)←斎藤を見てるも目が全く笑ってない
斎藤「あー、なんかごめんね;試すために利用するのも殿様の手段だもんね。まあ、二日後の璃姫の護衛、頑張ってね!」
斎藤はそう言って立ち去った後にトリスタンは王ドラに声をかける。
トリスタン「楽殿。今は大丈夫ですよ。私が代わりに言い返しましたので」
王ドラ「・・・私を制する時に抱きつくのやめてくれませんか?」
トリスタン「はは、すみません。こうできるのはこの時限りかもしれませんので(あれ?同じ同世代のドラリーニョ殿になら嫌がりませんのに、嫌な顔したのはなぜ?」
すると、殿様の男中の一人が「大変だ」と大声を上げていた。
王ドラ「そうです、この人妻好き男にセクハラされました」
トリスタン「おお、私は悲しい・・・」
男中A「そうじゃねーよ!姫様が突然倒れたー!!」
璃姫が倒れたと聞いて照も含めた以蔵達一行は駆けつける。時に下女達や女中達と共に介抱していた殿様に事情を聞く。
以蔵「何があったんじゃ?」
殿様「それが突然倒れたらしいのだ。原因不明の高熱だそうだ・・・」
アサト「このまま倒れたら埒があかねーな。治る見込みはないかい?」
アサトの問いに殿様は答える。
殿様「高熱が治る薬草がこの城下町近くの山にあると聞く。ただし、私が行くとなると親であっても民もいい顔はしないだろうな」
王ドラ「じゃあ、私達が採りますよ。少なくとも今日の夜までには戻って来ます」
殿様「本当か?ではそれを君らにお願いする。だが、照。お前は彼らに付いててくれるか?」
照「!はい」
その光景をどこか気にかけるかのように斎藤がこっそりと隅から見ていた・・・。
はっきりと言いますが私は一ちゃんが嫌いではないですOTLただ生前の因縁の関係で以蔵さんを煽りまくってるだけですOTL
- 第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に(その2) ( No.14 )
- 日時: 2023/02/02 19:58
- 名前: 桜 (ID: Zp53hDuK)
薬草探し
城下町近くの山。この山の中に璃姫に飲ませる薬草があるというので以蔵達一行は殿様が描いた薬草の絵図を持ってそれを探していた。
以蔵「殿様が描いた絵図、一発描きでの筆だから少しぐらいは分からんぜよ;」
王ドラ「その特徴にあるものはあんまり見かけませんし・・・」
アサト「あ」
すると、アサトは山の中の川に流されている箱の中から猫のような鳴き声がした。
アサト「おい!川に流されてる箱の中は猫じゃねーか!?」
照「あっ、ホントだ!この山の中、里の者や一部の町人が子猫や子犬を捨てていると聞きましたが、まさかこれほどまでとは・・・!」
王ドラ「ならば助けないわけには行きませんね。ホアチャア!」
すると、王ドラは川の中に飛び込んで子猫がいる箱を掴んだ!
以蔵「楽!掴んだか!」
王ドラ「ええ。あとは箱を持ってここまで泳いで戻ればだいじょ・・・」
すると、王ドラに足がつってしまった!
王ドラ「ア゛ヂャッ!!!」
以蔵「わっ!!」
王ドラがその勢いで飛ばしてしまった箱を以蔵がキャッチする!以蔵がキャッチしてくれたおかげで箱の中にいた二匹の子猫達は無事だ。
以蔵「なんとか無事じゃ・・・が・・・;」
アサト「おーい!!楽ーーーーーっ!!!」
王ドラは川の中に流され溺れかけた最中に頭がよぎった。
こんな悲しみに包まれた世界に以蔵さんと一緒に飛ばされて、その末の死に方がこれ?なんだこれ。こんな死に方、絶対にアホじゃないですか・・・。
すると、意識が朦朧とする中である手が王ドラを掴んだ!王ドラはそれを僅かに捉えた。それは自分が今も一番にムカついてるあの英霊の・・・
王ドラ「!!」
王ドラは目を覚ましたら山の中にいた。自分は生きている?ということは川の中から生還できたのだ。隣にはトリスタンが付き添っていた。
王ドラ「・・・生きてる」
トリスタン「そのようですね」
王ドラ「あの子猫達は?」
トリスタン「今無事ですよ。以蔵殿がキャッチしてくれました」
王ドラ(以蔵さん、すみませんOTL)
トリスタン「あんな川に飛び込むとは、私を頼ればよかったものを・・・」
王ドラ「悪かったですねあんたほど不器用じゃなくて・・・?なんで、あなたも濡れているのですか?」
王ドラの問いにトリスタンは答えた。
トリスタン「ふふ。私も川を覗き込んだら恥ずかしながら溺れてしまいました」
王ドラ「は?なんで奇行に走るんですか・・・;」
トリスタンはそう言ったもののそれに関して嘘を含めていた。何せ彼は川に飛び込んで王ドラを・・・。トリスタンはくるりと振り向きながら言う。
トリスタン「貴方の顔は水も滴る美しい少女という形ですね」
王ドラ「うっざいですね;なぜにそういう言葉が出てくるんですか」
トリスタン(彼の顔は明らかに嫌そうな部分ですね。特に色恋に関しては・・・これはまさか)
すると、トリスタンは聞く。
トリスタン「王ドラ殿、もしかして恋愛に関してウブすぎる思春期のDTじゃないですか?しかも、女性に対してはかなりのあがり症の照れ屋で(あれ?一瞬ピクってなった?「そんなわけないだろこの二股男」って言う前よりもさらに豚を見る目で、もし戻ったとしてもさらに嫌がられるのでは・・・」
しかし、それを言われた時の王ドラの顔は彼の予想外なものだった。王ドラが見抜かれた驚きで顔が真っ赤になっていたからだ。
王ドラ「・・・っなぜわかったのですか?」
トリスタン「え?え?まさか強いのにそんなこと・・・え?」
王ドラ「・・・絶対に答えたくないです」
トリスタン(ま、まさか・・・)
トリスタン(女 性 や 恋 愛 事 に 対 し て あ が り 症 の ウ ブ な ツ ン デ レ !!?)
この時点でトリスタンはある考えについた。王ドラは明らかに本質的には自分のドストライクなタイプの一つなので、「王ドラのまだ経験してもいない初めては自分がもらう」と・・・;
トリスタン「王ドラ殿。今晩一晩付き合ってくれたら「できるか!!!」
トリスタンを蹴った王ドラは思わず走り去ろうとするが、その拍子でこけてしまった!
王ドラ「なんでここに小石が・・・!」
すると、王ドラは見つけた。殿様が言っていた例の薬草を・・・!
王ドラ「見つけたー!!!」
以蔵やアサトや照が合流した後にすぐにその薬草を持って殿様がいる城に戻った。殿様はそれを聞いて思わず喜んだ。
殿様「見つけたか!これを璃に飲ませる。その薬草を使って薬を作れ!」
男中B「はっ!」
付き人達がその薬草が材料の薬が完成するまでの間は以蔵以外の全員は璃姫に付き添っていた。以蔵はどうせ嫌がられるかなと思って遠慮したそうだ。
殿様「璃。薬を飲ませるからもう大丈夫だ・・・」
王ドラ「よほど苦しそうですね。高熱がよほど・・・ん?」
すると、王ドラは璃姫を見て違和感に気付いた。
王ドラ「殿様。これ、病ですか?」
殿様「?どういう意味だ?」
王ドラ「薬できたとしても治る可能性が低いのでは?」
アサト「えっ!?どういうことだよ!?」
すると、璃姫が薄らと目を開けた。
璃「父上・・・?」
殿様「璃。突然の高熱で倒れてたんだ。待ってろ今男中が薬を・・・」
男中C「殿様!お待たせしました、薬です!以蔵殿も例の薬草を採ってくれていたので!」
すると、璃姫が突然立ち上がってその薬を男中Cから奪うようにして震える。
璃「以蔵さんが採ってくれましたの!?」
殿様「ああ。まだ寝なければ体調がさらに悪く・・・」
璃「今からお礼に言ってきます!!」
璃姫が嬉しそうに以蔵のところに駆け出す!その有様は大半の全員が驚いていた。
トリスタン「え・・・高熱も治って嬉しそうに・・・なぜですか?」
王ドラ「わかりましたよ。璃姫の病名が・・・」
殿様「なんだ?なんなのだ?」
すると、王ドラは目を少女漫画のようなキラキラ目にしながら言う!
王ドラ「それは・・・恋です!!必要なのは以蔵さんの愛ですね!」
大半の全員「」
この時に大半の全員は思った。「まさかの高熱の原因はこれ?」と。
トリスタン「私は悲しい・・・なぜにこのトリよりもキャンキャンと鳴く可愛らしいポメ犬系の以蔵殿の方が魅力的に見えるのか・・・」
うちの以蔵さんはサンソン君同様に不名誉ながらに男女問わずにモテる設定(ぇ)
- 第三の巻:恋せよ浪漫、忍の花に(その3) ( No.15 )
- 日時: 2023/02/02 20:01
- 名前: 桜 (ID: Zp53hDuK)
思わぬ不穏な事態が・・・
その翌日の夜中。とある者が城外の木の上から城の様子を探っていた。英霊剣豪のアサシン・舞々だ。
英霊剣豪・アサシン(結構な警備の数ですね。だが、どこかに必ず城に潜入できるような隙間があるはず・・・)
英霊剣豪・バーサーカー「あれっ?まだ頑張ってるっしょ?」
英霊剣豪のバーサーカーの呼びかけにアサシンは振り返った。
英霊剣豪・アサシン「・・・本来ならばセイバークラスで召喚される貴女ならばわかるのでは?」
英霊剣豪・バーサーカー「アタシだってそうだったはずだけど、酷いよねーっ。既に先客がいるからってさー。アタシ、姿もJKセイバー・鈴鹿御前なのにね?」
英霊剣豪のバーサーカーの真名である鈴鹿御前の愚痴に生前から基本的にば妖の類を忌避しているアサシンの顔が次第に険しい顔つきになる。
英霊剣豪・アサシン「・・・今日は何しにきた」
鈴鹿「何もするはずないし。ただ・・・」
すると、鈴鹿御前は何らかのものをアサシンにかなり強引に与えた!
英霊剣豪・アサシン「ぐぅっ!!?何を・・・!!」
鈴鹿「あのお方が渡してこいってさ。こうでもしないと失敗が見えてるっしょ?」
英霊剣豪・アサシン「な・・・!?あ・・・ああ・・・ああああああぁぁぁぁぁっー!!!」
アサシンは自分の霊基をある強化をするために鈴鹿に強引に入れられたモノによる度を超えた激痛の苦しみで絶叫を上げていた・・・
一方同じ頃の城。璃姫がどうしても以蔵達に会いたいと言うので以蔵達一行がそのために訪ねて来たのだ。以蔵は璃姫の様子がなんだかこないだのことまでとは打って変わって違うことに驚いたが、卑屈ゆえに相手からの好意には鈍感であったため璃姫が自分に純粋な恋心を抱いていることは知らないままだった。
アサト「あの姫様といいやっぱりああいうのがモテるんかね?」
王ドラ「以蔵さん、髭があるとはいえちゃんと可愛い顔つきはしてるじゃないですか。・・・あのリア充色ボケのアラビアンとは違って」
トリスタン「あいり嬢一途な方ですよね?それが悪いとはなぜなのですか?」
王ドラ「一途だから厄介なことがあるんですよー。あんたとは違う意味の厄介」
トリスタン「哀しい・・・私があの背が低いアイドルと暗に比べられてものすごく・・・悲しい」
すると、警報らしき鐘の音が鳴った!
アサト「あれっ?何らかの敵襲かぁ?」
男中D「英霊剣豪だ!!英霊剣豪のアサシン・舞々が1日早く来襲しに来やがった!!」
その言葉を聞いた時に三人は驚愕した。あと1日に英霊剣豪のアサシン・舞々が襲撃しに来るのになぜにと!
トリスタン「英霊剣豪!?1日も速く・・・!」
王ドラ「以蔵さん、呼びに行きますよ!令呪!」
その直後に王ドラに令呪で呼び出された以蔵は英霊剣豪が1日も早く来襲しにきたと聞いて驚いた!
以蔵「英霊剣豪のアサシンの奴が!?仕事が早すぎるちょるわ!!」
王ドラ「とにかく璃姫のところに行きますよね?彼女に何かあったらヤバいので」
以蔵「おう。アサシンの狙いは璃姫じゃからのう!」
アサト(鈍感;)
トリスタン(王ドラ殿もこの世界の時のみとはいえ令呪を刻印できるのはもう何がなんだか・・・)
一方、璃姫は以蔵に贈り物の甘栗を渡すために走っていた。
璃姫「以蔵様、喜んでくれるかな?甘栗は口に合えばいいのだけど・・・」
すると、璃姫は何やら城中がバタバタしていたことに気付いた。
璃姫「何事ですか?何かの敵襲ですか?」
すると、璃姫は自分の肩をポンと叩かれたことに気付いた。
璃姫「以蔵様!?いつの間に来ていたので「残念でした」
すると、璃姫はいつのまにか英霊剣豪・アサシンに捕まれたことに気付いた!
璃姫「きゃああああああああー!!!」
英霊剣豪・アサシン「あと1日だと思って油断したのが悪かったですね。ほら、こっちに・・・」
すると、音の刃がアサシンを襲おうとしていた!アサシンはそれに気付いてかわしたが、その拍子で璃姫が解放されてしまう!
英霊剣豪・アサシン「なっ!?」
璃姫「・・・?」
璃姫が恐る恐る目を開けると、そこには以蔵が自分を抱えてくれていた!
以蔵「無事か璃姫!」
璃姫「以蔵様・・・!以蔵様が・・・よかった・・・」
すると、璃姫は思わず安心したのか気絶してしまう!
以蔵「璃姫!?」
王ドラ「安心したことで拍子抜けで気絶しただけですよ。アサトさん、璃姫を見てなさい」
璃姫「了解だよぉ」
璃姫をアサトが守っている中でトリスタンはその真名を探っていた。
トリスタン「様子は藤太殿よりも何か少しおぞましいのは気になりますが・・・貴方はどうやら背丈は低いが、かなりの力技と忍術の腕前の持ち主ですね?頭領の格にも相応しいぐらい」
英霊剣豪・アサシン「・・・」
トリスタン「そこから探ってみたけれど、その力技はそれは流派でもなく貴方特有のものだ」
トリスタン「貴方の真名は、風魔小太郎!風魔も穢れに落ちたとは悲しみに満ちたものである!」
トリスタンに真名を当てられた小太郎はそのクナイを以蔵らに構えた!
小太郎「だったらなんだと言うのだ?いくら我の真名を見抜いたからと弱体化するわけでもないだろう!」
小太郎が襲いかかる中、トリスタンは以蔵に言う。
トリスタン「以蔵殿。貴方は接近戦であのアサシンを応戦を。私は遠方から攻撃する」
以蔵「!また無茶苦茶な物言いじゃが、おまんならやりかねんわ」
以蔵が接近戦で小太郎と斬り合う中でトリスタンは遠方からハープを奏でながら音の刃で小太郎に攻撃する形で以蔵を支援していた。
王ドラ「トリさん、サポートや攻撃も兼ねやがったっていうのが癪に触ります・・・チッ」
アサト「舌打ちはダメだよぉ;トリのサポートや攻撃も兼ねた宝具というのがある意味チートだし、あんたが苦手とするのはわかるねー」
すると、次第に押された形で業を煮やした小太郎が自分の宝具を放った!
小太郎「我の宝具をとくと見よ!【不滅の混沌旅団】!!」
小太郎は風魔の忍の分身を出し、その時に強力な炎が浮かび上がった!
以蔵「炎か!?わし、自分にスキルの回避をかけたのに必中する気か!!」
トリスタン「あの宝具に必中付与は・・・!!必中・・・そうか、それが貴様の植え付けたおぞましいものか!!」
小太郎「あの者が我にこの強化を付与したからな。付与された時に凄まじい痛みが襲ったが・・・そのおかげでこの城に侵入はできた。さぁ、とっとと倒れろ!!」
小太郎はまた宝具を放とうとするが、それを予期したトリスタンは王ドラに言う!
トリスタン「楽殿。今なら私に命令権を発動させれますよ。私に力を!」
王ドラ「!あなたは一度言ったら聞かないから応じてやりますよ!アーチャー、トリスタン。令呪を以て命じる!あの英霊剣豪のアサシンにありったけの力を!」
令呪を発動した王ドラに力を与えられたトリスタンは宝具を小太郎に放とうとした!
小太郎「我が心のままに地に堕ちろ!【不滅の混沌旅団】!!」
トリスタン「熱くしすぎたその頭を冷やせ!【痛哭の幻奏】!!」
トリスタンと小太郎が互いの宝具をぶつけ合う中、その光景に大半の全員が驚いた。トリスタンは息切れしたままであるが、小太郎の方は何も動じなかった。
しかし、倒れたのは・・・小太郎の方だった。
小太郎「我の必中付与された宝具を越えたありったけの宝具返しとは・・・不覚」
疲れ切って消滅しに行く小太郎をトリスタンはその頭を優しく撫でた。
小太郎「?なぜに我を介抱する・・・?」
トリスタン「介抱ではありませんよ。ただ貴方は英霊剣豪として召喚されただけでなく、その霊基による宝具にあんな必中付与まで与えさせられていた。貴方の因果は結果的に我が宝具の空気撃ちにより解放された。だから、最後はその褒美も兼ねて優しく送り出すのが良いではないかと」
小太郎「・・・。貴様はやや自分勝手だが変わってるな。こんな、馬鹿なことしてくれた僕に対しても、慈愛を以て優しく接するとは・・・」
小太郎はそのまま消滅したあと、王ドラはトリスタンに声をかけようとした。
王ドラ「トリさん・・・」
トリスタン「いいのです。私が望んだことです(しかし・・・あのアサシンにあのようなものを与えたのは誰でしょうね・・・」
一方、それを遠くから見ていた英霊剣豪のバーサーカーの鈴鹿はトリスタンの技量については感心していた。
鈴鹿「ふーん。あいつ、なかなかやるし。あのアサシンを二人も連れた武器商人を名乗ったオレンジのタヌキのような娘?も気になるけど、あのアーチャーは円卓騎士だけどいろんな意味で一番厄介な相手っしょ?」
すると、鈴鹿は自分に報告しに来た一人の人物に気付いた
鈴鹿「ああ、あんたか。あのアサシンの強化付与のあえての見張りありがとね。・・・なんで暗い顔してるの?殿とは違うあんたのご主人様の顔に泥を塗りたくないよね・・・照」
照「・・・」
その翌日。三人目の英霊剣豪を倒したことで殿様からお墨付きをもらった以蔵達一行は紅孔雀亭で四太郎や阿美に城内で起こった話を語り聞かせていた。
阿美「璃姫様、明るくて可愛らしいお姫様だから羨ましいー!」
四太郎「城内では池がある」
以蔵「まあ、璃姫は当初はわしを避けてたがな」
お紅「鈍感なのはある意味厄介ですわねぇ・・・」
以蔵「?」
すると、王ドラが以蔵に声をかけた。
王ドラ「以蔵さん。これを一旦貸しますので帰れたら後で返しなさい」
以蔵「?おまんの鈴を付けた赤とかの紐?」
王ドラ「私のスペアの鈴です。それを使ったお守りです。ミサンガのようなものらしきですけど」
以蔵「おん。一応は持っとくわ」
王ドラ「!ありがとう」
そんな二人のやり取りにアサトは王ドラにミサンガを強請った。
アサト「ねぇ、俺にはないのかぁ?」
王ドラ「ないですよ。ついでにトリさんの分も」
アサト「えーっ!ずるーいっ!あ、そうだ。イゾーに大好きな金を与えて報酬としてもらえれば」
※しばらくお待ちください
アサトだったもの「」
以蔵「わしはえいから、こいつにもミサンガ作りいや・・・;(四太郎と阿美の目を隠してる」
四太郎&阿美「?」
王ドラ「以蔵さん、甘やかさなくていいです!!(手にはケチャップ」
その夜中。ただ一人眠れなかった王ドラは静かに部屋から出ていた。
王ドラ(なんでこんな時に眠れないんですかね)
すると、王ドラはトリスタンのハープの音色を聞いた。それはいつにもまして悲しみに満ちた音だった。
王ドラ「?」
一方、トリスタンはハープを奏でながら何か嘆いていた。
トリスタン「・・・ごめんなさい。そばにいたかったのに守ることもできずに。だからこそ探していつか見つけ出す。誓います。たとえどんな出来事が降り掛かっていても。私、の・・・」
すると、トリスタンは王ドラに気付いた。トリスタンはすぐさまハープを止める。
トリスタン「王ドラ殿。起きてたのですね。すみません、起こしてしまいましたか?」
王ドラ「いえ、なんだか眠れないなと思って。そしたらあなたの悲しげな音色が聴こえたから」
王ドラは近すぎず離れすぎずの距離感を保ちつつトリスタンの隣に座る。トリスタンは王ドラに聞く。
トリスタン「そういえばですが、貴方は私とイゾルデの物語やブリテンのアーサー王物語を知らないわけではないですよね?」
王ドラ「はい。でも、物語としてなら読んでましたよ」
トリスタン「・・・そうですか」
王ドラ「でも、本の中だけで細かい部分は知りませんよ。そういや何も知らないなと思いましたね。だから、こんな眠れない時には夜咄として聞かせてくれませんか?」
王ドラの申し出によりトリスタンはあることを話す。
トリスタン「一つだけならお願いがありますが」
王ドラ「?」
トリスタン「貴方達のこれまでの友情やチェリーワールドなどに関する出来事や冒険譚を、貴方の口から私に聞かせてくれませんか?それならば対等の報酬にはなり得ます」
王ドラも自分と同じようにトリスタンもこれまでに起きた出来事に関する数多の冒険譚などを知らないなと思い、少しは勉強になるだろうなと思いそれを承諾した。
王ドラ「あ、こんな時に襲おうとしたらさらに嫌いますからね」
トリスタン「私は悲しい・・・」
続く・・・!
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