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社会問題小説・評論板
- Re: ——何のために チャットと現実。 ( No.107 )
- 日時: 2008/09/27 16:49
- 名前: 夕菜* ◆oqy8txDRAI (ID: 84ALaHox)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=10043
No.28
『えー、これから、全校集会を始めます。礼』
何を話されるのか、皆はワクワクしっぱなしだった。
『校長先生のお話。礼』
『皆さん。今日はマスコミ等が騒ぎ立てていますが、気にせず過ごしましょう』
何が気にせずだよっあんたらの方が気にしてるじゃんか・・・
『今日集まってもらったのは、2年A組に所属する須藤綾が亡くなった事件に関してのことです』
僅かながら、空気が揺れ校長の一言のせいで緊張をもたらした。
『須藤さんは詳細を述べると、両親に殺されてしまったのです』
ここでわざとらしくハンカチを手に取り、目尻を拭ってみせた。
『こんなことが本校で起こるなんぞ、もちろん私共も吃驚しました。ですが、ここで私達は負ける訳にはなりません!』
バンッと文字通り勢いよくステージ上の机をぶっ叩いた。
なんでここまでバカみたいに気合が入ってんだとか思ってふと後ろを見ると、
保護者席から、保護者が食い入るように校長を見つめていた。
こいつは、校長は、保護者からのクレームを避ける為にこんなに気合が入ってんのか・・・
大人は、バカだなぁ———
『そこで、私達は立ち上がったのです!』
と、力でも見せるかのように拳を振り上げアピールしてみせたが、空気は逆に冷え冷えとした。
『ご、ゴホンっ!え、っと、私達は須藤綾の一件を機に少しでもこの学校を良くしようと致します!』
『こ、これで!校長先生の話を終わります!礼』
こんな中途半端な話で終わって納得する人もいる訳なくて。
「「おいおい校長!」」
「「ふざけんなよ!!」」
「「人が一人死んでんだぞ!!」」
「「これで納得するかよ!」」
怒号がちらほらと聞こえて、先生の制止の声も混じって———
でも、何よりも
こんな集会で終わらされた、
綾がカワイソウだった———
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