社会問題小説・評論板

Re: 。+SUNSET+。−執筆開始− ( No.4 )
日時: 2008/09/23 16:26
名前: 春姫*はるき* ◆Opq5SLcSGY (ID: NqI69cgO)
プロフ: http://ameblo.jp/kidaremonn/

*The 1st story*

ドア越しに、クラスの人たちの声が聞こえる。

「ねえ知ってた〜?今日転校生来るって」
「まじ?全ッ然知らなかったんだけど」

先生といっしょに教室に入ると、教室は
水を打ったように静まった。

「はい、みんな席つけー。今日から小南中の2の4になる
 転校生の日和 麻二夜さんだ。」

「よろしくお願いします。」

クラスがまたざわつく。私のことちらちら見ながら
コソコソ話してる。

『やっべ可愛くね?』
『えーそう?ブリっこそー』

大丈夫。もう慣れた。前よりマシ。

「うん、じゃあ日和は水橋の隣に座れ。
 一番後ろの窓際だ。」

その席の隣には、にっこり笑った可愛い子。
席に着くと、さっそく話しかけてきた。

「前はどこ中だったの?」

「言ってもわかんないと思うよ?けっこう遠くだし」

「そっかぁ。じゃあ、わかんないことあったら
 なんでも聞いて?」

その子はきれいな髪をいじりながら、微笑みかけた。

「うん。ありがと!!」

————————————————————

「ね!お弁当いっしょに食べていいかな?」

「うん、いいよ!」

お昼になると、水橋さんとその友達が集まってきた。

「ってか、あたしまだ名前ちゃんと教えてなかったね。
 あたし水橋 咲。咲でいいよ♪」

咲が自己紹介すると、続けて咲の友達が名前を言った。

「私は須藤 奈津子。なつって呼んで!」

メガネをおしゃれにかけてる、ショートの女の子。

「うちは熊谷 優衣。ゆーって呼んでね〜♪」

ポニーテルで、顔がちっちゃい女の子。
さっきまでかわいいお弁当をつっついていた咲が、
突然話しかけてきた。

「ねぇ!麻二夜ちゃんのこと、まにゃって呼んでいい?」

「え!?いいよ?」

私がそう返事をすると、なつとゆーがくすっと笑って、
耳打ちをしてきた。

「咲はね、呼び名作るのが大好きなの。私は奈津子で
 いいのに、『なつ』って呼んだり、優衣のことは
 『ゆー』って呼んだり。柳先生のことなんか
 『やなやな』って呼んだんだよ。」

「ちょっとー!!なつー!!なにこそこそしてんの!
 あ。あたしのことでしょ!もー!!」

咲はほっぺを膨らませながら机をバンバンたたいてる。

「咲はね、怒ると強いんだよ〜」

ゆーが笑いながら話しかける。
私も、おもいっきり笑って見せた。

——————————————————

「私の家ここだよ。」

咲は背伸びすると、子供みたいな笑顔で言った。

「ここがまにゃの家か〜!」

「送らせちゃってゴメンね」

「ううん!まにゃの家の場所もわかったし♪
 じゃあ、ばいばいッ!!」

咲と別れ、家に入ろうとすると、後ろから呼び止められた。

「あんた、誰?」

振り向くと、そこには背の高い男の子。

「え、あ、最近引っ越してきたんだ。今日転校して
 小南中に行ったんだけど、知らなかった?」

その男の子は、しかめっ面でしばらくうつむいていると、
また顔を上げた。

「ごめん。知らないや。やっぱ。」

「そっかぁ。私、日和 麻二夜っていうの。
 よろしくね?」

笑顔を作って見せると、その子は首をかしげた。

「変な名前。俺、関根 拓。家隣。よろしくな」

そして右手を差し出す。その右手を握ろうと
して手を伸ばすと、私の手は勢い良くはじかれた