社会問題小説・評論板
- Re: 。+SUNSET+。−第3話追加− ( No.14 )
- 日時: 2008/09/26 16:06
- 名前: 春姫*はるき* ◆Opq5SLcSGY (ID: 8Tlqu13n)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=10154
*The 4th story*
次の日の朝、咲は迎えに来なかった。
昨日私が部活に行かなかったせいか・・・
もしかしたら話を聞かれてたのかも・・・
教室に入ると、昨日までの教室と何か違った。
—咲の机が無い。
—黒板には咲の悪口。
思い出したくない記憶がよみがえる。
平気なフリして席に着こうとすると、なつとゆーが
話しかけてきた。
「ねぇ、協力してくれるんだよね?」
「・・・うん」
「じゃあ、やってくれるよね?」
・・・・・・?
なつから手渡されたのは、清掃用の黄色いモップ。
「これで咲を殴って欲しいの。教室に入って来た時に。」
つい最近まで咲の友達だった人だとは思えない発言。
咲のことをかばってた女子も、みんな目をそらす。
『あたしはかかわりたくない』って顔をする。
「これであいつも少しは人の痛みをわかってくれるでしょ」
「こんな・・・の・・・」
「やってくれるよね?」
いきなりなつとゆーの二人に肩をつかまれる。
男子も、女子も、みんな見てないフリをする。
—やるしかないの?
ドア付近にいた女子が、私に向かっていった。
「ホラ、来たよ」
教室のドアが開く瞬間、私はモップの柄をぎゅっと
握りしめていた。
そして、目の前の私にびっくりした咲がたずねる。
「な・・・に・・・?」
私はモップを高く振り上げた。
そして床に投げつけた。
「!?」
なつとゆーが固まる。
「ちょっと、何してん
「こんなのダメだよ!!」
静まる教室。さっきまで目をそらしてた人も、
みんな私を見てる。
「私にはできない・・・。初めて会った私に、優しく
してくれた人に、こんなことできないッ!!!」
しばらくの沈黙。
そして、その沈黙を破るように、先生が教室に入って
きた。
「おい、もうチャイム鳴ったろ?みんな席着け!」
私は急いで黒板に書いてあった咲の悪口を消そうと
すると、黒板にあった文字はすでに消えていた。
—誰かが消した。
—咲に味方してるのは、私だけじゃない。
私は咲の手を引いて、席に着いた。
その後に続くように、みんな席に戻った。
なつとゆーは、やっぱり私を睨んでいた。
でも私は満足だった。
“私が咲を助けた”と。