社会問題小説・評論板
- Re: 。+SUNSET+。−第4話追加− ( No.15 )
- 日時: 2008/09/26 16:41
- 名前: 春姫*はるき* ◆Opq5SLcSGY (ID: 8Tlqu13n)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=10154
*The 5th story*
お昼の時間、私は咲に笑顔で話しかけた。
なつとゆーの視線など気にせずに。
「咲、いっしょにお弁当食べよ?」
「・・・うん。」
机を咲の机と向かい合わせにくっつけると、
私はさっそく食べ始めた。
でもは何も食べない。プラスチックのフォークで
ずっと卵焼きをつっついている。
「食べないの?」
「・・・・・・」
「あ、あんなことがあったんだもんね・・・。
私、咲のこと大好きだったのに、すぐに守って
あげられなくてごめんね?」
咲の顔を覗き込むと、咲は静かに微笑んだ。
私もほっとして笑いかけた次の瞬間、左の太ももに
激痛が走った。
自分の太ももを見ると、咲のかわいいピンクのフォークが
突き刺さり、血がにじんでいる。
咲の顔を見ると、先は私を睨んでいる。
「偽善者ぶってんじゃねーよ」
「・・・ッ!!」
さらに深くフォークを突き刺された太ももが、
ズキズキと痛む。
「何の・・・こと?」
「とぼけてんじゃねーよ。なつとゆーが私をいじめるって
言った時、あんた協力するって言っただろ?」
「・・・聞いてたの?」
咲はフォークを私の太ももから抜くと、話し始めた。
「なかなか部活にまにゃが来ないから、心配して
迎えに行ったの。そしたら、なつとゆーの声も
聞こえて、『咲をいじめようと思うの』って
聞こえた。」
咲はキッと私を睨んだ。
「そしてあんたの『協力する』って声が聞こえた!」
私の太ももに、勢いよくまたフォークが突き刺さった。
「痛いッ!!」
今度こそは耐えられず、悲鳴をあげた。
クラスの全員が私を見る。
なつとゆーは、『いい気味』とでも言うように、
私を見て不敵に微笑んでいる。
咲は私の耳元でささやいた。
「“助けて”って叫びなよ。“私咲に殺されちゃう”って!」
涙があふれた。
転校して、やっと手に入れた、優しい友達、楽しい日々。
それが今、ガラガラと音を立てて崩れ始めた。