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社会問題小説・評論板
- Re: 。+SUNSET+。−第6話追加− ( No.34 )
- 日時: 2008/09/26 22:56
- 名前: 春姫*はるき* ◆Opq5SLcSGY (ID: 8Tlqu13n)
- プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=10154
*The 7th story*
私は立ち上がると教卓の横にあるゴミ箱をあさった。
弁当箱だけでも持って帰らないと、お母さんに
心配をかけてしまう。
「お、日和はゴミ箱をあさりだした!」
男子がはやし立て、女子がクスクスと笑う。
そんなの、気にならなかった。
「・・・あった」
私の右手には、チョークの粉やホコリまみれになった
黄色い弁当箱。
「日和は弁当箱を見つけた!」
男子は相変わらずふざけている。私はその男子に
一発言ってやろうかと立ち上がった。
・・・でも、それじゃ前と同じくり返し。
じゃあどうしたらいい?
「もー、使い捨てじゃないんだから、ゴミ箱捨てないでよ
咲ー!」
私は、なるべく元気に、笑顔で言った。
男子も女子も咲も、固まっている。
私は弁当箱を持って席に戻ると、咲の方を向いて言った。
「ま、洗えば使えるんだけどね♪使い捨てじゃないから。」
「あんた・・・」
咲が何か言いかけたけど、私の言葉がそれをさえぎった。
「片付けてくれてありがとうね、咲。」
私がそう言うと、チャイムが鳴って、先生が入ってきた。
これなら私、きっとやっていける。
前みたいにならない。きっと。
「あ、そうだ。咲?」
「何よ」
「私ね・・・咲のこと、信じてるから。」
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