社会問題小説・評論板
- Re: 。+SUNSET+。−第8話追加− ( No.94 )
- 日時: 2008/10/02 20:08
- 名前: 春姫*はるき* ◆Opq5SLcSGY (ID: pLBaa8kf)
*The 9th story*
私は当てもなく歩き回った。
たどり着いたのは近所の公園。
錆びて古くなったブランコに腰掛けると、
頭の中で同じ言葉を何度もつぶやく。
—私はひとりぼっち
—私はひとりぼっち
「日和?」
驚いて振り向くと、そこにはスーパーの袋を持った
拓の姿。拓は私の顔色を確認すると、持っていた袋を
横に置き、私の隣のブランコに座った。
「何かあった?」
「何も・・・無いよ。私・・・1人なの。」
「何で?」
「私・・・友達いないもん。」
自分ではなるべくそっけなく言ったつもりだけど、
声は震え、頬には涙が伝った。
「あんた・・・何で1人で抱え込むんだよ。」
「だって・・・友達いな
「俺は!?・・・俺のこと、『友達』って思ってくれて
いいんだぞ?」
拓の目は、真剣だ。
「・・・でも私、拓も傷つけちゃうかも・・・」
私がそう言い終える前に、拓は私を抱きしめた。
「・・・拓ッ!?」
「そんなの気にすんなよ。友達ってそういうもんだろ?」
ずっと締め付けられてた胸が、一気に緩む。
私は拓を抱きしめ返した。
「ありがとう・・・」
突然拓は私からパッと離れると、大きな声で言った。
「あッ!!俺女アレルギーなのに今何も出てねえ!!」
拓は子供のような笑顔を見せた。
「・・・ねぇ、何で拓は女性アレルギーなの?過去に何か
あったりしたの・・・?」
私がそう聞くと、拓は困った顔をした。
「引かれるとヤダし。」
「友達でしょ!!」
拓はあきらめたのか、静かに話し始めた。
「俺、中1の時問題起こしてさ。避けられてるんだ。」
「問題って?」
「人を殺したんだ。」
「・・・え・・・?」
「友達ともめ合って、窓から突き落とされそうに
なったんだ。それでとっさに身をかわしたら、
俺の代わりにそいつが落ちて・・・」
拓の手が小刻みに震えている。
「俺は・・・自分の親友を殺したんだ・・・ッ」
「ちゃんとした正当防衛だよ!」
「ああ。警察もそう言ってた。・・・でも捕まってれば
よかったんだ。その後、周りに冷たくあたられて
・・・特に女子。女だと手ぇ出せねーじゃん?
・・・給食に雑巾の絞り汁入れられたりとかして。
それで女アレルギーなのかもな」
そんなことが・・・あったんだ。
「学年変わってクラスも変わった。
・・・でも状況は変わってない。」
「拓・・・。私も頑張るから、拓も頑張ろう?」
私の言葉を聞くと、拓は優しく微笑んで、
勢いよく立ち上がった。
「よし。じゃあ行くか!!」
「え?行くって・・・どこに行くの!?」
拓はそのまま私の手を引いて走る。
「俺の特別な場所!!」