社会問題小説・評論板

Re: わたしはウイルスじゃない ( No.206 )
日時: 2009/02/21 22:46
名前: クッキー ◆7.uwki1uEg (ID: bzx3l0Dz)

〜40話〜

黒板には美紗と拓也の大きな写真が貼ってあった・・・

逃げるときに美紗の手をつかんだあの時に撮られたものだった・・・

拓也 「誰だよ、こんなことしたの!」

夏海 「人の彼女を奪おうとするなんて・・・」

勇樹 「・・・」

美紗 「違うの!ちゃんと聞いて!」

夏海 「どこが違うって言うの?」





美紗は休み時間になるたびに勇樹を説得させようとしていた。

美紗 「勇樹、ちゃんと聞いて。」

勇樹 「俺には関係ないし。」



〜昼休み〜

拓也をロープで縛り、ゴミとともにゴミ袋に押し込もうとしていた。

拓也 「放せ!」


美紗 「本当は、わたし・・・大地先輩にキスされるところだったの!」

勇樹 「・・・はぁ?」

美紗 「そこを拓也に助けてもらったの。」

勇樹 「・・・」

勇樹は拓也のほうを黙って見ていた。

美紗 「だから、助けてあげてよ。」

勇樹 「・・・翔。」

翔 「何?」

勇樹 「ちょっとコイツ、シメてくるから。借りるよ」

翔 「別にいいけど・・・」

美紗 「勇樹!な、なに考えてんの!?」

勇樹 「来い。」

拓也の襟首をつかみ、隣の隣の理科室に連れて行った。

拓也 「何だよ・・・それと、何で理科室なんだよ?」

勇樹 「人が来ないから。」

美紗 「勇樹、ちょっと、何考えてるの?」

勇樹 「そんなに俺が、ひどいことをするように見えるか?」

美紗&拓也 「・・・・・・」

拓也のロープを解いた。

拓也 「ありがとう・・・」

勇樹 「・・・・・・本当に大地先輩にキスされそうになったのか?」

美紗 「それもそうなんだけど・・・大地先輩が拓也に・・・」

拓也 「そんなこといいだろ・・・」

美紗 「でも・・・」

勇樹 「拓也にどうしたんだよ?」

美紗 「・・・キスしろって言ったの。」

勇樹 「拓也が・・・美紗に!?」

美紗 「うん・・・」

勇樹 「・・・したのか?」

拓也 「する訳ないだろ。美紗のことを思えば出来るわけないだろ・・・」

勇樹 「本当に何も分かってないよな。勉強できて、運動できて、顔もいいくせにその辺は鈍いよな・・・」

拓也 「どういうこと?」

美紗 「勇樹、やめて。」

勇樹 「だから、美紗は・・・お前のことが好きなんだよ・・・」

拓也 「・・・はぁ?」

美紗 「・・・なんで、言うのよ。」

そういえば・・・

『 「美紗は、勇樹が好きなんだろ?」
「ちょっと自分でもわかんないの・・・拓也に優しくされると・・・」 』

なんてことがあったような、なかったような・・・

拓也 「勇樹と美紗は付き合ってたんじゃないのか?」

勇樹 「別れた。美紗が拓也を好きだって言ってから・・・だから、ただの友達。」

拓也 「勇樹だって好きなんだろ?」

勇樹 「美紗が好きなのはお前だけだから。俺のことは気にしないでいいから。両想いなんてそんなに滅多にあることじゃないぞ。いっそ、付き合っちゃえば?なぁ、美紗。」

美紗 「わたしじゃダメかな?」

拓也 「・・・悪いけど、それは断る。」

勇樹 「何言ってんだよ!」

美紗 「いいの。本当にごめんね。」

拓也 「俺だって美紗のこと好きだけど・・・」

勇樹 「お前、本当にバカじゃないの!」

拓也 「だって、勇樹にみたいに強くないし、勇樹の彼女とるつもりないから。」

勇樹 「だから、別れたって言ってるだろ!」

拓也 「美紗が俺を好きになっちまったから別れたんだろ?」

勇樹 「俺のことは気にしなくていいから・・・もう、授業始まるし、先に行ってて。」

拓也 「そうか・・・分かった。」

拓也が出て行ったのを確認してからその場に座り込んだ。

勇樹 「はぁ・・・はぁ・・・」

夏海 「とうとう美紗を拓也に取られちゃったね。」

勇樹 「何、盗み聞きしてるんだよ!お前には関係ないし!」

夏海 「なんでそんなに美紗と拓也をくっつけようとするの?」

勇樹 「美紗の幸せは俺の幸せだから・・・」

夏海 「かっこつけたこと言っても辛いのは勇樹だけじゃないの?今だって溜息ばっかりついてたじゃん。」

勇樹 「お前には関係ないだろ!」

夏海 「図々しいってこと。拓也が・・・今までいじめてたくせに・・・そのうえ人の彼女を奪うなんて・・・それでも拓也のこと何も思わないの?」

勇樹 「何でそんなに拓也のことを悪く言うんだよ?」

夏海 「じゃあ、何でそんなにかばおうとするの?」

勇樹 「あれでも、俺にとっては大切な人だから・・・いじめるのやめてくれない?」

夏海 「いじめてなんかないわよ。ただ、遊んであげているだけ♪」