社会問題小説・評論板

Re: __アタシ=お金__ ( No.11 )
日時: 2008/11/23 21:52
名前: 向日葵 ◆wVJ82FmWTk (ID: tMPenRNj)
プロフ: http://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.php?mode=view&no=10459

第五章


薄ら薄ら

聞こえるチャイムが

悪夢の始まりのようで

とても恐ろしかった・・・・・



「はぁはぁ」

急いで教室へ向かう。

泣きたいけど

ずっとあそこで泣きたかったけど

今は学校が優先だと思った。

≪がらがらーっ!≫

教室のドアを開けると

いつもと変わらない教室の風景。

≪あれは・・・夢だったのかな?≫

と、思わせるような感じ。

「あっ、学校来たんだ」

後ろから聞こえたのは桃子の声

体がガクガクと震える。

「なに震えてるの?ばっかみたい」

そう言うと桃子は教室を出て行った。

「桃子ぉ!どこ行くの?」

その後を桜が追う。

「トイレ。この汚い財布捨てに。」

桃子が桜に見せたその財布は

「あたしの・・・財布」

希の財布だった。

「早く行こ」

桃子は一瞬 希を見ると歩き始めた。

「まっ!待って!」

その後を希は追う。

その時だった。

≪ガタァンッ!≫

誰かに足を引っ掛けられて

机にぶつかって転んでしまった。

「いたぁー・・・」

「ごっめ〜ん!分かんなくってぇ〜」

エリカがくすくすと笑いながら言う。

「急ぐから、」

そう言い残して教室を出た。

トイレまで走る。

「ハッハッ、着いた、ハッ!」

息切れが凄かった。

運動・・・してるのに、

個室を見てみるが・・・

「誰もいな————・・・」

≪バン!!≫

誰かに押され

そのまま個室の中へ入ってしまった

そして個室のドアを硬く閉められ

出れなくなってしまった。

「あっ!開けて!」

ドアをバンバン叩くが

開けようとしない

「あんたが捜してる財布って・・・これ?」

個室の上から跳んできた財布。

「ありがとうっ!だからっ開けてっ!!」

ドアをまたバンバン叩く。

すると、

「きゃっ!冷たっ!」

上から水が降ってきた。

上を見上げると

桃子と桜がホースを持って居た。

「冷たい?そう、冬だもんね。」

そういってまた水をかけてくる

たちまち制服はビショビショ

「やっだ〜、ブラ透けてる〜」

桜が笑いながら言った。

「っ!」

すぐさま隠す希。

「誰も見ね〜よ!ばーか!」

今度は桃子がバケツで水をかけてきた。

バケツはホースよりも沢山かかった。

≪キーンコーンカーンコーン≫

チャイムが鳴る

「やばっ!早く行こー」

≪え?≫

「行こ行こ」

≪え?ええ?≫

たちまち足跡が聞こえなくなった。

「置いて・・かれちゃった。」

≪ヒュ———≫

窓からの風が冷たい。

「う・・・ぐ・・・」


窓から入ってくる風までもが

あたしを虐めているような感じで

あたしを見て笑っているような感じで

怖かった・・・・・。