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■□第２話□■

「何で？　友達になろうよ！！」

「何でならなきゃいけないの？」

「えっ？　何でって、その……」

もうイヤ、友達とかそういうの。人と関わるのもイヤ—————————

「分かったら静かにして——？」

「……分かった……」

白石さんは、素直に前を向いた。

あたしが後ろを向くと……————

「あ、柚葉ちゃん……」

「えっと……真央ちゃんって呼んでもいい？」

「いいよ、あの、さっきはありがとう————」

それだけ言うと、あたしは前を向いて授業を真面目に聞いているフリをした。










休み時間になると、あたしの周りには人がいっぱい集まった。

でも、友達になろう！　としか言ってくれない。

友達なんか、いらないのに……

「ねぇ、柚葉ちゃんは？　お礼が言いたいの」

話を変えてみたけど……

「あっ……と、柚葉とあまり関わらないほうがいいよ。それより—————」

また戻された。

「いい加減にして！　しつこいよ？　あたし、友達なんて、要らないから！！」

みんな驚いている。

もうヤメテ……

昔のことは——忘れたいの——————

……その時————

「キャァァァアア！！」

大きな叫び声と共に、柚葉ちゃんが教室に飛び込んできた。

その後に白石さんも————

柚葉ちゃんの服は濡れている。

「どういうこと……？」

「あ、真央チャンじゃん♪」

「友達でもないのに気安く呼ばないで！」

「あら、へぇ、そう、分かったわ、桜木さん」

柚葉ちゃんは泣いている。

私は、柚葉ちゃんのそばに駆け寄った。

「柚葉ちゃん！　どうしたの？　大丈夫？」

「うぅ……ヒック——真央ちゃん……だいじょ、ぶだよ」

「桜木さん！　そいつと関わらないほうがいいって！！」

あたしはその言葉に腹を立てた。

人がいじめられてるのに、どうして平気でいられるの？

意味わかんない！！

あたしは、誰かの机を思いっきり叩いた。

バンッ！！！！！

「何言ってんの？　人がいじめられてるのにどうして平気でいられるの？　助けようとは思わないの？」

「……だって、自分が一番大切なんだもん！　いじめられるのはイヤなの！！！」

「うるさい！！」

白石さんの一言でみんなが静まる。

どうやらこいつがリーダーらしい。

「桜木さん……貴方、柚葉の味方をするの？」

「えぇ、そうよ？」

「フフ……いいわ、貴方をいじめてあげる！」

「それで柚葉ちゃんを解放してくれるのなら……」

「分かったわ、明日からターゲットは桜木真央————ね？」