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〜２１話〜

隆史　「あのさ・・・今、こんなこと言っていいのか分かんないんだけど・・・」

結衣　「どうしたの？」

隆史　「あの・・・」

隆史くんは躊躇いながら言った。

隆史　「昨日、雅城が女の子と歩いているところを見ちゃったんだよね・・・」

結衣　「本当に・・・？」

隆史　「確か紀乃ちゃんだった気がする。」

・・・やっぱりあの人のこと、好きだったんだ。

視界が歪み、とたんに涙が溢れた。

どうして言ってくれなかったの？



雅城　「結衣？」

結衣　「ま、雅城・・・」

あれ以来、ずっと話してなかった。

雅城　「浮気？」

浮気したのはどっちよ？

隆史　「違うよ。雅城のせいで泣いちゃったんだよ。」

雅城　「んな訳ないだろ！早く教室、戻ろう。」

強引に腕を引っ張られて抜けるかと思った。

今日の雅城は、相当機嫌が悪いらしい。

隆史　「待って。確かに俺といても幸せなことは起こらないかもしれない。でも、お前と一緒にいるよりはマシだと思うけどな。」

雅城　「俺、何か悪いことしたか？」

結衣　「・・・」

隆史　「俺、昨日お前が浮気しているところ見たんだからな。」

雅城　「・・・浮気じゃねぇーよ。」

やっぱり心当たりがあるみたい・・・

隆史　「じゃあ、なんだったんだよ？」

雅城　「お前には関係ないから。結衣、行くぞ！」

結局、あたしは雅城に無理やり連れて行かれた。

結衣　「痛いんだけど・・・」

雅城　「あっ、わりぃ・・・」

雅城は、掴んでいた手を離した。


雅城　「・・・悪かったな。ヘンな心配させて。」

結衣　「・・・」

雅城　「・・・誕生日おめでとう。」

結衣　「えっ？」